国内企業の IT 投資に関する調査結果 2014

2014 年 12 月 3 日
国内企業の IT 投資に関する調査結果 2014
-大企業・中堅企業の景況感は明るく、国内民間企業の IT 投資は増額見通し-
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内民間企業の IT 投資実態と今後の動向について調査を実施した。
1.調査期間:2014 年 7 月~10 月
2.調査対象:国内の企業、団体、公的機関等
3.調査方法:民間企業、および公的団体・機関等に対する郵送アンケート、および文献調査併用
<本調査における国内民間企業の IT 投資市場規模>
本調査では国内民間企業の IT 投資市場規模について、経済産業省および総務省の調査を基に、当社の民間
企業等に対する IT 投資に関するアンケート調査結果を加味し、国内民間企業の IT 投資額ベースにて算出した。
【調査結果サマリー】
‹ 2014 年度の国内民間企業の IT 市場規模は前年度比 2.1%増の 11 兆 1,500 億円と予測、
国内民間企業の IT 投資は増額見通し
2014 年度の国内民間企業の IT 市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、前年度比 2.1%増の 11 兆
1,500 億円と予測する。法人の景況感は大企業・中堅企業では上昇傾向が示されており、IT 投資も増額
を予測する。
‹ IT 投資は仮想化、セキュリティ、サービスが市場を牽引
2014~2015 年度は Windows Server 2003 のサポート切れに伴う移行作業を見込む民間企業が多く、ま
た、どの業種においても仮想化ソフトウェアやセキュリティ関連ソフトウェアへの投資優先度が高い。IT ベ
ンダー側の動きもサービスへの注力が目立ち、今後はハードウェアから BPO やクラウドコンピューティング
などサービス分野へのシフトがより鮮明になっていくと考える。
◆ 資料体裁
資料名:「国内企業の IT 投資実態と予測 2014」
発刊日:2014 年 10 月 31 日
体 裁:A4 判 199 頁
定 価:150,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
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2014 年 12 月 3 日
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況と今後の予測
国内民間企業の IT 市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、2013 年度は前年度比 1.9%増の 10
兆 9,250 億円と推計した。法人の景況感は大企業・中堅企業では上昇傾向が示されており、2014 年度は
前年度比 2.1%増の 11 兆 1,500 億円、2015 年度は前年度比 0.2%増の 11 兆 1,700 億円、2016 年度は
前年度比 0.4%増の 11 兆 2,100 億円を予測する。
家計調査(総務省)からは個人消費は停滞が続いていることがうかがえる一方、法人については、法人
企業景気予測調査(内閣府・財務省)などから大企業・中堅企業では見通しが明るくなっている。今後も、
米国経済の回復が期待されるなかで、国内においては円安も業績をサポートすることから、大企業を中
心に堅調な業績を上げていく可能性も高く、国内民間企業のIT投資は増額の見通しがあると考える。た
だ、欧州や中国経済の停滞感など不透明な点は多く、楽観視はできない。
また、本調査において実施した民間企業等に対する IT 投資アンケート調査※からも、2014 年度の国内
民間企業の IT 投資額は、増加基調にあることが示されている。
※調査期間:2014 年 7 月~8 月、調査対象:国内民間企業、および公的団体・機関 617 件、調査方法:郵送によるアンケ
ート
図 1. 国内民間 IT 市場規模推移と予測
国内民間IT市場規模推移予測
(単位:億円)
(億円)
110.0%
102.4%
140,000
100.8%
101.9%
102.1%
107,240
109,250
111,500
95.7%
120,000
103,890
100.2%
100.4%
100.0%
106,390
111,700
112,100
90.0%
100,000
80.0%
80,000
70.0%
60,000
40,000
60.0%
20,000
50.0%
40.0%
0
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度予 2015年度予 2016年度予
矢野経済研究所推計
注 1:2010 年度は経済産業省および総務省の調査を基にした弊社推計値
注 2:会計年度、且つIT投資額ベース
注 3:2014 年度以降予測値
注 4:IT 市場規模にはハードウェアとともに、スクラッチ開発とパッケージ導入(カスタマイズを含む)などのソフトウェアや、保
守関連や運用管理・アウトソーシングなどのサービス、ASP・クラウドなどのオンライン・サービス、回線利用料、その他
コンサルティングなどを含む。
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2014 年 12 月 3 日
2. 注目すべき動向
2-1.サービスへのシフトが続くIT投資
2013 年度は Windows XP の更新に伴う投資により、ハードウェアが盛り返したものの、今後はハードウェ
アから BPO やクラウドコンピューティングなどサービス分野へのシフトがより鮮明になっていくと考える。IT
ベンダー側の動きもサービスへの注力が目立ち、主役はクラウドサービスに移るため、サービスは安定的
に伸びていくことになろう。
2-2.仮想化、セキュリティがIT市場を牽引
IT投資アンケート調査結果をみると、回答企業の売上高、営業利益の平均金額は、どちらも 2012 年度
から 2014 年度に向けて上昇傾向にあり、堅調な業績を見込んでいる民間企業が多い。但し、売上高は
2013 年度、2014 年度と伸長するものの、営業利益額については 2014 年度が 2013 年度に比べわずかに
減少していることから、売上増の見通しを背景にIT投資を増加している様子がうかがえる。とはいえ、売上
高の平均金額についても、2015 年度は前年度に比べてほぼ横ばいなのに対し、2016 年度は減少予測と
なっており、企業の将来見通しは必ずしも楽観的であるとはいえない。
IT 投資の内訳についていえば、2014~2015 年度は Windows Server 2003 のサポート切れに伴う移行
作業を見込む企業が多く、また、どの業種においても仮想化ソフトウェアやセキュリティ関連ソフトウェアへ
の投資優先度が高く、これらが IT 投資の増加要因であると考える。
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