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2015 年 1 月 20 日
国内時計市場に関する調査結果 2014
~国内ウォッチ、国内クロックともに拡大基調~
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内時計市場の調査を実施した。
1. 調査期間:2014 年 10 月~12 月
2. 調査対象:時計業界に携わるメーカー・卸、海外企業現地法人、輸出入業者ならびに小売業等
3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、及び郵送アンケート、文献調査を併用
<国内時計市場とは>
本調査における国内時計市場とは、「ウォッチ(腕時計)」、「クロック(置時計・掛時計・目覚まし時計)」の 2 分野を指
し、2008 年~2013 年の実績値は一般社団法人日本時計協会の資料から引用している。
なお、「インポートウォッチ」とは海外ブランドの製品を指し、「国産ウォッチ(クロック)」とは国内メーカーの製品(国内
生産分、及び、海外で製造して日本に輸入し国内販売した分を含む)を指す。
【調査結果サマリー】
‹ 2013 年国内時計市場は前年比 120.0%の 6,955 億円、4 年連続のプラス成長
2013 年の国内時計市場規模は小売金額ベースで前年比 120.0%の 6,955 億円であった。国内ウォッ
チ市場の好調さに牽引され、前年比で 2 桁成長となり、2010 年以降 4 年連続のプラス成長であった。
‹ 2013 年国内ウォッチ市場規模は前年比 121.3%の 6,405 億円、
2018 年は 6,600 億円を予測
2013 年の国内ウォッチ市場規模は、前年比 121.3%の 6,405 億円であった。円安による値上げが実
施されたものの、消費税増税の駆け込み需要を追い風に、スイス製の高級機械式時計を中心とした欧米
からのインポートウォッチが好調に推移した。今後は国内メーカーを中心に高い技術力を結集した高級
時計や普及価格帯の商品強化を行いながら、富裕層や幅広い顧客層の更なる獲得や女性層の開拓を
行うものと考える。
‹ 2013 年国内クロック市場規模は前年比 107.0%の 550 億円、2018 年は 580 億円を予測
2013 年のクロック市場規模は前年比 107.0%の 550 億円であった。国産クロックを中心に高付加価値の
開発・販売強化による単価アップにより、2 年振りに前年を上回った。 クロック商品は既に消費者全般に
行き渡っているため、今後も大きな拡大は見込めないものと考える。こうしたなか、メーカー各社における
「健康・スポーツ関連」や「防災関連」等において、付加価値の高い商品開発が活発化することで、新たな
可能性が期待される。
◆ 資料体裁
資料名:「時計市場&ブランド年鑑 2015」
発刊日:2014 年 12 月 25 日
体 裁:A4 判 428 頁
定 価:125,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
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2015 年 1 月 20 日
【 調査結果の概要 】
1.市場概況
一般社団法人日本時計協会データによると、2013 年の国内時計市場規模は小売金額ベースで前年比
120.0%の 6,955 億円と、2010 年以降 4 年連続のプラス成長であった。分野別にみると、国内ウォッチ市場規模
は前年比 121.3%の 6,405 億円と好調に推移し、国内クロック市場規模は前年比 107.0%の 550 億円であった。
2018 年の国内時計市場規模は 2013 年比で 103.2%の 7,180 億円を予測する。このうち国内ウォッチ市場規
模は 2013 年比 103.0%の 6,600 億円、国内クロック市場規模は同 105.5%の 580 億円を予測する。
2. 国内ウォッチ市場の概況と予測
2013 年の国内ウォッチ市場は、円安による値上げが実施されたものの、消費税増税の駆け込み需要を追い
風に、スイス製の高級機械式時計を中心とした欧米からのインポートウォッチが好調に推移し、前年比で 2 桁
成長であった。
好調の要因は富裕層の消費に加え、消費者の本物志向による百貨店チャネルの復活や、20 代から 30 代の
若い世代の顧客層に 50~100 万円の高級機械式時計の入門モデルの購買ニーズがみられた他、高額時計
のリユースマーケットの拡大や、円安による訪日外国人観光客の増加とそれに伴う消費拡大等が挙げられ、普
及価格帯から高価格帯まで幅広い価格帯で好調であったことが挙げられる。
また国内ウォッチ市場では市場全体の約 8 割を欧米インポートウォッチが占めている(一般社団法人日本時
計協会データ)。こうした競合する欧米インポートウォッチに対し、国内メーカーでは GPS ウォッチや電波時計、
スマートフォンとの連携機能など国産ウォッチメーカーの高い技術力を結集した高機能・高性能の付加価値の
高い商品開発を強化し、国産ウォッチ拡大を図る戦略を打ち出したことが奏功した。
今後も国内メーカーを中心に高い技術力を結集した高級時計や普及価格帯の商品強化を行いながら、富
裕層や幅広い顧客層の更なる獲得、また女性顧客層の開拓を行うものと考える。こうした底堅い需要を取りこ
み、2018 年の国内ウォッチ市場規模は小売金額ベースで 2013 年比 103.0%の 6,600 億円を予測する。
3. 国内クロック市場の概況と予測
2013 年のクロック市場は国産クロックを中心に高付加価値の開発・販売強化による単価アップにより、2 年振
りに前年を上回った。国内クロック市場は国産クロックが市場全体の約 8 割を占めており(一般社団法人日本
時計協会データ)、同市場への影響は大きい。
クロック商品は既に消費者全般に行き渡っているため、今後も大きな拡大は見込めないことから、買い換え
や買い増し需要の掘り起しがポイントとなる。また新興国で生産した低価格商品の流入によって商品価格の低
下が続くものと考える。
こうしたなか、各社とも「実用性」「面白さ」「機能性」「デザイン性」「コストパフォーマンス」等をキーワードとし
た積極的な商品展開を推し進めている。近年はクロックメーカー独自の技術を活かし、防災行政ラジオや温湿
度計、歩数計などの応用商品を展開することで“未開拓の新しいマーケット創出”を進め、クロック市場全体の
活性化を図っている。
今後も「健康・スポーツ関連」や「防災関連」等において、付加価値の高い商品開発が活発化することで、新
たな可能性が期待される。
またこれまであまり取り組んでこなかった国内メーカーによる海外展開が積極化し始めており、今後の国内
市場との相乗効果や市場成長性が注目される。
こうしたことから、2018 年の国内クロック市場規模は小売金額ベースで 2013 年比 105.5%の 580 億円を予測
する。
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2015 年 1 月 20 日
図表 1. 国内時計市場規模推移
(単位:億円)
8,000
7,000
6,000
7,180
6,955
6,373
514
5,000
4,000
3,000
5,795
673
5,000
4,405
4,570
544
579
538
5,700
2,000
580
550
3,861
3,991
2009年
2010年
4,462
6,405
6,600
2013年
2018年( 予測)
5,281
1,000
0
2008年
2011年
国内ウォッチ市場規模
国内ウォッチ市場規模
国内クロック市場規模
国内時計市場規模(合計)
2008年
5,700
673
6,373
2009年
3,861
544
4,405
2010年
3,991
579
4,570
2012年
国内クロック市場規模
2011年
4,462
538
5,000
2012年
5,281
514
5,795
2013年
6,405
550
6,955
2018年(予測)
6,600
580
7,180
注1. 2008~2013 年実績値は一般社団法人日本時計協会より引用。2018 年は矢野経済研究所予測値
注2. 小売金額ベース
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