詳細はこちら - 矢野経済研究所

2015 年 5 月 8 日
パン市場に関する調査結果 2015
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内パン市場の調査を実施した。
1.調査期間:2015 年 1 月~2015 年 3 月
2.調査対象:パン・調理パンの製造・卸、主要ベーカリー等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話取材、インターネット調査、及び文献調査
<パン市場の小売チャネルとは>
本調査における小売チャネルの定義は以下の通り。
・ベーカリー・・・店舗内でパンを焼成し販売している小売店、小売チェーンの店舗を指す。食品スーパーなど
量販店に出店し、同一店舗内で焼成したパンを販売するインストアベーカリーを含む
・量販店・・・総合スーパー、食品スーパー、生活協同組合を含み、パンを仕入れて販売している店舗を指す
・一般店・・・製パンメーカー各社のパンを仕入れて販売している小売店(特約店)を指す
・学給パン・・・学校給食用のパンを指す
・その他のチャネルには、レストラン・ホテル・ファミレス等の外食店舗、事業所などの給食を含む
【調査結果サマリー】
‹ 2013 年度の国内パン市場規模は、前年度比 100.2%の 1 兆 4,042 億円
2013 年度の国内パン市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比 100.2%の 1 兆 4,042 億円
であった。2013 年度は、素材や製法にこだわったプレミアム食パンが市場を牽引する中で、食卓パン
や惣菜パンが前年度実績を上回った。国内パン市場(同ベース)は短期的には横這いから微増で推
移すると予測し、2014 年度を前年度比 100.4%の 1 兆 4,105 億円と見込み、2015 年度を前年度比
100.5%の 1 兆 4,179 億円と予測する。
‹ 食事系パン(食パン、食卓パン)がシェア 3 割に近づき、惣菜パンは堅調に推移
2013 年度の国内パン市場を商品別にみると、食事として摂るパン(食パン、食卓パン)が市場の 3 割
近くを占め、素材や製法にこだわったプレミアム食パンが市場を牽引した。また、惣菜パンは、焼きこ
み調理パンが長期的に堅調に推移しており、コンビニやベーカリーで消費者の支持を集めている。
‹ 小売チャネル別市場構成比は、量販店とコンビニで 6 割に近づく
2013 年度の小売チャネル別市場規模においては、量販店が 4,608 億円、構成比 32.8%でトップとな
っている。また、コンビニは 3,709 億円で構成比 26.4%となっており、微増で推移した。量販店とコンビ
ニの合計は 6 割弱に増加している。
◆ 資料体裁
資料名:「2015 年版 パン市場の展望と戦略」
発刊日:2015 年 3 月 27 日
体 裁:A4 判 480 頁
定 価:110,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.
2015 年 5 月 8 日
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況と将来予測
2013 年度の国内パン市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比 100.2%の 1 兆 4,042 億円で
あった。2013 年度は、量販店やコンビニがプレミアム食パン(素材や製法にこだわった食パン)を強化す
る中で、食パンとのシリーズ商品がヒットした食卓パンや利便性を売りにした惣菜パンが前年度実績を上
回った結果、市場規模は微増となった。今後の国内パン市場規模(同ベース)は、2014 年度を前年度比
100.4%の 1 兆 4,105 億円と見込み、2015 年度を前年度比 100.5%の 1 兆 4,179 億円と予測する。
国内パン市場は、内食化や調理の簡便化ニーズなど日本人のライフスタイルの変化や、パン食で育っ
てきた高齢者の増加などの拡大要因も考慮し、短期的には横這いから微増で推移すると予測する。一方
で、人口の増加と生活の洋風化で新興国の食品需要が拡大することで、小麦粉、油脂類など原材料価
格は長期的な上昇トレンドにある。また、国内においては少子高齢化が進み、中長期的にはパン市場は
縮小傾向に向かうと予測する。
1-1. 商品別動向
2013 年度の国内パン市場を商品別にみると、最大構成比を占める菓子パンは、主力チャネルのコンビ
ニでの商品種類の手詰まり感と震災による需要拡大の反動から前年度を割った。デニッシュも同様の結
果となった。
食パンは、プレミアム食パンに牽引され、それに連動した大手製パンメーカーの大型商品の安定供給
から好結果を残した。ここ数年続いた廉価な PB(プライベートブランド)食パンから、原材料や製法にこだ
わり、高価格なプレミアム食パンに需要がシフトし、パン市場を後押しした。プレミアム食パンは、コンビニ
大手が市場を牽引しそれに製パンメーカーが対応する形で、低価格志向に走っていた消費者の価格へ
の納得感を獲得し、成功した。食卓パンも食パンに連動し、微増となった。
フランスパンは、大手製パンメーカーが食事用として拡販したことから微増推移してきたが、ここに来て
微減となった。調理パンは、主力チャネルのコンビニでスイーツに売り場を取られ、新規性のある製品も少
なかったことから減少トレンドに歯止めがかからない。
図 1.商品別パン市場規模推移と予測
(単位:億円)
15,000
13,826
10,000
5,000
13,825
13,964
14,007
14,042
14,105
14,179
2,732
2,718
2,718
2,745
2,855
2,884
2,884
1,201
1,201
1,201
1,201
1,213
1,213
1,213
4,389
4,420
4,584
4,556
4,492
4,501
4,546
1,690
1,719
1,740
1,773
1,774
1,796
1,814
1,050
1,045
1,040
1,034
1,024
1,024
1,029
544
547
549
566
563
566
572
2,220
2,176
2,132
2,132
2,121
2,121
2,121
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
食パン
食卓パン
菓子パン
惣菜パン
デニッシュ
フランスパン
調理パン
0
2014年度見 2015年度予
矢野経済研究所推計
注 1:メーカー出荷金額ベース
注 2:製造過程において冷凍パン生地を利用したパンを含む
注 3:見は見込値、予は予測値
注 4:四捨五入のため、図内の合計が一部異なる
Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.
2015 年 5 月 8 日
1-2. 小売チャネル別動向
2013 年度のパンの小売チャネル別市場構成比(メーカー出荷金額ベース)は以下の通りである。
ベーカリー(構成比 26.2%)は、かつては最大チャネルであったが、新規出店数の減少と既存店の廃業
でシェアを下げている。
量販店(同 32.8%)は、食パンや健康志向に適した小麦ブランやライ麦、雑穀類などを使用したバラエテ
ィブレッドの強化と、パン売場内の商品カテゴリー政策が奏功しトップを維持している。
コンビニ(同 26.4%)は新規出店効果はあるものの、PB 商品が苦戦している。なお、量販店とコンビニを
合わせた市場構成比は徐々に 6 割に近づいている。
一般店(同 4.4%)と学給パン(同 1.0%)は、年々市場を縮小させている。なお、その他にはカフェベーカ
リー、レストラン、ホテル、ファミレス等の外食店、飲食店等が含まれており、市場構成比は 9.2%となり、成
長チャネルとして注目されている。
図 2.
2013 年度小売チャネル別パン市場構成比
学給パン
(137億円)
1.0%
その他
(1,293億円)
9.2%
一般店
(620億円)
4.4%
ベーカリー
(3,676億円)
26.2%
2013年度
パン市場規模
14,042億円
量販店
(4,608億円)
32.8%
コンビニ
(3,709億円)
26.4%
矢野経済研究所推計
注 5:メーカー出荷金額ベース
注 6:製造過程において冷凍パン生地を利用したパンを含む
注 7:本調査における小売チャネルの定義は以下の通り
・ベーカリー・・・店舗内でパンを焼成し販売している小売店、小売チェーンの店舗を指す。食品スーパーなど量販店に出店
し、同一店舗内で焼成したパンを販売するインストアベーカリーを含む
・量販店・・・・・・総合スーパー、食品スーパー、生活協同組合を含み、パンを仕入れて販売している店舗を指す
・一般店・・・・・・製パンメーカー各社のパンを仕入れて販売している小売店(特約店)を指す
・学給パン・・・・学校給食用のパンを指す
・その他のチャネルには、レストラン・ホテル・ファミレス等の外食店舗、事業所などの給食を含む
注 8:四捨五入のため、図内の合計が一部異なる
Copyright © 2015 Yano Research Institute Ltd.