ひゃっこい - タテ書き小説ネット

ひゃっこい
ぼっち球
タテ書き小説ネット Byヒナプロジェクト
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︻小説タイトル︼
ひゃっこい
︻Nコード︼
N0495CE
︻作者名︼
ぼっち球
︻あらすじ︼
文芸部の先輩と後輩が、ただ話すだけのお話。
※会話文のみ
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﹁ねえ、もしかして“ひゃっこい”って方言なのかしら?﹂
﹁なんですか藪から棒に。国語辞典を引いていたんじゃないんです
か?﹂
﹁その国語辞典に“ひゃっこい”あるいは“はっこい”という単語
が載っていないのよ﹂
﹁そりゃあ、方言ですし。大多数の日本人は“冷たい”と言います
よ﹂
﹁⋮⋮不覚だわ。こんな後輩風情にワタシの常識を覆されるなんて﹂
﹁なんでそんな憎々しげに言うんですか。
といか高校生にまでなって、そんな事も知らなかったんですか?﹂
﹁そんな事!? そんな事って何よ!
ワタシからすれば、寧ろ“ひゃっこい”という単語を知らない大
多数の人間が人生を損しているんじゃないかと思うわ!﹂
﹁人生レベルの損!?﹂
﹁ええ。例えば、アナタの大好きな幼女がプールに入ったとするじ
ゃない?
﹃うわっ、冷たいんだけど﹄と言う幼女と、﹃きゃっ、ひゃっこ
い!﹄と言う幼女だったら明らかに後者の方が可愛らしいでしょ﹂
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﹁まず訂正を求めます。
ボクはロリコンじゃねえよ!﹂
﹁あら、そうなの? てっきり幼女を見に公園や市民プールへ通っ
てそうな顔をしていたから﹂
﹁んな顔してねえよ!﹂
﹁前にも言ったでしょ? 自分の事は案外自分自身では判らないも
のなのよ﹂
﹁だとしても、ロリコンみたいな顔って意味が分かりませんよ!﹂
﹁おっと、危うくアナタの卑劣な作戦に嵌ってしまうところだった
わ。
勢いに任せて論点をずらそうとするなんて。
で、どちらの幼女が可愛いと思うのかしら?﹂
﹁明らかに口調が違いましたけど、敢えてそれを加味するのであれ
ば後者の幼女ですね﹂
﹁ロリコン﹂
﹁ロリコンじゃねえって!﹂
﹁ロリータ﹂
﹁ボクは幼女じゃねえ!﹂
﹁知ってるわよ。
3
あと、そんなに怒鳴ってばかりいると疲れるわよ?﹂
﹁先輩のせいですよね!?﹂
﹁まあ、それはさておき、方言幼女って案外良いと思わない?﹂
﹁⋮⋮幼女に限らず、方言を使う女性はなかなかに魅力的だと思い
ますよ﹂
﹁今オメサン、ロリコンて言われねよーにちょっと考えたろが。ら
っけにダメなんだてば﹂
﹁先輩は方言使うと非常にキャラが崩壊するので止めてください﹂
﹁あら、魅力的じゃないっていうの?﹂
﹁自分の事は案外自分自身には分からないものなんだそうですよ?﹂
﹁言ってくれるじゃないの。後輩風情が﹂
﹁だから何で憎々しげに睨むんですか!?
それにしても、どうして方言を使うと可愛くなるんですかね﹂
﹁知らねーてば。そんげん大学教授にでも訊いてこいばいいねっか
や﹂
﹁先輩は方言使っても可愛く︱︱
ちょっ! 国語辞典投げないでください!﹂
﹁⋮⋮チッ!
4
まあ、ワタシに言わせれば方言特有の可愛らしさというのはアレ
ね。
“ポンデリング”をひらがなで書くようなものよ﹂
﹁また分かり辛い例えを出しますね﹂
﹁解り辛いのはアナタの脳味噌のスペックが低いからよ。
“ポンデリング”よりも“ぽんでりんぐ”の方が可愛いじゃない
の﹂
﹁た、たしかに! 前後2文字目にくる“ん”が可愛さを引き立て
てますね!﹂
﹁は? 一番のチャームポイントは“り”でしょ?
無理矢理合わせて知ったかぶりしてんじゃないわよ﹂
﹁知らねえよ!﹂
﹁まあ、心優しいワタシは今回だけ見逃してあげるけれど、今後は
不用意な発言をしないことね。
で、ワタシは思うわけよ。方言に限らず、地方の隠れた魅力を知
らないというのは損なことだとね﹂
﹁魅力的なら全国的に広がってるでしょ、普通は﹂
﹁いいえ、違うわ。
例えば、この地方に住む幼女や女子高生、OL、人妻たちが大好
きなアレとか、まさに隠れた魅力じゃないの﹂
﹁そんな女性向けの魅力ありましたっけ?﹂
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﹁もう、鈍感なんだから。
ほら、ふにゃふにゃで、細長いアレよ。浅黒くて、女性はみんな
美味しそうに口に含むアレのことよ﹂
﹁⋮⋮ああ、ぽっぽ焼きのことですか。
あと、すごく誤解を招くような表現をしないでください﹂
﹁その表現でぽっぽ焼きと判るアナタも異常だと思うわよ。
それにワタシは嘘を吐いてないもの。悪くないわ﹂
﹁中途半端な事実を述べて真実を隠すのはダメです﹂
﹁後輩風情がカッコいいセリフ言ってんじゃないわよ﹂
﹁えー⋮⋮﹂
﹁ぽっぽ焼きの話をしてたら、お腹空いてきたわ。
そういえば、今日は夜宮だったわね﹂
﹁そういえば、たしかに今日が夜宮でしたっけ﹂
﹁どうせ一緒に行く友人もいないんでしょう?
誘ってあげましょうか?﹂
﹁なんだろう。すごく腹立ちますね、その言い方﹂
﹁で、どうなのよ。
行くの? 行かないの?﹂
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﹁わかりました、行きますよ﹂
﹁決定ね。
それじゃ、部活も今日は終わりにして帰りましょうか﹂
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PDF小説ネット発足にあたって
http://ncode.syosetu.com/n0495ce/
ひゃっこい
2014年6月24日20時30分発行
ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。
たんのう
公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ
うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、
など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ
行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版
小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流
ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、
PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル
この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。
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