研究協議と考察

6
研究協議より
○意見が出なかった時の活動時の写真提示は有効であったが、提示前にもっとしっか
り話し合いをさせてもよかったのではないか。こうした話し合いの経験を積み重ね
ていけば、高学年ではずいぶんレベルが上がってくるのではないか。
○意見が出にくい場合は、視点を絞って発問していくことが大切である。例えば、「秋
らしいゲームコーナーは?」「ほかの班でまねしたいところは? 」「どんな景品が良
かったか?」等。
○司会カードについては、分かる子もいたが、分かりにく
い子もいたのではないか。
○話し合い活動を活発にするためには、アイデアを見つけ
る方法を教師が提示するのではなく、子どもたちに投げ
かけて考えさせてもよかったのではないか。
○今回、アイデアを見つける方法を3つ提示したが、3つ
の方法のうちできたものにシールを貼る等、目に見える
形にすると子どもたちの意欲も増し、話し合いがさらに
活発になったのではないか。
○授業に備えての準備物や環境設定等が入念になされてい
たので、子どもたちが活発に活動することができた。そ
の上、細やかな指導が行き届きスムーズに活動できた。
○活動をさせるだけではなく、活動したことを認めてほめ
ている結果、書くことを嫌がらない子どもになっている。
○生活科・総合的な学習の時間は、活動をしただけで終わりになりがちであるが、「体
験を経験」にしていかなくてはならない。そのためには、お客さんとの会話、話し
合い、振り返りなどが大切であるが、そのどれもが授業の中に盛り込まれていた。
7
考察
本単元における思考力が育った姿とは、思考する場面において、自分の考えをきち
んともつことができ、話したり、書いたりすることによって、自分の考えをしっかり
と表現することができる姿ではないかと考える。そこで、思考力を育てるための手だ
てとして、話し合い活動や学習の振り返りを繰り返し行い、自分の考えを表現する機
会を多くもつようにした。
話し合いの時間を繰り返しもったことで、話し合いの進め方については、ある程度
定着することができ、話し合いの仕方を学ぶという点ではよかったように思う。しか
し、話し合いは、なかなか深まらなかったので、話し合いを通して思考力を育てると
いうことは、まだ1年生には難しかったように思う。
また、学習の振り返りを行い、感想や気付きを毎回カードに記入させたことで、カー
ドに書かれる内容に少しずつ変化が見られ、ただ漠然とした「楽しかった」といった
感想から、どんなことが楽しかったのかなど、より具体的に自分の考えを文章に表す
ことができるようになったと感じる。したがって、学習を振り返り、その中で得た感
想や気付きを文章に表していくということは、思考力を育てる手立てとして有効であ
ったと考える。
今後は、まず一人ひとりの話す力をもっと伸ばしていけるよう、その手だてを追求
し、実践していきたい。また、本単元を通して、自分の考えを書くということに、ず
いぶん抵抗がなくなってきたので、今後は、子どもたちの書く意欲を継続させていき
ながら、さらに文章に表現される内容の質の向上をめざし、実践を重ねていきたい。