第1章 里まち文化交流都市構想の概要 構想の役割 私たちの町の歴史は、1000 年以上前まで遡ります。この地で暮らす人々の、日々の営みか ら紡ぎだされた知恵や文化が積み重なった歴史でもあります。 しかし、社会環境や生活様式の変化によって、地域に根ざした知恵や生活文化が、少しず つ失われてきました。 そして、これらの大切さを改めて教えてくれたのが、東日本大震災と福島原発事故でした。 快適さと便利さを追い求めた私たちの暮らしの脆さと本当の豊かさへの問いかけでした。 私たちは、この災禍からの再生と復興に取り組んでいくために、 「1000 年のまち。これか ら 100 年のまちづくり基本計画(里まち文化交流都市構想-里まち文化ステーション編-)」 を策定します。 この地で 1000 年培われてきた人々の知恵、文化、わざ、歴史を受け継ぎ、今を生きる私た ちの思いや願いを付け加えて、100 年後のこの地に生きる人々に引き継ぐ計画です。 そして、この構想は、経済の成長度合いが緩やかになり、全国的にも人口減少の時代が到 来した今にあって、これから 100 年の歩みを進めていくための指針を明確にし、その実現に 向けて町民と行政が目標を共有して「しあわせ感」を育むための計画でもあります。 その一歩として、震災後の厳しさを好機ととらえ、幅広い年齢層が集うことができ、町の 基幹産業である農業を主軸とした農商工一体となった「復興のシンボルとなる場―里まち文 化ステーション―」を設置することとします。 2 基本計画の構成と期間 里まち文化交流都市構想は、次の計画と連携するとともに、具体的な行動計画について定 めます。 また、今後は、町内5地区(小坂、藤田、森江野、大木戸、大枝)ごとにも行動計画を策 定し、全町の振興を図ることとします。 そして、構想の第1次期間は、平成25年度から平成32年度までとします。 第5次国見町振興計画 国見町復興計画 国見町都市計画マスタープラン 1000 年のまち。これから 100 年のまちづくり基本計画 (里まち文化交流都市構想) 基本計画の策定プロセス 計画の策定は、町民各界各層の代表者と外部の有識者からなる「国見町活力あるまちづく り検討委員会」を設置し、東日本大震災と原発事故からの再生と復興のために早急に整備が 必要な「交流の場」についての議論を進めることとしました。 また、行政組織の中に、関係課の職員からなる「元気・活力まちづくり庁内検討委員会」 と今後の行政運営の核となる30歳代の職員からなる「元気・活力まちづくり研究会」を設 置し、組織・役職を超えたオープンな対話プロセスを取り入れ、より多くの職員が主体的に 計画づくりに関与できる手法を取り入れました。 今後は、これらの検討組織が連携し、全町的な視野に立って、持続可能な自立自治の実現 に向けた町民と行政の協働の土台づくりを実践するため、上記の組織に加え、地域別計画策 定委員会(仮称) 、町民フォーラム(仮称)等を開催することも検討することとします。 3 【職員の主体的な関与】 【地域別計画の検討】 【町民フォーラム】 次代を担う職員たちが担当の枠を 町内会を核に、地域のみなさんが 将来は、無作為抽出で選ばれた町 超えて対話し、視野を広げ、計画づ 話し合い、知恵を出し合い、地域の 民による検討会の開催も視野に入れ くりに携わり、国見町の未来を探求 将来像や自ら取り組む活動などをま ます。町民参画型まちづくりの究極 します。 とめます。 を目指します。 国見町活力あるまちづくり検討委員会 国見町都市計画審議会 交流の場検討部会 商工観光活力部会 農産物・ふるさと産品部会 旧小学校校舎活用計画策定委員会 子ども部会 国見町まちづくり推進協議会 元気・活力まちづくり庁内検討委員会 元気・活力まちづくり研究会 地域別計画策定委員会(仮称) 町民フォーラム(仮称) 4
© Copyright 2024 ExpyDoc