ガウスの法則の応用

電磁気学I-05
電磁気学I-05
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ガウスの法則 ε 0 ∫ E n (r )dS = S内の総電荷
電磁気学I 5回目 §1.5 ガウスの法則を応用した電場計算
電場の従う法則
(S )
(a) 球対称電荷 半径Rの球内に一様に分布した電荷
半径 の球内に一様に分布した電荷
使い方
1.電場の様子を考える。
1.電場の様子を考える。
ε 0 ∫ En dS = ∫ ρ (r )dV
S
左辺
閉曲面Sを貫く
電気力線の数
電場は放射状
大きさは中心からの距離rにのみ依存
(電気力線を描く)。
ガウスの法則
V
右辺
閉曲面S内
の総電荷
2. 適当な閉曲面Sをとる。
ρ
R
r
(計算しやすいように
電場と面を垂直か平行に、
閉曲面上で電場を一定に )
2. 適当な閉曲面Sをとる。
S:半径rの球面
球面S上でE(r)は一定の大きさで
面に垂直→ En (r ) = E (r )
3. ガウスの法則の左辺、右辺を 計算。
左辺=右辺
電場を求める。
電場×ある量
3. ガウスの法則の左辺、右辺を計算。
(左辺) = ε 0 × 半径rの球の面積 × E (r ) = ε 0 4πr 2 E (r )
電荷
(右辺) = S内の総電荷 = Q(r )
kE=q E=q/k
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E (r ) =
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3
Q(r )
4πε 0 r 2
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右辺の計算の仕方の例
問い
右辺の計算の続き
球内の電荷密度をρとすると
半径aの球内に全体でqの電荷が一様に分布している。
R
r ≤ Rの場合
r
4
Q(r ) = ρ × (半径rの球の体積) = πr 3 ρ
3
r > Rの場合
4
Q(r ) = ρ × (半径Rの球の体積) = πR 3 ρ
3
Q(r )
E (r ) =
4πε 0 r 2
2
半径rの球面を考えたときその内部にある電荷の量を
求めよ。(r>aのときとr<aのときに分けよ。)
R
r
 ρr
 3ε (r ≤ R)
E (r ) =  03
 ρR 2 (r > R )
 3ε 0 r
答え
・r>aのとき、電荷はすべて球面内にあるので、q
・r<aのときは球内の電荷密度を考える。

4
4 3
ρ = q /  πa 3 
πa
半径aの球の体積は なので、電荷密度ρは
3

3
q
4 3
4 3 q 3
よって、電荷量は ρ ⋅ 3 πr = 4 3 ⋅ 3 πr = a 3 r
πa
3
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(b) 軸対称電荷
球対称な電荷分布に対する一般的な右辺の計算の仕方
無限に長い円柱に一様に分布した電荷のつくる電場
z
電荷の分布が球対称であるが、一様ではない場合
1.電場の様子を考える。
電荷密度ρが距離rの関数 ρ(r)
r
半径rの閉曲面S内の総電荷はどのように求めるか?
h
玉葱状に薄い球殻(皮)に分ける。
玉葱状
r
半径r’、厚みΔr’の球殻
球殻内の電荷密度 ρ(r’)
△r’
球殻の体積 4πr’2Δr’
4πr’2△r’ ⇒球殻内の総電荷 2
=ρ(r’) 4πr’ Δr’
r’
O
電場はz軸に垂直でxy面内の方向について一様
大きさは、中心からの距離rにのみ依存
ε 0 ∫ En (r )dS = S内の総電荷
(S )
2. 適当な閉曲面Sをとる。
閉曲面内の球殻の電荷を足す。
閉曲面S
閉曲面
R
閉曲面S:半径r、高さhの円筒=上面+下面+側面
r
Q(r ) = ∫ 4πr '2 ρ (r ' )dr '
0
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3. ガウスの法則の左辺、右辺を計算。
無限に長い直線上に分布した電荷のつくる電場
電場はz軸に対して垂直⇒面積分のうち、上面、下面の項はゼロ
(左辺) = ε 0 × 半径rの円筒の側面の面積 × E (r )
z
= ε 0 2πrhE (r )
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λ
r
ε 0 ∫ En (r )dS = S内の総電荷
(S )
(右辺) = S内の総電荷 = Q(r , h)
h
円柱内の電荷密度をρとすると
r ≤ Rの場合
Q(r , h) = ρ × (半径r、高さhの円柱の体積) = πr hρ
2
h
閉曲面S
閉曲面
E(r)
r
λ:電荷の線密度
λ:電荷の線密度
(左辺) = ε 0 2πrhE (r )
(右辺) = λh
r > Rの場合
Q(r , h) = ρ × (半径R、高さhの円柱の体積) = πR 2 hρ
左辺=右辺 電場を求める。
 πr hρ (r ≤ R )
ε 0 2πrhE (r ) =  2
(r > R )
πR hρ (左辺) (右辺)
2
 ρr
 2ε ( r ≤ R)
E (r ) =  02
 ρR ( r > R )
 2ε 0 r
E (r) =
λ
2πε 0 r
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(c) 平面状電荷
電荷の分布が軸対称であるが、一様ではない場合
無限に広い平面上に分布した電荷のつくる電場
1.電場の様子を考える。
電荷密度ρが距離rの関数 ρ(r)
z2
底面の半径rの円筒S内の総電荷はどのように求めるか?
r
z1
バームクーヘン状に薄いパイプ
(皮)に分ける。
r’
△r’
半径r’、厚みΔr’、高さhのパイプ
パイプの電荷密度 ρ(r’)
4πr’2△r’ パイプの体積 2πr’hΔr’
⇒筒内の総電荷
=ρ(r’) 2πr’hΔr’
O
h
閉曲面内のパイプの電荷を足す。
r
閉曲面S
閉曲面
Q(r ) = ∫ 2πr ' hρ (r ' )dr '
∫
(S )
電場はxyによらずz方向: Ez(z)
側面からの項=0
z1
E ( z 2 ) = E ( z1 )
電場はzによらず一定値
z1
E(z)
z
S1
σ
S1
0
0
-z
-z
2. 適当な閉曲面Sをとる。
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閉曲面S1: 内部に電荷あり
z2
閉曲面S2: 内部に電荷なし
(左辺) = ε 0 × (上面 × 出ていく電場 + 下面 × 入ってくる電場)
= ε 0 A( E ( z2 ) − E ( z1 ))
(右辺) = S 2内に電荷無し = 0
E(z)
A
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En (r )dS = S内の総電荷
3. ガウスの法則の左辺、右辺を計算。
S2
閉曲面S: z軸を軸とした直方体=上下面(面積A)+側面
0
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ガウスの法則 ε 0
z
z2
S2
S2
(左辺) = ε 0 × (上面 + 下面) × 出ていく電場
= ε 0 2 AE ( z )
(右辺) = S1内の電荷 = A × σ
σ
E( z) =
2ε 0
z
S1
0
ただし、z>0で上向き、z<0では下向き
-z
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問2:下図のような面積がSの平板コンデンサーにQの電荷を
蓄えたときの電極間の電場は?
+Q
+Q
-Q
-Q
それぞれの電極の作る電場を足し算する。
電荷密度はρ=Q/S
上の電極 上側には上向きρ/(2ε0)= Q /(2ε0 S )=E
下側には下向き 大きさE
下の電極 上側には下向き 大きさE
下側には上向き 大きさE
よって、二つの電極の外側の領域では電場は打ち消しあ
いゼロ。間の領域では2E= Q /(ε0 S )で下向き。
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