鹿児島大学/愛媛大学 宇宙電波天文学特論 第8回 星形成 半田利弘 鹿児島大学 大学院理工学研究科 物理・宇宙専攻 Mellinger 分子雲の収縮 ▶ 自己重力による収縮 ■ ■ ■ 位置エネルギー→熱エネルギー 赤外線による放熱:等温収縮 十分に低温低密度ならガス圧は無視できる ▶ 落下のタイムスケール ■ ■ 力学的時間dynamical time 自由落下時間 free fall time Mellinger 力学的時間dynamical time ▶ 質量Mの一様ガス球中を落ちる時間Tdyn d2r/dt2=-(G/r2)(4p/3) r3r ■ t=0でr=R, dr/dt=0として解くと r=R cos(t(4p Gr/3)1/2)、 ■ したがって、 半径R Tdyn=(3p)1/2/4 (G r )-1/2 Mellinger 質量M, 密度 r 自由落下時間free fall time(1) ▶ 質量Mの天体に引かれて落ちる時間Tff d2r/dt2=-GM/r2 ■ t=0でr=R, dr/dt=0として解くと (u-1)1/2/u+arctan((u-1)1/2)=At/R、 ただし、u=R/r、A=(2GM/R)1/2 半径R ■ したがって、 Tff=1/23/2 (G M )-1/2 R3/2 3 ■ r =3M/(4p R ) とすると 質量M=4pr R3/3 Tff=(3p/32) 1/2 (Gr)-1/2 Mellinger 自由落下時間free fall time(2) ▶ 球殻のfree fall timeは最初の位置に寄らない ▶ 自分より内側の平均密度だけで決まる ■ Tff=(3p/32) 1/2 (Gr)-1/2 外側が内側を追い越すことがない! ▶ ガス球全体もこの時間で潰れる Mellinger Tff=2-1/2 Tdyn ▶ 2つの時間はfactor倍しか異ならない 分子雲の収縮時間 ▶ 自由落下で良ければ=圧力で止まらない ▶ 典型的な分子雲の密度 n(H2)=103 cm-3として、r = 3.4×10-21 g cm-3 ▶ 代入すると Tff=(3p/32) 1/2 (Gr)-1/2=1.1×109 yr ▶ 実際はもっと時間がかかるはず ■ ∵分子雲の寿命が短すぎる ▶ 自己重力に対抗する乱流で支える Mellinger 分子雲から星形成へ ▶ 分子雲中の密度ムラ ▶ 自己重力で成長(?) ▶ 分子雲コア ■ ■ 高密度トレーサーで観測 CS, NH3 ▶ 自己重力で収縮 ▶ 収縮速度の増加→断熱的収縮→温度上昇 ▶ 電離して原始星となる Mellinger 分子雲と分子雲コア ▶ S252(Monkey Head Nebula)での例 13CO Mellinger NH3 Imura 2010 Master Thesis 星形成の場 ▶ 象の鼻構造 ▶ elephant trunk Mellinger 双極ガス流と原始星 ▶ 両側に吹き出すガスの流れ ▶ 根元を押さえる回転ガス円盤 Mellinger 原始星からのガス流(1) ▶ ジェットの根元まで見る Mellinger 原始星からのガス流(2) ▶ メーザースポット ▶ ハービッグハロー天体 Mellinger 双極ガス流の加速 ▶ どうやってガス流が発生するのか ▶ 原始星周りの特徴 ■ ■ コンパクトな天体(原始星)+大量のガス 磁場の働き Mellinger 磁力線 ▶ 磁石の周りの砂鉄の分布 ▶ 磁石の極を結ぶ「力線」=磁力線 Mellinger 大阪市立科学館 大阪市立科学館 磁力線の性質 ▶ 磁力線=磁場を直観的に理解できる ■ ■ 平行な磁力線は反発する 磁力線方向には縮もうとする ▶ 磁力線と磁場 ■ ■ 磁力線の向き=磁場の向き 磁力線の密度=磁場の強さ ▶ 磁力線→磁束 Mellinger 電磁石と磁力線 ▶ 電流を流すと磁石になる ▶ 電線の周囲の磁力線分布 Mellinger 磁力線と電流 ▶ 2つの電線は引き合う・反発する ▶ 磁力線から電流が受ける力 ▶ フレミングの左手の法則 Mellinger 電子と磁力線 ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ 電流=電子の流れ 電子の運動と磁力線 弦巻運動 磁力線から離れられない 磁力線への凍り付き Mellinger 降着円盤での磁場のねじり ▶ バネを巻く→はじけて伸びる Mellinger 富坂による計算結果 富坂による計算結果 もう1つのモデル ▶ 磁気遠心力モデル ■ ■ 降着円盤で回転する磁場ができる 磁力線に沿って遠心力で加速 Mellinger
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