東北農業研究 (Tohoku Agric Res)41. ヨ チ ホ 19-20(1988) ナ の ミ 田 広 身 鴇‐ (宮 城県古川農業試験場 施 肥 渡辺 善弘 反 応 キ *古 川農業改良普及所 ) Growth Response of New Rice Cultivar “Chiyohonami" to「 ertilizer Application HirOmi ToKITA and YOshihiro WVATANABE* (Myaが 表 に 宮城県は ,県 南部平垣及び西部丘陵地帯 の 標高 100π 以 チ 下 に作付 されて い るササ ミノ リと,不適地 に作付 されてい るササ ニ シ■に代 る品種 として ,昭 和62年 奨励品種 に採用 ヨ ホ した。県 では ,う まい米の生産地 としての声価を今後 とも 維持 して い くため ,昭 和 65年 までに県全体 の作付面積 の 10 ナ ミ %に 当たる10、 000ん αに普及させ る計画であ る。 そ こで ,本 品種 の優れた特性を発揮 させ ,良 質 で安定多 サ 収を上げる栽培法 の 目安を得 るため ,品 種特性が施肥条件 サ によ りどのよ うな反応を示すか検討 したので ,得 られた結 ミ 果 について報告す る。 ノ リ 2試 験 方 法 ll)試 験年次 : 昭和60年 ∼62年 サ 2)試 験場所 : サ 宮城県古川農業試験場 13)供 試土壌 : 灰色低地土 細粒強グ ライ シ {4}供 試条件 キ (単 位 :ra/10`) 備 N量 55 55 55 55 70 : 首 分 穂 ) 8 10 9 23 69 8 9 24 8 11 9 24 744 17 4 8 11 9 25 77 5 180 8 8 9 24 78 0 18 2 8 8 9 23 78 0 8 9 9 21 752 161 無∼微 9 9 22 804 17 3 8 10 9 22 788 16 5 少∼多 無∼微 8 1o 9 22 813 17 5 少∼中 8 7 9 21 850 8 6 9 20 830 8 746 16 4 8 11 758 174 18 4 173 中 17 5 8 13 9 28 8 13 9 28 808 16 6 162 8 12 9 28 778 16 9 8 13 9 30 824 17 3 少 中 少∼中 中∼多 8 12 ' 27 87 0 177 多 8 11 9 27 87 0 18 7 多 基肥 55の 各区は 60年 ∼ 62年の 3か 年平均 70区 6“軍 考 `ま P,Kは 全量基肥 Pi 15り ,K:11り 法 による出穂期 ,成 熟期 の変動は ,サ サ ミノ リ,サ サニ シ キと同様 にイヽ さか った。稗長は ,サ サ ミノ リ及びササニ シ 62年 の穂首分化期追肥時 期は幼穂形成始期。 基肥 70は 60年 の み。 キよ り短 く,穂 首分化期の追肥により伸長す るが ,耐 倒伏 70 15)比 較品種 16)耕 種概難 肥 (Nり /10α 55-0 0 55-2 0 55-0 2 55-2 2 70-2 0 70-0 2 55-0 0 55-2 0 55-02 55-2 2 70-2 0 70-0 2 55-0 0 55-2 0 55-0 2 55-2 2 70-2 2 70-0 2 注 基肥 穂 減 ¨ 種 である。 基 倒 伏程度 無 無 無 無 一 無 無 良食味 と,コ の 多収 特長を合せ持 つ品 施肥別 出穂期 ,成 熟期 ,碍 長 ,穂 長及び 倒伏程度 長 品 種 名 チ ヨホナ ミは ,ア キホマ ン (母 )の 良質 ガ ネ ヒカ リ (父 )の 強稗 耐冷 1 ) 拝 長励 じ め ・ 成熟期朋 は ∫ 盤蠍│よ:躯 職計 '¨ 出穂期用 : :柵 逗撫 性は強 く,試 験 の範囲 では倒伏 は全 く認め られなか った。 図 1に 施肥法 と収量及び収量構成要素 ,図 2に 靱数 と登 熟歩合 ,図 3に 靭数 と収量 の関係を示 した。穂数 ,籾 数及 び玄米千粒重は共にササ ミノ リとササニ シキの 中間であ り ササ ミノ リ,サ サニ シキ , 箱当た り180′ 播 き稚苗を 5月 8日 前 後 に移植 ,栽 培密度 300× 150ぃ ,222株 /″ ,栽 植本数 穂首分化期 の追肥は穂数及び一穂籾数を ,減 数分裂期の追 肥は一 穂籾数をそれぞれ増加させたが ,そ の傾向は基肥多 5本 /株 ,手 植え。 肥条件で顕著であった。登熟歩合はササ ミノ リよ り低 いが ササニ シキよ り明 らか に高 く,籾数増加 に伴 う登熟歩合 の 低下はササニ シキよ り緩やかであ った。 したが って ,基 肥 17)試 験規模 , : 1区 10イ , 3 試 験 2区 制 結 果 表 1に 示 したようにチ ヨホナ ミの 出穂期は 1日 ,成 熟期 は 2日 程度それぞれササ ミノ リより遅か った。また ,施 肥 多肥又は追肥 によ り糎数の増加を図 るとササ ミノ リ,サ サ ニ シキよ り多収 とな り,更 に籾数 の増加を図 ることにより かな りの多収が期待できると推察 された。 -19- ,)------o---"4-"-: ∼ ■イ´ 第 41号 (1988) e r‐ 登熟歩合 r多 ^ヽ 0 2Ш ” ∞ =‐ ヽ、 ミ ′ ▲ 、 )'..--i=* η ω 0、 ヽ ヽヽ 。 ____く 、 \ \。 0チ ヨホナ ミ 0` 、 \ 0サ サニツキ 300 /′ 350 O 400 イ当た り籾数 図2 ” a “ ω “ 基首 減 2 ) つ ´ ´´イ 、、、 、、 。 cr´ ー A― ー __ 0チ ヨホ ナ ミ ●チヨホナ ミ 55 0 55 2 55 0 ` ――― ll`。 ∼ 62一 ,6 2 70 ,0 2 0 ` 昭 Oサ サニ シキ 300 施肥法 と枝梗数 ,粒 厚 率及 び外 観品質 穂 減 首 分 (Nり /10α ) 基 肥 図3 チ ョ ホ ナ ミ サ サ ミ ノ リ サ サ ニシ キ 75 75 85 98 73 9o 79 1o6 55-00 55-20 55-02 55-2 2 55-00 55-20 55-02 55-2 2 84 78 76 61 83 78 79 1o7 80 1o5 84 113 18m以 下の玄米比 二次 / 玄 米粒厚 ‐次比 18m以 (%) 下比 率① 350 400 ノ当たり籾数 6¨ 図 1 施肥法 と収量及び収量 構成要素 表 500 ) イ当た り籾数 と登熟歩合 (昭 和 60∼ 62年 Oサ サ ニ ツキ ヨ 験年 次 450 100粒 (× ▲ サ サ ミノ リ 施 肥 法 -0'40` 量 ^″ ‘ ︶ 数 ^万 t 命 ︶ 登 熟 歩 合 ︵% ﹀ 千 粒 重 ︿′ ︶ 収 量 ^● そ ︶ 葬 -06017 。 ヽこ、 ^% ﹀ , 5 4 ¨ m 7 m 総数 ^ ″ 行 ︶ 初 数 ︵し 体 ﹀ 、 tヽ ﹄ 一 東 北 農 業 研 究 450 (× 100粒 ,00 ) ″当たり籾数 と収量 (昭和 60∼ 62年 ) 表 2に 枝梗数 ,粒 厚 18爾 以 下の 玄米比率及 び外 観品質 を示 した。一次枝梗数 に対す る二次枝梗数 の割合はササニ シキ並 に多 く,穂 首分化期 の追肥で二次枝梗が多 くなる傾 向がみ られた。また ,穂 首分化期 の追肥で二次枝梗籾 の割 合が多 くなると粒厚 の うす い玄米の比率が高まり,玄 米千 粒重が小さ くな り,品 質 は青未熟粒等 の増加で低下す る傾 向がみ られた。 4 ま チ ヨホナ ミは ,籾 数 の増加を図 るとかな りの多収が期待 され るが ,穂 首分化期頃の追肥 によ り籾数 の増加を図 ろう とす ると,二 次枝梗靭の割 合が多 くなり,千 粒重及び品質 が低下す る傾向がある。耐倒伏性はかな り強 く,穂 数 は比 較的確保 しやす い品種なので ,基 肥量の増加及び初期生 育 の促 進 による穂数増加で籾数確保を図るのが ,チ ヨホナ ミ の特性 を生か した良質 ,多 収栽培法 と考え られる。 - 20-
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