2009年10月 ― 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。― 使用上の注意改訂のご案内 謹 啓 時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は、弊社製品につきまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さてこの度、標記製品の「使用上の注意」を改訂致しましたので、お知らせ申し上げます。 今後のご使用に際しまして、改訂内容をご参照くださいますようお願い申し上げます。 謹 白 「医薬品医療機器情報提供ホームページ(http : //www.info.pmda.go.jp/)」に最新添付文書並びに医薬品安全対策情報(DSU)No.183 が掲載されますので、あわせてご参照ください。 −1− Ⅰ.改訂内容(下線__部:追記箇所) 改 訂 後 4. 副作用 (1) 重大な副作用 1) 感染症(頻度不明) :省略 2) 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明): 進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれる ことがあるので、本剤の治療期間中及び治療 終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障 害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、 言語障害等の症状があらわれた場合は、MRI による画像診断及び脳脊髄液検査を行うとと もに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 3) BKウイルス腎症(頻度不明):BKウイルス腎 症があらわれることがあるので、このような 場合には減量又は投与を中止し、適切な処置 を行うこと。 4)−15) 省略 改 訂 前 4. 副作用 (1) 重大な副作用 1) 感染症(頻度不明) :省略 記載無し b 記載無し 2)−13) 省略 Ⅱ.改訂理由 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知(平成21年9月28日付)に基づく改訂 「重大な副作用」に進行性多巣性白質脳症(PML)及びBKウイルス腎症を追記しました。 (免疫抑制剤共通) 本邦において、主としてT細胞に作用する機序を有する免疫抑制剤による感染又は感染の再活性化に起因 する副作用について検討した結果、免疫抑制剤共通として、進行性多巣性白質脳症(PML)及びBKウイル ス腎症について注意喚起を行うこととなりました。 PMLについては、過剰免疫抑制によるJCウイルスの潜伏感染活性化の注意事項として既に「重要な基本的 注意」に記載していますが、今回「重大な副作用」に記載しました。 また、BKウイルス腎症につきましても「重大な副作用」に記載しました。 なお、2009年7月14日FDAは特定の免疫抑制剤の製造業者に対し、免疫抑制療法を受けている患者がBKウ イルス腎症を含む日和見感染症(潜伏感染ウイルスの活性化などによる)に罹患するリスクが高いことを 反映させるため、添付文書を改訂するよう要求しています。患者がBKウイルス腎症を発症した場合は、免 疫抑制治療の調節を考慮することとしています。 FDAの注意喚起については以下をご参照ください。 http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ ucm171828.htm −2− 症例の概要 【BKウィルス腎症】:国内報告 患 者 No. 性・ 年齢 使用理由 1日投与量 投与期間 1 女 50代 腎移植拒絶 反応の抑制 2g 不明 1g 不明 副作用 経過及び処置 BKウィルス腎症 既往歴:有(IgA腎症) 医薬品副作用歴:不明 投与3日前 タクロリムス水和物0.2mg/kg/dayを投与(∼投与2日前) 。 タクロリムス水和物0.08mg/kg/dayを継続投与。Trough level及びAUC (0-9) level でタクロリムス水和物投与量を調節した。 投与1日前 腎移植施行。メチルプレドニゾロン500mg/dayを投与。手術日より4日間、プレ ドニゾロン50mg/dayを投与。プレドニゾロンは毎週減量(40→30→25→20→1510mg/day) 。 投与開始日 本剤2g投与開始。 投与32日目 術後経過順調。退院。 血清クレアチニン0.6mg/dL。 投与147日目 急性拒絶反応疑い(生検は未実施)のため、他院にてメチルプレドニゾロンパル ス療法を受けた。 投与160日目 血清クレアチニン1.4mg/dLのため、当院にて移植片のバイオプシーを実施。 重度の尿細管間質性腎炎を認め、尿細管細胞核内に封入体が散見された。組織学 的にdecoy cellを認めた。 術前は100copies/mL以下であった末梢血BKV DNA PCRにて、BKV DNA 1.6× 105copies/mLまで上昇。 「BK virus-associated nephropathy(BKVAN)」と診断。 不明 タクロリムス水和物5mg→2mg、本剤2g→1g、プレドニゾロン7.5mg→5mgに (投与中止日) それぞれ減量するも、BKV DNA 及び 血清クレアチニンの改善みられず、本剤 をミゾリビンに切り換えた。免疫グロブリン5g×3days静注実施。 しかし、BKVANの改善には至らず。 不明 血清クレアチニン3.0mg/dLまで上昇し、BK viraemia も持続するため、再度バ イオプシーを実施。核内封入体を有した尿細管細胞の増加を認めた。 BKV DNA 1.9×105copies/mLまで上昇。 シドフォビル療法(0.25mg/kgシドフォビル静注1h∼、prehydrated with saline) を施行。シドフォビル療法を2週間隔で4カ月間施行。 不明 バイオプシーを施行。核内封入体を伴う尿細管の炎症は消失し、decoy cellも認 めず。 BKV DNA PCRにて100copies/mL未満。 最終シドフォビル療法後6カ月間、血清クレアチニンレベルは2.0mg/dLで安定。 併用薬:タクロリムス水和物、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン 次ページ以降に改訂後の添付文書全文が記載されておりますので、あわせてご参照ください。 −3− −4− −5− −6− −7− −8− −9−
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