脊 髄 梗 塞 患 者 に対 するパワーリハビリテーション 3. 表 在 感 覚( 触 圧 覚 ・温 痛 覚 )・ 複 合 感 覚 は 初 期 評 価 時 と 比 較 し て 変 化 見 ら れ な か っ た が (VAS8. 9) 、 深 部 感 覚 竜 田 庸 平 (P T) 廣 田 香 織 ( PT) (運 動 覚 )に お い て 向 上 見 ら れ た 。( 初 期 評 価 時 2/5 → 直 江 貢 ( PT ) 効 果 判 定 時 5/5 ) 國 友 一 史 (M D) 4. 医療法人久仁会 た が 効 果 判 定 時 は 5 (不 良 ) で あ っ た 。 初 期 評 価 時 は 、 鳴門山上病院 K e y wo rd s : 脊 髄 梗 塞 自 身 の 身 体 能 力 に 悲 観 的 発 言 が 多 く 聞 か れ た が 、現 在 パワーリハビリテーション は向上心を推測させる発言等見られるようになった。 T i me d up & g o 【はじめに】 当 法 人 は 平 成 16 年 8 月 1 日 よ り パ ワ ー リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン( 以 下 PR )機 器 を 導 入 し 、自 立 支 援 ・ 介 護 予 防 の 概 念 に即したリハビリテーション(以下リハ)を施行してい QUIK の 初 期 評 価 時 6 段 階 評 定 は 6( 極 め て 不 良 ) で あ っ 5. TUG の 単 回 帰 分 析 は 、 相 関 性 が 見 ら れ な か っ た 。 6. TUG 時 動 画 の 比 較 検 討 結 果 と し て 、 起 立 動 作 の 流 暢 性 ・歩 行 姿 勢 の 改 善 を 主 体 に 改 善 が 見 ら れ た 。 【考察】 初 期 評 価 時 の TU G は 立 ち 上 が り 開 始 時 に 何 度 も 自 己 修 る。 今回、外来通院中である慢性期脊髄梗塞患者のリハを 正を行っていたが効果判定時では自己修正することなく 経験し、評価結果を以下に考察し報告とする。 運動遂行可能であった。これは立ち上がり動作に効果的 【対象ならびに症例紹介】 で あ る と い う HL P が も た ら し た 結 果 と 考 え る 。 実 際 に 、 64 歳 女 性 。 平 成 1 6 年 7 月 脊 髄 梗 塞 発 症 。 平 成 17 年 8 立 ち 上 が り 時 使 用 筋 群 で あ る 下 肢 の 抗 重 力 筋 群 は MM T の 月 15 日 よ り 当 院 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 科 に 外 来 通 院 中 で あ 値が向上し、運動遂行時の重要なフィードバックである る。第一仙髄に梗塞巣が見られ、温痛覚障害と髄節以下 関 節 覚 評 価 値 が 向 上 し て い る 。 PR が 神 経 筋 間 の 促 通 に 関 の 筋 の 運 動 障 害 ・膀 胱 直 腸 障 害 を 主 体 と し た 前 脊 髄 動 脈 与 す る こ と は 周 知 で あ る と お り 、 対 象 の 神 経 筋 間 で も PR 症 候 群 が 見 受 け ら れ る 。 な お 痛 覚 は V isua l ana log s ca le が促通的に効果をもたらした結果と考える。 (以 下 VAS) 9.3 と 高 い 値 を 示 し て い た 。 通 院 当 初 の 活 動 能 一 方 、TU G の 単 回 帰 分 析 で は 相 関 性 が 認 め ら れ な か っ た 。 力 と し て B arth el ind ex( 以 下 BI) は 5 0 点 で あ り 、 歩 行 能 しかし動画上に脊柱伸展を確認し、歩行姿勢の改善を確 力は歩行器使用で部分介助を要していた。 認した。これは関節覚の向上による身体図式の確立性と 【方法】 身体イメージ獲得による運動遂行時の反省的感覚フィー 1. 使 用 機 器 は ド イ ツ プ ロ ク ソ メ ッ ド 社 製 Compa ss ト レ ー ドバックの改善がもたらした結果と考える。 ニングマシンを用い、ホリゾンタルレッグプレス(以 QOL が 向 上 し た 要 因 と し て A DL の 向 上 が 考 え ら れ る 。宇 下 HLP)、 レ ッ グ EX ・FX 、 ト ー ソ EX・ FX の 3 機 種 を 使 用 高 ら 、 香 川 ら 、 江 藤 ら は AD L や IA DL の 低 下 が Q OL に 重 要 し た 。運 動 の 種 類 と し て 対 象 の 心 身 機 能 構 造 を 考 慮 し 、 な影響を与えていると報告している。このことから症例 レ ッ グ プ レ ス ・膝 関 節 屈 曲 ・膝 関 節 伸 展 ・ 体 幹 屈 曲 の 4 は 、 日 々 獲 得 し て ゆ く AD L 項 目 と 家 庭 内 役 割 に 生 き が い 種類を採用した。 を 感 じ 、 QOL 向 上 に 至 っ た と 考 え る 。 し か し QUIK で は 未 2. 頻 度 と し て は 月 ・水 ・ 金 と 週 3 回 行 っ た 。 だ 5( 不 良 )と い う 結 果 で あ っ た 。 こ れ は 脊 髄 損 傷 に 60 % 3. 期 間 は 、平 成 1 7 年 8 月 15 日 ∼ 平 成 17 年 11 月 1 4 日 の 合 併 す る と い わ れ て い る 慢 性 疼 痛 と QO L 低 下 に 重 要 な 位 3 ヶ月とした。 4. 対 象 の 初 期 評 価 と 効 果 判 定 時 評 価 を 比 較 検 討 し た 。 置 を 担 う 排 尿 ・排 便 障 害 が 影 響 し て い る と 考 え る 。 最後に、脊髄梗塞は脊髄の血管障害であり脳梗塞と比 5. QOL 評 価 と し て QUI K を 使 用 し た 。 較して非常に少数疾患である。そのため患者に与える孤 6. Timed up & go( 以 下 TUG) は 毎 PR ご と に ス ト ッ プ ウ オ 独感はインターネット上の掲示板等にもしばしば見受け ッチにて計測し、同時に動画撮影する。並びに、取得 ら れ 、 脊 髄 梗 塞 患 者 の QO L 低 下 は 最 良 医 療 の 提 供 を 命 題 データを単回帰分析にて相関性の検討を行った。 とする我々にとって避けられない検討要因の1つである。 【結果】 対象者はこのような状況のなか、慢性期脊髄梗塞の身体 1. 初 期 評 価 時 徒 手 筋 力 評 価 法 ( 以 下 MMT ) と 効 果 判 定 時 能 力 に 並 行 し て QO L の 向 上 と い う 結 果 を 示 し た が 更 な る MMT に お い て 抗 重 力 筋 群 に 改 善 を 認 め た 。 向 上 に 向 け て の リ ハ 提 供 ・対 象 の 予 後 予 測 ・家 庭 環 境 整 備 BI の ト イ レ ・ 入 浴 ・ 移 動 ・ 階 段 昇 降 ・ 排 尿 排 便 コ ン ト ロ を目標に今後も検討を続けていきたい。 2. ー ル が 改 善 し た 。 ( 総 得 点 5 0 点 → 80 点 )
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