高齢者の姿勢保持筋に対するエクササイズの効果 法人名 施設名 発表者 共著者 【はじめに】 当施設はノルウェー発祥の redcord(以下 RC)を用 いたエクササイズをメインとして,午前・午後それぞれ 3 時間のリハビリに特化したサービスを提供してい る通所介護・介護予防通所介護施設である. 「自立支援」 「生活に繋がるリハビリ」を目的と し,本人の目標に近づけるリハビリを目指してお ります.高齢者にとって課題となる項目のひ とつとして,「転倒恐怖感」がある.介護とい う生活に密着した現場での支援が,利用者様 の生活機能にどのような影響を及ぼしている のかを,通所サービス事業所は深く考えなければ ならない. 【目的】 当施設で使用している RC で行うエクササイズが, 「転倒恐怖感」に対しどのような効果が得ら れているのかを体幹筋に着目し,相互の関連 性について検証することを目的とした. 【対象と方法】 67 歳,男性.H21 年 9 月,H25 年 2 月脳梗塞発 症.当施設には,H25 年 10 月より通所開始.左 片麻痺,腰椎椎間板ヘルニアの既往.本研究を行う に当たり,対象者には事前に口頭で説明し同 意を得た.本人の目標は 「山菜取りにまた行き たい」上記を踏まえ RC を用いたエクササイズを中 心として,体幹機能に効果的と言われる redcord AXIS(以下 RCAX)を使用して,歩行 動作,体幹筋の運動に着目し取り組んだ.また, 利用者様の自己効力感についても同時に聞き 出した.検証期間を 1 ヶ月に設定し,事前と事 後の評価について統計処理を行った. 【結果】 1か月での実施回数は計 9 回であった.初回 の Time up and go テスト(以下 TUG)では 17.56 秒,5m 最大歩行テスト(以下 5m)では 5.71 秒,開 眼片脚立ちテスト右 1.05,左不可となった.1か 月後の計測では TUG,15.69 秒となり-1.87 秒,5m,4.87 秒となり-0.84 秒,開眼片脚立ちテ スト右 8.84 秒となり+7.79 となり有意差が確認 された.効果についての質問では自己効力感 があり継続的に行うことを希望された. 【考察】 安全面への配慮から臥位でのエクササイズのみで 株式会社ヒューマンリンク リハビリ特化型デイサービス カラダラボ 管理者兼機能訓練指導員 戸澤拓哉 機能訓練指導員 菅原聡太郎 機能訓練指導員 鳴海誠 代表取締役 田中紀雄 あったが検証結果から RCAX を使用すること が体幹筋の安定を獲得するのに効果的である と考えられる.今後の課題としては男女差、年 齢層などを分けて検証すること,期間設定を 長くしていき今後の推移を追っていかれた い. 【まとめ】 高齢者施設に勤める者として今回のように歩 行の変化だけに着目するだけではなく「歩行 を獲得し生活にどのように反映させたいの か」というところまでしっかり把握しその中 の転倒恐怖感を払拭する必要性がある.施設 を利用される方々の目標に近づけていく為に も 1 人 1 人の課題に着目していく必要性があ ると感じます.RCAX は不安定な動作から体幹 筋の活性化を図ることができる可能性があり 転倒予防に繋がると考えられ,今後さらなる 検証に取り組まれたい. 引用文献 1) 日本ニューラック研究会:レッドコードマニュアル 第 1 版 2010 三和書店 P17-30.P224-229 2) 社団法人全国柔道整復学校協会:運動学 第 2 版 2003 医 歯 薬 出 版 株 式 会 社 P169-172
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