釧路市長 蝦名 大也 殿 2011 年 12 月 13 日 2012年度釧路市予算編成に向けての要望書 日本共産党釧根地区委員会 委員長 澁谷 日本共産党釧路市議団 団 長 肇 石川 明美 副団長 梅津 則行 幹事長 村上 和繁 <予算編成にあたって> 日本列島は、3 月 11 日の東日本大震災と、それに引き続く福島第一原発の事故という未 曾有の国難に見舞われ、改めて地方自治体の役割が問われる年となりました。地域防災計 画を抜本的に見直して、災害に強い福祉最優先のた町づくりをすすめることを強く求めま す。 すでに、過去の津波到達地点の検証作業のなかで、津波ハザードマップでは津波が来な いとされている地域にも津波が到来していたことがわかっています。また、避難施設の整 備、避難経路の再検証、災害時の要援護者への支援体制など、見直すべき内容もはっきり してきました。 放射能汚染の広がりのなかで、 「釧路は大丈夫か」「学校給食や保育園の給食はどうなの か」 「釧路に水揚げされる魚の放射能測定をしてほしい」などの意見が寄せられています。 ただちに必要な対策を講じることを強く求めます。 来年度は、釧路炭鉱の存続にとっても、TPPにとっても、雇用の確保や地域経済の再 生、福祉の充実にとっても、正念場の年を迎えます。 新年度に向けて、市長は市政運営の基本方針を明らかにし、市民の暮らしと営業を応援 する予算編成を行うよう強く要望します。厳しい財政運営が続く中、国・道から交付され た税金、市民が納めた税金は、市民が納得する使い方をすべきです。新年度予算要望にあ たり、私たちの要望を整理し、2012年度の予算要望書を提出します。各部・各課での 議論をお願いし、市政に反映するように強く期待します。 <緊急要望> 1.放射能測定 ①市として、放射線測定機器を必要台数そろえること。 ②学校給食の食材に関する放射能測定を行うこと。 ③市立保育園の給食について放射能測定を行うこと。民間保育園についても放射能測定 に取り組めるよう市としての検査の実施や放射能測定機器の購入助成など、必要な支 援措置を講じること。 ④市独自にきめ細かな放射能測定を行うこと。 ⑤市独自に、釧路港に水揚げされる魚や釧路産の農産物などの放射能測定を実施できる ようにすること。 2.防災 ①マグニチュード9レベルの地震を想定して、地域防災計画を抜本的に見直すこと。津 波ハザードマップについても、より広範囲の浸水の可能性がありうることから抜本的 な見直しを行うこと。 ②避難所と避難経路を再検証し、必要な見直しを行うこと。避難施設に十分な避難資機 材の配備をすること。福祉避難所を一定数整備すること。 3.石炭産業 ①概算要求に盛り込まれた産炭国石炭採掘・保安技術高度化事業の予算化と 2013 年度以 降の事業継続に「オール釧路」で取り組むこと。 ②原発からの撤退を国に求め、原発に代わるエネルギーとして自然エネルギーとともに、 国内の石炭を見直すよう国に強く求めこと。 ③二酸化炭素の排出を大幅に抑制する新たな技術を取り込んだ石炭火力発電所の誘致を 検討すること。 4.雇用対策 ①釧路市独自の雇用対策を示し、早急に進めること。 ②緊急雇用創出交付金事業の継続を国に強く求めること。 ③失業者を対象とした市独自の公的就労事業に取り組むこと。 5.市民負担軽減 ①住民税の減免の取り組みを積極的に進めること。 ②国保料については、国と道に対して財政支援を強く求め、基金の活用も行って、一世 帯一万円を引き下げること。国保法44条の活用を強力に推進すること。 ③後期高齢者医療の保険料を値上げしないよう広域連合に強く求めること。 ④介護保険料についても、基金を積極的に活用して保険料を引き下げること。利用料の 減免制度を拡充すること。 ⑤市民生活にかかわりの深い使用料・手数料について、極力値上げをしないこと。 6.TPPと農漁業後継者対策 ①TPP参加に向けた関係国との協議入りに抗議し、TPP反対運動の先頭に立つこと。 ②農漁業に新規就労した場合や、後継者が就労した場合には、融資制度だけでなく、直 接助成をする制度をつくり、後継者対策を強化すること。 <予算要望> 1.財政問題 ①釧路市フィットネスセンターを存続させること。 ②市立阿寒病院の民営化計画を撤回し、市の直営で存続すること。 ③財政健全化計画、公共施設等見直し指針(素案)、都市経営戦略プランなどについては、 福祉の向上、雇用の確保、生活防衛の観点から、抜本的に見直すこと。 ④不要不急の工事については再検討し、凍結すること。 ⑤公契約条例を制定し、工事の質の向上と適正な人件費を確保すること。 ⑥公有地を積極的に売却し、財源確保を図ること。 ⑦金融機関からの借り入れ利息の引き下げに努力し、財源確保を図ること。 ⑧国際バルク戦略港湾整備は凍結し、市民生活に予算を振り向けること。 2.仕事確保と雇用対策 ①失業者の実態把握を促進し、相談体制を充実させること。また、失業者の生活支援を 強めること。 ②誘致企業に対して正社員化促進を要請すること。 ③公共事業については、住民要望の強い公営住宅の建設と立ち遅れている学校の耐震化 を軸に、 「生活密着型」に切り替えること。地元雇用につながる道路・橋・公住・学校 などの修繕事業に積極的に取り組むこと。 ④市独自の緊急雇用対策の予算を確保すること。 ⑤これまでの委託中心の雇用創出にとどまらず、公的就労事業も含めて、雇用確保のあ らゆる方策をつくすこと。 ⑥季節労働者の冬期間の仕事を確保するため、空き家となった公住の解体、市独自で除 雪ヘルパー制度や通学路の除雪・氷割りなどの予算を確保すること。 ⑦新卒高校生の就労対策を講じること。釧路市の臨時職員としての採用枠を拡大するこ と。 ⑧地域経済活性化を図るため住宅リフォーム制度をつくること。制度創設にあたっては、 行政目的を限定せず、広く活用できるものとすること。 ⑨企業誘致の助成は、その営業状態、労働実態をよく調査し、検討・判断すること。 3.中小企業対策 ①小規模事業者登録制度の活用を広げていくこと。そのために各課で発注した仕事を一 覧にして情報交流をおこなうこと。 ②コールセンターなど誘致企業への助成は、労働実態を調査した上で判断すること。そ のために定期的に必要な報告を求めること。 ③消費税の税率引き上げに反対し、大企業の法人税率を元に戻すように国に要請するこ と。 ④国にたいして、緊急保証制度と金融円滑化法の継続を強く働きかけること。 ⑤釧路市として特別の融資制度を創設すること。 4.医療・福祉・介護 (1)国民健康保険に関して ①国民健康保険料を一世帯一万円引き下げること。 ②資格証明書の発行をやめること。 ③特定健診の健診内容を充実し、受診者の拡大に努めること。 (2)後期高齢者医療 ①国にたいして、早期に制度を廃止するよう強く求めること。 ②資格証明書の発行を行わないこと。 ③保険料を引き上げないよう広域連合に対して強く求めること。また、国の負担を 増やすよう要請すること。 (3)高齢者福祉・介護保険 ①低所得者の保険料・利用料の軽減制度の充実を図ること。とくに市が実施してい る社会福祉法人以外の利用料の軽減について、デイケアなどの医療やリハビリに かかわる介護サービスについても対象に加えること。 ②釧路独自の上乗せサービスを継続すること。 ③低所得でも入所できる施設を検討し、整備すること。生活支援ハウスの増設を検 討すること。 ④生活保護世帯の配食サービスの本人負担を非課税世帯と同様にすること。 ⑤第5期介護保険事業計画に、150 床の特別養護老人ホームを建設する計画を盛り 込むこと。認知症対応型のグループホーム、小規模多機能施設なども積極的に建 設すること。 ⑥敬老祝金を復活すること。 ⑦高齢者バス利用等助成事業については、ガソリン券やタクシー券についても利用 できるようにすること。 ⑧老人福祉センターの有料化の検討を中止すること。 (4)障がい者施策、難病施策 ①地域活動支援センター補助金の減額あるいは廃止を止めるように要請すること。 ②新たな負担増とサービス低下を生じさせないように釧路独自の支援策を設けるこ と。 ③社会福祉法人入所施設からの退所者への受け入れ態勢を至急整備すること。 ④郊外ではなく「まちなか」に重度障がい者ディサービス施設を設置すること。 ⑤精神障がい者の共同作業所とグループホームへの補助など支援を強めること。 ⑥精神障がい者入院医療費助成制度を存続させること。 ⑦発達障がい者支援センター設置に向けて、国・道に強く働きかけること。 (5) 医療費助成 ①乳幼児、ひとり親、重度心身障害者など各種の医療費助成制度について、所得制 限、対象年齢などの要件を緩和し、給付内容を充実するよう道に働きかけるとと もに、市として積極的な上乗せ給付を検討すること。小学生の通院を助成対象に 加えること。 ②高齢者の医療費助成制度の創設を国に働きかけること。 5.子育て支援 ①老朽化した児童館、児童センターの改修・改築を計画的に進めること。 ②児童クラブ、部活などの帰りの時間では、もうすでに回りが暗くなっていることが多 いので、冬期間の街灯の間引きを止めること。 ③失業・収入減などによって保育料の支払いが困難な家庭に対して、保育料の減免を積 極的に行うこと。また、減免の中身についても、国保料並みに緩和・充実すること。 ④市の中心部に空き店舗を活用して、子育て支援の拠点施設を開設し、「つどいの広場」 事業等を行うこと。 ⑤保育制度の根幹を揺るがす「子ども・子育て新システム」について反対し、撤回を国 に求めること。 6.学校教育 ①特別支援教育は、児童・生徒の現状から課題を整理し「人的体制」を含め支援策を検 討すること。 ②30人学級の実現を国・道に働きかけると同時に、釧路市独自に小学校 1・2 年生から 実施すること。 ③障がい児学級に配置されている嘱託指導員を増やすこと。また、臨時への変更を取り やめ、嘱託に戻すこと。 ④教職員の長時間労働の実態調査をおこない改善を図ること。 ⑤全国学力テストは実施しないこと。 ⑥夏休み、冬休みなどの補習については、学校の自主性と本人の希望を尊重して強制し ないこと。 ⑦全小中学校の耐震化を早急に完了すること。 7.平和行政 ①国民保護法による市民を巻き込んだ「避難訓練」は実施しないこと。 ②核兵器廃絶に向けて積極的に行動すること。 ③矢臼別演習場への普天間基地のヘリ訓練移転に反対すること。普天間基地については 国外退去するよう国に求めること。 ④防災訓練に、海上自衛隊のエルキャックを参加させないこと。 8.その他 ①文苑地域に児童センターを設置すること。また、児童公園の整備を進めること。 ②愛国東地域の道路補修を引き続き実施すること。特に、グリーティングロードは整備 距離を300メートル以上とすること。 ③愛国中通の整備を進めること。 ④昭和中央土地区画整理組合について、賦課金徴収によらない解決をめざし、市として 組合や関係機関へ働きかけること。また実質的に破綻していると考えざるをえない他 の土地区画整理組合についても、解決策を講じること。 ⑤阿寒川、舌辛川について、集中豪雨の際に被害が出ないに万全の防災・治水対策を講 じるよう、北海道にはたらきかけること。 ⑥東部・南部地域の買い物困難地域について、新たな小売店の出店や買い物バスの運行 などを誘導する施策を講じること。 ⑦川北団地の再編に当っては、入居を希望する全ての方が入居できる新築戸数を確保す ること。 以上
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