「犯罪被害者援助活動について」講師:莚井順子

2011年6月16日ロイヤリング講義
講師:弁護士
莚井
順子
先生
文責
林
良樹
犯罪被害者援助活動について
従来の刑事裁判では、当事者は、被告人、検察官、裁判官であり、犯罪被害者は証拠にす
ぎません。
被害者が存在するということだけが構成要件上の事実として重要であり、被害者は、蚊帳の
外に置かれ続けました。
しかしここ数年、被害者が訴訟に関わっていくように少しずつ法改正があります。
1 犯罪被害者援助に関する立法
(1)
犯罪被害者基本法(H16.12.8 成立 H17.4.1 公布)
犯罪被害者自身による活動を機に議員立法として成立。
「前文:・・犯罪被害者の多くはこれまでその権利が尊重されてきたとは言い難
いばかりか、十分な支援を受けられず、社会において孤立することを余儀なくされ
てきた。更に、犯罪等による直接的な被害に留まらず、その後も副次的な被害に苦
しめられることも少なくなかった・・」
定義:「犯罪等」とは、犯罪だけでなく「これに準じる心身に有害な影響を及ぼす
行為」も含む(§2ⅰ)。
「犯罪被害者等のための施策」(§2ⅲ)
① 犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、または軽減し、再び平穏な生活
が営むことができるよう支援すること
② 犯罪被害者等がその被害にかかる刑事に関する手続きに適切に関与すること
ができるようにすること
(2) 被害者参加制度
犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続きに付随する措置に関する法律
(犯罪被害者保護法 H12.成立 H19.改正)
H12 は、公判手続きの傍聴(§2)(被告人の心を乱すという理由で、最初は被害者遺族
は遺影を公判廷に持ち込むことを制限されることも多々あった)
公判記録の閲覧・謄写(§3)程度。被害者が公判で意見陳述(刑訴法§292 の 2)
1
できるようになったものの、当事者ではないのでそれは情状認定においても証拠とはな
らなかった。
H12 の刑訴法の改正
性犯罪の告訴期間の撤廃(刑訴法§235ⅰ但書)、
(告訴期間はもともと6か月だったが、
6か月では、被害者が告訴できるほど立ち直れない。)証人尋問の際の被害者証人の負担
軽減措置の導入:証人付添人(同法§157 の 2)、遮蔽措置(同法§157 の 3)
、
(被告人やそ
の弁護士に見られながら被害者が証言するのは辛いため)ビデオリンク方式による証人
尋問(同法§157 の 4)、その録画の謄写禁止(同法§40ⅱ、§180ⅱ、§270ⅱ)、録画につ
いての伝聞法則の緩和(同法§321 の 2)
。被害者の意見陳述(同法§292 の 2)
H19 年改正で被害者参加人制度が創設された。
殺人、傷害致死、強姦など生命・身体・自由に対する重大事件とその未遂罪を対象(刑
訴法§316 の 33ⅰ)として、一定の要件の下、被害者は「被害者参加人」という刑事裁
判の当事者としての地位を取得し、裁判所が相当と認めた場合に限り、一般情状(示談
や謝罪。動機などの犯情は不可)に関して証人尋問ができる(刑訴法§316 の 36ⅰ)、
意見陳述(同法§292 の 2、§316 の 38ⅰ)に必要な範囲で被告人質問ができる(同法§
316 の 37ⅰ)
、事実又は法律の適用について検察官論告後に別途意見陳述(被害者論告。
同法§316 の 38ⅰ)権。付添や遮蔽措置はできるが、ビデオリンクは不可(同法§316
の 39ⅰ,ⅳ,ⅴ)
。資力に乏しい被害者参加人のための国選弁護人(国選被害者参加弁護士)
制度(犯罪被害者保護法§5~12) 。
(3) 損害賠償命令制度
犯罪被害者保護法6章(§17~34)に規定。地裁限りで弁論終結までに損害賠償請求を
申し立てると(§17ⅰ)、有罪判決の言い渡し後、刑事裁判所が引き続き当該賠償請求に
ついての審理・決定ができる制度。損害賠償命令は民事確定判決と同一効(§27ⅴ)であ
り仮執行宣言も付することができる(§26ⅱ)、刑事記録を職権で取り調べられる、申立
手数料2000円、審理期日を原則4回以内((§24ⅲ)、審尋による審理可(§23)と簡便
かつ迅速な被害回復が可能になる制度。民事裁判に移行することもあるが(§28ⅰ、§32
ⅱ)、刑事記録は民事裁判所に送られるし(§29)、遮蔽・付添措置、ビデオリンク尋問も
可(H19 民事訴訟法改正§203 の 2・3、§204、§210、§211)。
(4) 刑事訴訟手続きにおける民事上の和解
犯罪被害者保護法5章(§13~16)に規定。示談に民事上の和解と同一の効力を生じ
させるための制度。公判期日に被告人と被害者(ないしその代理人)が出頭して共同で書
面で申し立てる。
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(5) 犯罪被害者等給付金の支給
昭和55年制定。但し、死亡と重障害(1~4級相当)のみ対象で上限500万円
平成13年改正。重障害を傷害(1~14級相当)に、重傷病給付金制度も(上限 120 万円)。
平成20年改正 遺族給付金上限約 1573 万円を 2974 万へ。障害給付金も上限 1849 万
円から 3974 万円へ。
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その他の立法
(1) 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律
振込詐欺やヤミ金被害について、詐欺や出資金法違反等で犯人が得た収益について没収
追徴し、それを給付資金として検察官が支給する。
(この法ができるまでは、被告人にお
金を貸していた銀行等が先に差し押さえてしまい、被害者にお金が返らないことも多く
ありました)
(2) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV 法)
警察や配偶者暴力(DV)相談支援センターへ通報(発見した第三者には通報する(努力)義
務がある。法第6条)。通報を受けた警察は「配偶者からの暴力相談等対応票」(法第14
条第2項)を作成し、更に、被害の発生を防ぐ措置をとるよう努めなければならない(法第
8条)。つまり、警察は「ただの夫婦喧嘩」として放置することは出来ない。
・避難(緊急避難場所:シェルターがある。場所は支援センターで教えてもらえる)
・保護命令:接近禁止6か月、退去命令2か月、延長あり。
(3) ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年5月制定 11月施行)
規制対象は「つきまとい」行為。繰り返すと警察から「警告」
「禁止命令」が出され、それ
に違反すると「ストーカー行為」として刑罰が課される。
(4) 少年法の2000年・2008年改正
2000 年:公判記録の閲覧・謄写(§5の2)、被害者の意見聴取(§9 の 2)
(非公開が原
則なので傍聴はできません) 家裁終局決定の通知(§31 の2)
、
・2008 年:審判の傍聴(§
22 の 4)、被害者への説明制度(§22 の 6)、謄写の原則可、意見聴取者の範囲拡大等。
(5) 検察審査会法の改正: 再議決(同 1 事件で起訴相当)の場合、指定弁護士による公訴提
起。
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刑事当番弁護士六法というものがあり、大阪の弁護士に配布されていますが、例えば刑事
訴訟法の犯罪被害者援助関連の改正条文は刑事訴訟法本文には記載がなく、後ろの刑事訴訟
法附則と一緒に記載されています。実際の裁判で被害者参加等の申し出をすると、裁判官や
弁護人からいやな顔をされることも多々あります。
犯罪被害者には警察や検察官が、一番初めに接触します。詐欺事件やDV事件など場合に
よっては被害者が自分が被害者であることに気づいていないことすらあり、そのような場
合被害者は誰に何を相談したらいいのかすらわかっていません。そこで、将来弁護士にな
らない方にも、これらの制度について知ってもらいたいと思います。
ケース検討
1.
殺人ないし傷害致死の遺族が「被害者がどのような状況で死んだのか、被害者を死に
至らしめたことについて被告人がどう考えているのかを知りたい」と言っている。どの
ような手続きが考えられるか。
まずは、裁判傍聴の申し入れです。次に、被告人や証人に対する質問。最後は求刑に
ついての意見陳述ができます。ただし、被害者から被告にに対する質問は、犯罪事実に
関するものは認められませんから、上記の質問のうち前半部分の質問は認められません。
後半部分も「現在の反省状況」に限定するならば可能ですが、上記の文言のままでは認
められない可能性が高いです。
2. 「公判廷で被害者がいかに良い人だったか、理不尽に命を奪われたことについて意見を
いいたい」と意見陳述や被告人尋問を求めている。あなたが裁判官ならば認めるか?認
めるとすればどの範囲で認めるか?
これは限界事例です。
被害者がいかに良い人だった→ここで表明されるのは被害感情であり、犯罪事実に関し
ないので認められます。
理不尽に命を奪われたことについて→裁判官によっては認めないこともあり得ます。
被害感情なら情状なので認められますが、犯罪として重いことを主張するのならば、犯
罪事実に関係しますので認められないという場合もあるでしょう。
「この表現のままでは意
見陳述は認められないので、内容を変えてください」といわれることが実務上は多いかと
思われます。
私は個人的には、裁判官も一人の人間ですから、被害者の意見を聞いてもらい泣きをす
ることがあっても問題はないと思っています。が、裁判官自身の考える「公平な裁判」は
もっと厳格で、もらい泣きをする姿を見せることにより被害者寄りの裁判をしているとい
うふうに見られたくないと思っているようです。この点、裁判員裁判の裁判員はもっとご
自分の気持ちにストレートですから、被害者の生の声を聞くことにも抵抗はないようです
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し、公判廷で被害者の意見陳述があった場合、職業裁判官だけによる裁判より、重罰化す
る傾向にあります。
3. 上記で、被告人が一部否認ないし正当防衛の主張(被害者が先に襲い掛かってきた)等い
っているとすれば?
316の33の2項を参照してください。
意見陳述の手続きは、まず「こういう内容の意見陳述をしたい」旨を文書で検察官に
申請することから始まります。この条項は、被害者の陳述を予定している意見が「相当」
かどうかのチェック機能を検察官に期待しているのです。ところが、検察官は実際の所は
裁判に被害者意見を反映させることについての抵抗があまりなく、罪体に抵触するか等を
含め意見の内容や表現についてあまり訂正をすることなく、一旦そのままの内容で裁判官
にあげることが多いです。
では、上記の意見内容は「相当」でしょうか?
被告人が事実について一部否認や正当防衛の主張をして争っている事件では、
「相当でな
い」と判断される可能性が高いです。その理由ですが、
良い人でした→正当防衛の主張があって、例えば「被害者の方が先に言いがかりをつけて
きて、その揚句刃物で攻撃してきたのでやむなく応戦した」と言う主張であるときは、被
害者の性格(穏やかなで理由もなく自分から他人を攻撃したりはしない等)が犯罪事実の認
定に関わってくるので被害者からの意見としては不相当ということになります。よって、
この部分については検察官が被害者の意向に沿って被告人質問を行ったり、論告意見を述
べたりすることになります。
4. あなたが被告人の弁護人だとすれば、被害者の上記2.3の申し出等についてどのように
対処するか?
ケース2の場合
被害者の意見陳述を弁護人側から阻止する根拠規定はありません。が、かように厳しい
被害感情の表れている被害者の意見陳述は被告人の不利に働く可能性がありますから、弁
護人なら喋らせたくないというのが本音でしょう。そこで裁判所に訴訟指揮権の発動を求
めて、意見陳述を認めないかせめて制限をするように働きかけます。
または被害者について遺族の意見とは反対の意見を持つ人を情状証人として呼ぶことが
考えられます。
さらに被害者の意見陳述は訴訟の最後の方の段階なので、それまでに示談を成立させる
よう活動することが考えられます。
実際、示談は弁論終結後でも判決の言い渡し前でさえあれば弁論を再開して示談が成立し
たことを有利な情状として裁判に顕出することができ、刑が軽くなりますので、ぎりぎりま
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であきらめずに示談を成立させるべく交渉すべきです。
但し、示談交渉を始めるのは、公判が始まり、被害者参加をすると知ってからするのは、
被害者の被害感情(「今ごろに反省していると言われても本気とは思えない、罪を軽くするた
めに上辺だけ反省しているふりをしているだけ」、と)を逆なでする可能性が高いです。弁護
人としては、事件を受任したら、なるべく早い段階で示談交渉を始めるべきです。
ケース3の場合
正当防衛の主張は無罪の主張ですから、罪を認めている前提でする示談交渉はできないこ
とになります。
被害者の意見陳述が認められた場合は、被害者について遺族の意見とは反対の意見を持
つ人を情状証人として呼ぶ程度しか弁護人としてできることはありませんね。
ここでみなさんに質問したいのですが、
あなたが弁護人だったら、あくまでも(無罪を主張して)争いたいという被告人に、認めろ
と説得しますか?
裁判実務上、否認の主張を続けることは反省していないとして不利な情状となり、刑が重
くなることもありますから、それが分かっていながら否認を続けることは危険です。ですか
ら大半の弁護士は、
「否認し続けたら刑が重くなるかもしれない」ことを説明した上で、それ
でも争うのか、と被告人に尋ねるでしょう。その説明を聞いても被告人が争うと言ったら、
あなたならどうしますか?説得をあきらめますか?認めるよう説得し続けますか?
被告人の意思が固いかどうかよく聞いた上で、それでも争う意思が固いと判断したら、弁
護人としては被告人の意思に従って弁護するべきですといえます。
では、弁護人としては被告人の意思に従うのが正しいとして、接見をしていて一個の人間と
して「被告人は本当は有罪だ。
」と感じた場合、あなたなら説得しますか?
これは弁護士によって違ってくると思います。ただ、弁護士の仕事は、突き詰めれば、被告
人の利益を守ることにあります。とすれば、被告人が罪を認めたほうが刑が軽くなるという
なら、その方向で説得すべきなのではないでしょうか?
光市母子殺害事件をご存知ですか?
被告人とは何の関係のない初対面の女性が強姦の上殺され、一緒にいた女性の子、まだ乳
児だったのですが殺されました。被告人は犯行そのものを認めていましたが、動機や行為態
様は公訴事実と違っていました。例えば、被害者の女性に抱きついたのは事実ですが、強姦
の意図で抱きついたのではなく、母のような錯覚して甘えるために抱きついたのだというこ
とでした。
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最初に被告人の弁護人になった弁護士は、かかる主張は、荒唐無稽で到底信じられない、
そんな弁解をすればかえって被害者遺族の感情を逆なでするだけだ、それより公訴事実のま
ま認めれば刑は軽くなるよ、と被告人を説得しました。これに対し、後に上告後の差戻審で
弁護人になった弁護士は、彼の話を聞いて、その言い分とおりの主張をしました。
この事件では、最高裁で、高裁の無期懲役の判決について死刑を示唆する内容で破棄差戻に
なっています。
光市の事件が示すように、罪を認めたとしても、刑が軽くなるとは限らないわけです。
認めても軽くなるかわからない場合、認めるように説得しますか?
軽くなるかわからないということを伝えて、被告人に任せることも考えられます。
次に、視点を変えて考えてみてください。刑が軽くなるかどうかだけが、被告人の利益ですか?
犯した罪を認めて反省するということは、被告人の人生において利益ではないでしょうか。
だとすれば、説得するのは弁護士の仕事ではないでしょうか?
反省して、被告人の気持ちが楽になるならば、説得するのがいいという考えもあり得ます。
では、反省しても楽にならない場合はどうでしょうか。
反省して被告人の気持ちが楽になることは少ないです、寧ろ、反省して自分がしたことが
いかにひどいことであったかとが分かってくると、逆に自己嫌悪で死にたくなるほどつらく
感じるようです。例えば、強姦の加害者の男性は捕まったとしても、自分が悪いと思ってい
ることはほとんどありません。女性の方から誘ったから、とか、
「いやよいやよも好きのうち」
とか思っているのです。しかし、そんな加害者が自分がしたことの重大性に気がつくと、自
殺を図ったりします。反省しすぎて鬱になり、自殺衝動が出てくるのです。
以上を踏まえて質問します。反省は被害者が望むところであることは間違いありません。
では、被告人にとってつらい反省を強いることは、弁護人の仕事なのか?被告人に反省させ
ることは被告にのためになると言い切れるのか?
弁護人の仕事は、あくまで被告人の主張に法的根拠をつけて、法廷で被告人の主張に沿っ
た意見を述べることである、そして、裁判で裁判官が妥当な結論を出せるよう導くことが司
法制度における弁護人の仕事であり、反省を促すことまでは仕事ではないという考えもあり
ます。
では、2001年に起きた大阪教育大付属池田小事件を例に考えて下さい。あの事件では、
被告人は死刑になりたいから、小学生8人も殺したのだ、反省なんかしない、裁判を早く終
わらせて死刑にしてくれ、と言いました。
こんな被告人にも反省するよう説得するべきでしょうか?一切反省する気はないといって
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いるのに?
手続きだけこなす、という考えもあります。
説得していったら、被告人の態度が変わり、反省するかもしれません。
池田小の事件で最初に弁護人となった弁護士は、反省するよう説得したところ、被告人か
ら接見を拒絶されたり、裁判で有利になる主張(寂しい生い立ちなど)はするなと被告人に言
われました。
しかし、その弁護士は、一億分の一の可能性かもしれないが被告人が反省する可能性がある
限り諦めてはいけない、反省を促すのが弁護人の仕事であると言われて弁護活動をつづけま
した。結局、この弁護人の気持ちは被告人には届かず、被告人から解任されてしまいました
が。
〔質疑応答〕
否認を続ける被告人を莚井ならば説得するのか、という質問がありましたのでお答えします。
私は、弁護活動に使える時間の壁がありますので、その限界内で説得できるのか、という
ことをまず考えます。つまり、通常の事件の場合、逮捕・勾留で23日以内に起訴、そこか
ら第1回公判まで一カ月(公判前整理手続きがなければ、ですが)、公判も証人が少なければ
2.3回で結審していまいますから、公判にかかるのは最低だと三か月ぐらいしかなく、そ
の期間内で説得できるのかという問題です。ただ、説得に掛けられる時間が短いからといっ
て説得を諦めることは私ならしません。ぎりぎりまで説得すると思います。
なぜか。光市の事件が示すように罪を認めたとしても、罪が軽くなるとは限らないですし、
反省は被告人に辛い思い思いを強いる可能性もあります。そして最悪の場合、死刑もありう
るわけですが、その場合でも死刑が執行されるまでは数年はあります。私は、死ぬ間際でも
被告人が反省して償う気持ちを持てるのであれば、それは被告人のためになると考えていま
す。被告人に被害者に対して悪いことをしました、ごめんなさいと謝罪に気持ちを持つこと
が被害者の救済になることは勿論です。弁護人の仕事は、裁判の間だけ裁判の結果だけを考
えるのではなく、被告人に共感能力を蘇らせてあげるなど、人間としての被告人が更生が究
極には被告人のためになることだと考えます。ですから、
「犯罪被害者のためになるかどうか」
を考えることと刑事弁護活動とは両立できると考えています。
以上
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