セッコク エゾスズラン

維管束植物
セッコク
岡山県:絶滅危惧Ⅱ類
Dendrobium moniliforme (L.) Sw.
環境省:該当なし
被子植物門 単子葉類
ラン科
選定理由
岩上や樹上に着生するラン科の絶滅危惧植物は、採取の上で危険
が伴わないものは全て取り尽くされているのではないだろうか。到
達不可能な場所での存続が望まれるが、調査の目も届きにくく、十
分な状況把握がなされていない点に注意したい。
存続を脅かす要因
業者・マニア採取、道路工事、森林伐採、土地造成
分布状況
本州、四国、九州。岡山県では北部、中部でわずかに自生してい
る。
撮影:難波靖司
生育情報
岩上や樹上に着生する常緑の多年草。高さ10∼30cm。茎は円柱形
で束生し、節間が1.5∼3cmある。古い茎には葉はつかず、葉の落
ちた節から細い花茎を出し、花を1∼2個つける。葉は革質、皮針
形で数個が互生する。花期は5∼6月頃、白色またはわずかに淡紅
色を帯びた唇弁花で、強い芳香がある。
特記事項
「自然公園法」による瀬戸内海・大山隠岐国立公園の指定植物で
ある。
文献番号 128
(難波靖司)
エゾスズラン
岡山県:絶滅危惧Ⅰ類
Epipactis papillosa Franch. et Sav.
環境省:該当なし
被子植物門 単子葉類
ラン科
選定理由
集団数、個体数ともにごくわずかである。園芸目的での採取のほ
か、森林施業の変化により、個体数が減少している可能性がある。
新見市の自生地では最近姿を見ないので、絶滅したかもしれない。
存続を脅かす要因
業者・マニア採取、産地局限、森林伐採、管理放棄、自然遷移
分布状況
岡山県中部、北部にあり、二次林林下に希に生える。国内では北
海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林下に生える。
生育情報
高さ30∼70cmになる多年草。茎は直立、花序とともに褐色の短毛
があり、5∼7葉をつける。葉はだ円状卵形または広皮針形で、長
さ7∼12cm、幅2∼4cm、葉面および葉脈上に白色の毛状突起をつ
ける。茎下部の1∼2葉は小さく、鞘状となる。花は緑色、7∼8
月に咲き、20∼30花を総状花序につける。がく片は狭長卵形、長さ
9∼12mm、花弁はやや短く、卵形。唇弁は淡緑色で、花弁とほぼ同
長。同属のカキランは湿地に生え、全草無毛、花弁は黄褐色でやや
大きい。
文献番号 76,128
(狩山俊悟)
− 292 −
- 264 -
撮影:狩山俊悟