ホラアナゴマオカチグサ ヤマトクビキレ(キュウシュウクビキレ)

昆虫類以外の無脊椎動物
ホラアナゴマオカチグサ
岡山県:情報不足
Cavernacmella kuzuuensis (Suzuki)
環境省:絶滅危惧Ⅰ類
吸腔目
カワザンショウ科
選定理由
生息密度が低く希少で、生息地が局限される。生息条件が悪化
し、個体数が減少している可能性もあるが、評価するだけの情報が
不足している。
存続を脅かす要因
洞窟破壊、石灰採掘、その他(湧き水枯渇、繁殖地の乾燥消滅)、
水質汚濁、産地局限
分布状況
県内では環境庁自然保護局(1993)による自然環境保全基礎調査
の報告書において、県北西部(新見市)に産地の●が打たれている
が、詳細は不明である。
県外では岩手県以南、南西諸島まで分布するとされてきたが、最
近の研究(亀田勇一氏私信)では洞窟ごとに別種へ分化しており、
多数の種が混在することが明らかにされつつある。現在用いられて
いる学名 kuzuuensis のタイプ産地は栃木県葛生であり、岡山県産
個体はそれとは別種であろう。
生息情報
殻長 1.5mm、円錐形で薄いガラス質、無色半透明で殻表は光沢
があり、弱い成長脈以外はほぼ平滑。臍孔は広い。石灰岩地の洞窟
内で、陽光が届かず常に暗闇に保たれた部位の、地下水で濡れた壁
面を匍匐する。洞窟が観光地化されて内部の照明が点けられたり、
人の出入りによって気温の変化や乾燥化が生じると生息できなくな
る。また近年の温暖化によって洞窟内が高温化・乾燥化し、衰退し
つつある可能性もある。
文献番号 46
(福田 宏)
ヤマトクビキレ(キュウシュウクビキレ)岡山県:準絶滅危惧
Truncatella pfeifferi Martens
環境省:該当なし
選定理由
生息条件が悪化し、個体数が減少している。
存続を脅かす要因
海岸開発(護岸工事、干拓、埋立)、水質汚濁、産地局限
分布状況
県内では瀬戸内市牛窓町(クビキレモドキ Cecina manchurica
A.Adams として)、玉野市築港から記録がある。
県外では北海道南部以南、本州、四国、九州に分布する。
生息情報
殻長 6mm、成熟すると殻頂が脱落して細長い円筒形となる。硬
質堅固で、殻表は赤みがかった淡褐色または白色で、多数の顕著な
縦肋を等間隔に並べるが、縦肋が弱い個体や、完全に消失して平滑
となる個体もある。殻口外唇は肥厚して二重になる。内湾・外洋を
問わず、海岸飛沫帯岩礫地の転石や漂着物の下に生息する。岡山県
では産地・個体数ともに少ない。なお、一部の文献は岡山県牛窓に
イツマデガイ科(Pomatiopsidae)のクビキレモドキが産すると記
しているが、これは殻表が平滑なヤマトクビキレを誤って同定した
ものであり、クビキレモドキは瀬戸内海には分布しない。
文献番号 1,3,28,32,86
(福田 宏)
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吸腔目
クビキレガイ科