維管束植物 ヒメヘビイチゴ 岡山県:絶滅危惧Ⅰ類 Potentilla centigrana Maxim. 環境省:該当なし 被子植物門 双子葉類 離弁花群 バラ科 選定理由 岡山県ではただ1カ所の生育地が知られるのみである。林道の脇 の非常に狭い範囲に生育しているだけなので、道路の拡張工事など が行なわれると絶滅する危険がある。 存続を脅かす要因 道路工事、産地局限 分布状況 北海道、本州、四国に分布する。北海道や東北ではやや普通だが、 本州の西では、主に日本海側に分布する。岡山県は西限に近く、確 実な産地は1カ所のみである。近年、広島県で生育地が発見された。 撮影:狩山俊悟 生育情報 多年草で、匍匐枝を四方に広げる。葉は3小葉からなり、質は薄 く、表は淡緑色、裏は緑白色を呈す。花は6月に咲き、直径約1cm。 花は匍匐枝の葉腋につくように見えるが、実際は枝の先に着いてい る。一見ヘビイチゴに似るが、副萼は小さく、ヘビイチゴのように 大きくはない。 文献番号 34,36 (池田博) カワラサイコ 岡山県:準絶滅危惧 Potentilla chinensis Ser. 環境省:該当なし 被子植物門 双子葉類 離弁花群 バラ科 選定理由 河原の環境適応種として知られており、河川敷の中でも水面から ある程度高さのある礫州に生える。本来であれば洪水時に一掃され てしまうほどの攪乱と、平常時の乾燥、樹木や大型の草本が定着し にくい礫地であることが生命線である。近年では河川開発などによ る直接的な影響の他、ダムによって洪水が減り、生育地の環境が変 化してきたことも減少の一因と考えられる。ほか、近年河川敷にお いてシナダレスズメガヤが繁茂する状況が見られるようになってき たことも、今後の懸念される影響要因である。 存続を脅かす要因 河川開発、道路工事、その他(ダムによる水位管理)、帰化競合 分布状況 本州、四国、九州に分布する。岡山県では中部および南部の河原 に生育する。本来の生育地ではないが、今から20年ほど前までは倉 敷市の埋立地に群生地があった。これについては工場建設にともな って絶滅状態となった。 生育情報 河原の土手や草地に生育する多年草で、やや太い直根がある。葉 は羽状複葉で多数の小葉からなり、小葉はさらに深く切れ込む。花 は6∼8月、根出葉の腋から集散花序に多数の黄色い花をつける。 花の直径は10∼15mm。ヒロハノカワラサイコに似るが、小葉と小葉 の間に更に小さな小葉片があることで区別される。 文献番号 72,129 (池田博・難波靖司) − 118 − - 90 - 撮影:狩山俊悟
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