根の抜けにくさの研究 千葉市立都賀中学校 2年 川野友莉菜 1 研究の動機 家で草抜きをしたときに、「あれっ、こ の草、いつも全然抜け無いのに、今日は 抜けやすい」と感じることがあった。 そこで、環境条件により、 根の抜けやすさがどう変わ るのか疑問に思い研究に取 り組くんでみることにした。 2 研究の目的 草の生えている場所や天候、根の付き方 などいろいろある条件が、根の抜けにく さに関係があるのかを明らかにし、少な い力で根を抜くことができる条件を探し たい。 3予備実験 【 根のモデルに何を使うか 】 身近にあった8種類のものから、根のモ デルとして「使いやすいもの」「作りや すいもの」を探す。 根のモデルには「モール」が適している。 4実験1 【 単子葉類と双子葉類の違い 】 45cmのモールを使って、単子葉類と双 子葉類の根のモデルを作り、引き抜くと きに必要な力(10回の平均)をばねばかり で測定する。 100 90 80 70 ( g ) 60 50 40 30 20 10 0 単子葉類 双子葉類 根の長さを統一すると、単子葉類の方が 約1.4倍抜けにくい。 5実験2 【 日あたりによる根の違い 】 日のあたる所とあたらない所の植物で、 根の違いを観察する。 同じ種類の植物でも、日あたりのいい所 の根の方が、長くて、太くてがっちりし ている。 この根の特徴と、抜けにくさの関係につ いて、モデル化実験で調べてみる。 6実験3 【雨の日と晴れの日の違い 】 土のモデルの「ぬか」に霧ふきで水をふ いて濡らし、実験1と同様の実験をする。 実験の途中で、実験1と対照実験になっ ていないことに気づき中止した。 ぬかが水に濡れるとフワフワ感がなくな り、根の間のすき間か無くなってしまう。 根の間にすき間がなく乾いている状態、 つまり、晴れている日に、人がよく歩く 所と比べる必要がある。 7実験4 【人がよく歩く所の抜けやすさ】 土のモデルの「ぬか」を霧ふきで水をふ いて濡らしたあと、一度乾かし、さらに 押し固める。 実験1と同様の 実験をし、結果 を実験1・3と 比較する。 140 120 100 80 60 40 ( 20 g 0 ) 140 乾いたとき 濡れたとき 120 100 80 60 40 ( 20 g 0 ) 人が歩く所 歩かない所 実験3の考察として・・・乾いたときの方 が、濡れた時の約1.7倍抜けにくい。 実験4の考察として・・・人が歩く所の方 が、歩かない所の約1.9倍抜けにくい。 8実験5 【根の長さと抜けやすさ 】 モールを使って、主根の 長さが約30cmの長い根 のモデルを作る。 土のモデルから引き抜く ときに必要な力をばねば かりで測定し、実験1の 数値(主根の長さが15cm) と比較する。 200 150 100 50 ( g 0 ) 主根30cm 主根15cm 根は、長い方が抜けにくい。 主根の長さが2倍になると、抜くのに必 要な力は3倍になる。 9実験6 【茎や葉の根以外の部分の影響】 モールを使って、茎や葉の部分の長さが 違う根のモデ ルを作る。 土のモデルか ら引き抜くと きに必要な力 をばねばかり で測定する 200 180 160 140 120 100 80 60 ( 40 g 20 ) 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 茎・葉の部分の長さ (cm) 根の抜けにくさには、地下に埋まってい ない茎や葉の部分の長さも関係している。 茎や葉の部分が長い方が抜けにくい。 10実験7 【根の太さと抜けやすさ 】 モールを使って、主根の長さが等しく、 太さが異なる根のモデルを作る。 土のモデルから引き抜 くときに必要な力をば ねばかりで測定する。 100 80 60 40 20 ( g 0 ) 太い根 細い根 根は、太い方が抜けにくい。 手ごたえが大きく、勢いよく抜けた。 11研究のまとめ 根の抜けにくい条件は以下の通りである。 ①単子葉類であること。 (⇒双子葉類の約1.4倍抜けにくい。) ②日あたりのいい、乾いた所に生えている こと。 (⇒濡れた時の約1.7倍抜けにくい。) ③人が歩く所であること。 (⇒歩かない所の約1.9倍抜けにくい。) ④主根が長いこと (⇒主根の長さが2倍に なると、 3倍抜けにくい。) ⑤地下に埋まっていない茎や葉の部分が長 いこと。 ⑥太いこと。
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