＜３＞小学校２年「わたしたちのみち」実践例（１）主題名「気もちいいな」内容項目４－(１) （２）ねらいまわりの人や次に使う人のことまで、なかなか意識が向かず、みんなで使う物を片付けなかったり、乱暴に扱ったりしてしまいがちな子どもたちが、6 年生のまねをして、トイレのスリッパを並べ直した「わたし」の気持ちを考えることを通して、みんなが使う物や場所を大切にしようとする気持ちを持つことができる。（３）授業記録段階心をゆさぶる学習活動 1 乱暴にぬぎすててあるスリッパの写真を見て、感じたことを発表する。 ○発問・予想される児童の反応授業記録 ○写真を見て、どんなことを思います＜地区の公民館の廊下にスリッパがか。散らかっている写真を提示＞・どうして、ぐしゃぐしゃなんだろう。・ばらばらだな。・そろえてないなあ。・スリッパが、ぬぎちらかしてある。・こんなスリッパ、はきたくないな。・汚くしてあって、いやだな。・誰もそろえないのかなあ。・乱暴に、ぬぎすててあるな。 2「気持ちいいな」 ○どんなお話でしたか。＜タイトルを掲示し、登場人物を黒のお話を聞き、・6年生のお姉さんがはきやすいよう板に貼り、紹介。お話を読む＞内容を確かめ合に、つま先をそろえたよ。・トイレに行ったら、スリッパがバラう。・Aさんとわたしもまねをしてやってみバラだったから、わたしがスリッパたよ。をそろえたお話です。・トイレに行ったら、スリッパがバラバラになっていたよ。・トイレのスリッパをきちんと並べ直＜お話の内容をフラッシュカードをしたよ。使って、確認＞価値観の交流 3 黙ってみていた ○黙って見ていた「わたし」は、心の（「わたし」のぺープサートを持って「わたし」の気持中で、どんなことを思ったでしょう。発表）ちを考える。・わたしも手伝おうかな。・スリッパを誰にも言わないでそろえ・6年生のお姉さんは、えらいなあ。たから、6年生のお姉さんはえらい・やりたくないな。なあ。・どうして、そろえているんだろう。・Bさんと同じで、誰にも言われなくてもスリッパをそろえたから、すごいなあ。・みんなが脱いだスリッパをちゃんとならべているから、6年生のお姉さんはえらいなあ。・スリッパを脱ぎ捨てた人と一緒に脱ぎ捨てないで、そろえていたからえらいなあ。と 4 学習カードの吹き出しに、トイレのスリッパを並べ求直した「わたし」の気持ちを書き、発表する。追【中心発問】トイレに行った「わたし」は、どんな気持ちで、すぐにスリッパを並べ直したでしょう。 ①トイレやスリッパは、きれいにしないといけないなあ。・乱暴にぬぎすててあるなあ。きれいにそろえようかな。・そろっていないと、トイレが汚く見えるから、そろえよう。・トイレがきれいになったように感じるから、ちゃんと並べよう。・きれいにそろっていると、トイレが気持ち良く使えるから、並べよう。 ②使う人のことを考えないといけないなあ。・きちんとそろえておくと、後に来た人も同じようにやると思うから、そろえよう。・使いやすいように、そろえよう。・次に、使う人が使いにくいから、そろえよう。 -5- ・次の人は、きれいにスリッパをそろえてくれるかな。・バラバラだから、なおそう。・6年生のお姉さんのように、片付けなきゃ。・汚いから、並べ直そう。・6年生のお姉さんのように、まねをしてやってみよう。・トイレは、みんなが使う所だから、きれいにしよう。・並べたら、みんながはけるようにしよう。・ぐちゃぐちゃだと、次にトイレを使う人が大変だ。・次にはく人が、気持ちよくはけないからそろえよう。価値観の交流と追求・気持ちがいいな。並べ直して良かっ ③いい気持ちになるなあ。た。スリッパがごちゃごちゃだとい・きれいにすると、いい気持ちになやな感じ。でも、並べてあったら、るから、やろう。いい気持ち。・そろえると、気持ちいいな。・そろっていると、気持ちいいから、やろう。＜考えを比較させる板書＞ ○みんなは、どの考えなのか、発表しよう。・①で、汚いといやだからそろえよう。・②かな。次の人が使いやすいから、きれいにしよう。・③で、きれいだと気持ちいいから。（板書したものと、自分がプリントに記入したものを見て、発表）・②で、はきやすいように・①で、6年生のお姉さんみたいに、そろえないと。・③で、気持ちがいいな。 5「わたし」と似た ○みんなが使う物や場所を大切にして、・低学年図書館の本が、バラバラだっような経験があいい気持ちになったことを発表しまたから、そろえた。るか思い起こし、しょう。＜Ｃさん、Ｄさん、Ｅさん、Fさんの心発表する。・図書館のいすが出しっぱなしになっ素晴らしい行為について紹介＞ていたから、直したよ。へ・プールで、みんなが使ったビート板をきちんとそろえたよ。の・教室にゴミが落ちていたから、拾ったよ。問 6 本時の感想を発 ○今日、学習して思ったことを書きま・スリッパがぐちゃぐちゃになっていい表する。しょう。たら、きれいにしようと思う。・みんなが使う物は、大切にしよう。・わたしとは考えが違っていたけど、か・Jさんが言ったように、ちゃんと並 Gさんの「みんながはけるように」べてあると、気持ちいいから、わたしという考えは、すごいなあと思いまけもやりたい。した。・バラバラになっていたら、直そう。・Hさんと同じで、トイレに行くとスを・自分もいい気持ちになるから、きちリッパがバラバラになっていたっんとやっていきたいな。ていうのが、同じだった。深・今度から気を付けて、生活したいな。・Iさんの気持ちが伝わりました。ス・きれいに置いてあると、気持ちがいリッパとかばらばらになっていためいから、ちゃんとやりたい。ら、きれいにしたいです。・みんなが使う場所は、きれいに使い・進んでやろうと思った。るたいな。・わたしはスリッパをそろえているあの子と同じスリッパをそろえたいと思った。・物を大事にしようと思った。・学年の図書館を大事にしているんだな。（４）考察 ①発問について・中心発問をして、子どもたちから出された考えを①～③に整理をした後、自分と友だちの考えを比べる発問をした。このことで、考えの違いに気づいたり、自分の考えを見直してみたりすることができた。みんなで使うものや場所を大切にすることは大事だけど、「そのわけにはいろいろあるなあ。」「自分では気付かないことを友だちは教えたくれたなあ。」という思いを持つことができた。その後、友だちの考えでいいなあと思ったところを発表させるなど、お互いの考えの良さを認め合える場面を設定すれば良かった。・終末は自分の生き方について考えを深めてほしいと願い「みんなが使う物や場所を大切にして、いい気持ちになったことを発表しましょう。」と発問した。このことで資料から離れ、ねらいとする道徳的価値を視点にした感想が書かれていた。 ②資料について・資料「気もちいいな」は、スリッパに心が配れなかった「わたし」が、６年生のまねをして、スリッパをそろえたら、とてもすがすがしい気持ちになったという内容で、日常生活で、よく見る場面であり、ちょっとした気遣いができにくい子どもたちの心情に響きやすい。 -6-