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道徳の時間学習指導案
指導者 山田 剛嗣
1 学 年 第3学年 15名
2 主題名 みんなが使う場所 【内容項目 4-(1)】
3 ねらい 自分たちが落としたあめだまを,黙々と拾い集める女の子の行動の意味を考えることを通
して,進んで公徳を守り公共の場を大切にしようとする態度を養う。
4 資料名 「あめだま」 (出典:
「道徳3 明るい心で」東京書籍)
5 主題設定の理由
(1)主題の設定
本主題は,内容項目の4「主として集団や社会とのかかわりに関すること」の(1)「約束や社
会のきまりを守り,公徳心をもつ。」にあたる。公共心,公徳心を育てることは,円滑な社会生活
を送るために重要なことである。公共物を大切にし,公共の場で他者に迷惑をかけないよう心がけ
る意識は,目には見えずとも空気のように伝わっていく。その価値に気づき,進んで社会生活のル
ールを守るマナーを育てたい。
(2)児童の実態
本学級の児童は,自分中心のものの見方や言動をとってしまいがちである。内容項目に関する事
前アンケートでは,「みんなが集まる場所で気をつけることは何でしょう。」と言う問いに対して,
「大声でさわがない,けんかをしない,しゃべらない,礼儀正しくする」といった回答があった。
しかし,実際に行動化には結びついていない面も多い。
道徳の時間の学習においては,児童は活発に発表している。しかし,発言者が偏り,友だちの意
見をよく聞いてつなぐことができていない課題がある。そこで,道徳の時間においては,どの児童
も自分の考えが発言できるように,意図的指名に加えて相互指名で意見をつなげる取組を行ってい
る。今まで発言していなかった児童も,自分から挙手する姿が増えつつある。
(3)資料の概要
駅に捨てられていたガムを踏んだ「わたし」は,不愉快な気持ちで電車に乗る。その電車の中で,
妹が床にこぼした小さなあめだまを,一生懸命拾っている一人の女の子を見かける。その姿に,
「わ
たし」は感動し,すがすがしい気持ちになる。進んで公徳を守ることのよさについて考えられる資
料である。
(4)指導の工夫
指導にあたっては,導入で,地域の駅の構内がきれいに保たれている写真を提示し,資料の内容
につなげるようにする。中心発問では,個々の考えを整理させるとともに,友だちの意見を聞いて
深まった自分の考えを記入できるようなワークシートを工夫する。また,後半は,テーマ発問を投
げかけ,自分の経験もふり返らせながら,児童の発表について相互に共感できるようにさせる。
終末では,地域の美化のため当たり前のように行動されている人の姿を伝える。それは目に見え
なくてもその場を訪れる人への心の贈りものだという話をして静かに終わるようにする。
資料は読み聞かせで行うが,聞いただけでは考えをまとめにくい児童もいると考える。そのため,
登場人物の行動など各場面の大事な点は,キーワードを記したカードで示すようにする。また,挿
絵を用意しておく。
- 16 -
6 準備物
指示棒,地域の駅構内の写真,カード,挿絵
7 学習指導過程
段
学習活動
階
1
主な発問と児童の心の動き
及び評価★
公共の場(駅)が,きれい ○だれもいない駅だけど,どうして ○地域の無人駅の一角の
導
に整えられている写真を見て
入
話し合う。
ごみがないのかな。
・あまり乗る人がいない。
写真を見せる。
○駅を利用する人は,ご
・誰かが掃除している。
みをどうしているのか
・みんなごみを出さないように自分
想起させ,資料の内容
で持ち帰っている。
2
指導上の留意点○
につなげる。
資料「あめだま」の範読を ○誰かが捨てたガムが靴について, ○ 誰 か の 良 識 な い 行 動
展
聞いて,
「わたし」や女の子の
「わたし」はどんな気持ちになっ
に,不愉快な気持ちに
開
心情について話し合う。
たと思いますか。
なっている「わたし」
・だれがこんなところに捨てたんだ。
の気持ちをおさえてお
・こんなところに捨てるなんていけ
く。
ないな。
・みんなが使う場なのに残念なこと
だ。
◎こぼれたあめを拾って集めながら ○個々の考えを整理させ
お姉さんはどんなことを考えたで
るためワークシートに
しょう。
記入させる。キーワー
・あーあ,妹のせいでしょうがない
な。
ドを示す。
★公徳を守り,公共の場
・いけないと思ったけど電車の中で
あめを食べさせたからだ。
・他のお客さんに迷惑だから早くき
れいに片付けよう。
を大切にしようとする
気持ちをもつことがで
きたか。(ワークシー
ト,発表)
○「わたし」は,女の子の様子を見 ○補助発問…あめをこぼ
て,どんなことを思ったでしょう。
・しっかりしているな。
・周りのことを考えているな。
・気持ちよい行動だな。
- 17 -
した妹を,なんで怒ら
なかったのでしょう。
3
経験をふり返りながら,テ
○資料全体を振り返り,
○素敵な心の贈り物と
ーマについて考える。
平素の生活も見つめさ
は,どんなものだと思いま
せながら,自由に意見
すか。
交流させる。また,結
・やさしい心
論付けることを求めな
・おこらない心
いようにする。
・人に迷惑をかけないように,気を
つける心
○後半で,自分にできる
・めいわくをかけない気持ち
ことを考えさせる。
・みんなのことを考える心
★公徳を守り,公共の場
・周りの人や次に使う人が,気持ち
よいように気をつけたい。
を大切にしようとする
気持ちを高めることが
・ぼくも,みんなが使う場所を,汚
できたか。
(発表)
さないようにして大切にしたい。
終
4
教師の説話を聞く。
○地域の駅をきれいにしている人た ○駅の掃除をしたり花を
末
ちがいることを知っていました
植えたりして,美化に
か。
取り組んでいる人がお
・そんな人のおかげできれいなのか。
られること,その心は
・ぼくたちも,マナーを守ってみんな
駅を使う人への贈り物
の使う場所を大事にしよう。
になっているという話
を聞かせる。
○特に発表は求めず,静
かに終わる。
挿絵
あめだま
・
・
いやな気分
こまるな 残念
だれだ いけないな
だれかが捨てたガムをふんだわたし
・
いもうと 電車であめを食べたがる。
ねえさん 「電車の中だからだめよ。
」
↓
いもうと あめだまを ゆかにこぼす。
ねえさん ちらばるあめだまを,ひろい
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(女の子のきょうだい)
挿絵
集める。
こぼれたあめを,ひろって集めながら,女の子は
いもうとのせい
どんなことを考えたでしょう。
・
早くかたづけよう
分
・
気
あめを食べさそうとしたからだ
い
挿絵
・
し
・まわりのことを考えているな
が
すてきな心のおくりものをもらったよう
す
・みんなのことを考える心
が
・めいわくをかけない気持ち
す
女の子のすがたを見たわたし
8 板書計画