KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL 膀胱近傍の腫瘤性病変に対する膀胱全層生検法の応用 星, 宣次; 折笠, 精一; 鈴木, 謙一; 金田, 隆志; 近田, 龍一郎; 前原, 郁夫; 加藤, 弘彰 泌尿器科紀要 (1994), 40(11): 981-985 1994-11 http://hdl.handle.net/2433/115397 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 981 泌 尿 紀 要40=981-985,1994 膀胱近傍の腫瘤性病変に対する膀胱全層生検法の応用 東北大学医学部泌尿器科学教室(主 任=折 笠精一教授) 星 宣 次,折 笠 近 田 精 一,鈴 木 龍 一 郎,前 謙 一,金 原 田 隆志 郁夫 山形県立中央病院泌尿器科(部 長=加 藤弘彰) 加 APPLICATION OF BLADDER 藤 OF WHOLE WALL TO 弘 彰 LAYER PARAVESICAL Senji Hoshi, Seiichi Orikasa, Takashi Kaneda, Ryuuichiro CORE Ken-ichi Konda and BIOPSY TUMOR Suzuki, Ikuo Maehara From the Department of Urology, T ohoku University School of Medicine Hiroaki Kato From the Department of Urology, Yamagata Prefectural Hospital We have reported the usefulness of percutaneous or transurethral whole layer core biopsy (WLCB) of bladder wall for staging of invasive bladder cancer. We have applied WLCB to 3 cases of paravesical tumor with good results. The first case was in a 3-year-old boy suspected of retrovesical sarcoma. Percutaneous WLCB revealed an inflammatory tumor of the Douglas cavity which was probably caused by perforation of appendix. The tumor disappeared by antibiotics alone. The second case was in a 37-year-old female with retrovesical tumor suspected to be ovarial cancer because of the high value of CAI9-9 and CAl25. Transurethral WLCB showed invasion of endometriosis to bladder muscle layar. The third case was in a 75 year-old female diagnosed by transurethral WLCB as sigmoid colon cancer invading until the deep bladder muscle layer. Cold cup punch biopsy was not informative in these 3 cases. Percutaneous or transurethral WLCB is safe and easy to perform, and is a technique recommended for diagnosis of pathology and bladder invasion of paravesical tumor. (Acta Urol. Jpn. 40: 981-985, 1994) Key words: Paravesical 緒 tumor, Whole layer core biopsy of bladder 言 対 象 お よび 方 法 膀 胱 に隣 接す る本 態 不 明 の腫蕩 をみ た場 合,そ の組 膀 胱 全 層 生検 法=手 技 の詳 細 は す でに 報 告 して い る 織 診断 に加 え て膀 胱 浸潤 の有 無 を知 る必 要 が あ る.こ の で,こ こでは 簡 単に 述 べ る. れ らに 対 して経 直 腸 的,経 会陰 的 生 検 あ るいはTUR ① に よる膀 胱 壁生 検 が行 われ るが,実 際 には 腫 瘍 の組 織 経 尿 道 的膀 胱 全層 生 検 法1) 患者 は 仙 骨麻 酔 下 に砕 石 位 とす る,新 た に作 製 した 診断 は で きて も,膀 胱 へ の浸 潤 の有 無や 程 度 を正 確 に 18G.35cmのCrown-Core・Cut生 診断 す る こ とは 難 し い.そ ロテ ッ ク)をBIP自 こ で,わ れ わ れ がそ の 有 検 針(日 本 ユ ー 動 穿 刺 装 置(日 本 ユ ー ロテ ッ 用性 を報 告 し て き た 経 皮 的,経 尿 道的 膀 胱 全層 生 検 ク)に セ ッ トし,経 尿道 的 に挿 入 した20F硬 法1-4)が膀胱 近 傍 の腫 瘤 性病 変 の 性 状,膀 胱 へ の浸 潤 鏡 よ り生 検 針 を挿 入す る.腫 瘍 と針 の先 端 を 内視 鏡 に 性 腎孟 の程 度を判 定 す る のに有 用 で あ る こ とを3例 の経 験 を て 直視 しな が ら,助 手 が縦 切 りの 経腹 的USに 踏 まえて報 告 す る. 瘍 の大 き さ と針 の 先端 か ら腫 瘍 部 の膀 胱 漿 膜 ま で の距 て腫 離 を測 定 す る.自 動穿 刺 装 置 に セ ッ トされ た穿 刺 針は 982 泌尿 紀 要40巻11号1994年 穿刺 時2・5cm前 進 す る ので,穿 刺 時 膀胱 を僅 か に貫 ド「 残転 く よ うに針 先 の 位置 を 調節 して 穿刺 す る.腹 膜 に覆 わ れ た 部 位 で も,超 音 波 で針 先 を 監視 で き る ので安 全 に 穿 刺 で き る.尿 道 的 全 層生 検 の難 しい 例は,易 出血 性 の 腫 瘍,大 ぎ な 腫 瘍 でorientationが 讐 彫 盈㌶ つ き に くい 例,膀 胱 頸 部 の腫 蕩,膀 胱 容 量 が30ml以 o 下 と特 に 少 窃 … ・ o'膨 な い例 な どであ る. ② _ノ 碑 嘉 海、 垂 診 湧 ぞド 賢 が τノ% 経 皮的 全 層 生検 法2-4) 伊 患 者 は腰 椎 麻 酔あ るいは 硬 膜外 麻 酔 下 に砕 石 位 とす る・18G・16cmのCrown-Core-Cut生 検 針(日 本 ユ ー ロテ ック)を 自動 穿刺 装置 に セ ヅ トし,経 腹 的 USguide下 り つ にて 経皮 的,経 膀 胱 的 に腫 瘍 を穿 刺 す る. 嬢.ぞ その 聞助 手 が,経 膀 胱 鏡 に て穿 刺 部 の 同定 と穿 刺 操 作 を観 察 しな が ら行 う,経 腹 的USで 『・,/ジ ぞ∵ ,弩:驚 腫 瘍 が描 出 されれ ` 朔 !・ パ η ・ 仙 ド撫 射 :畷騨弩 噺 ば,穿 刺 は容 易 で あ る, 経 皮 的全 層 生 検で膀 胱 の前 壁 を貫 き後壁 の腫 瘍 を 穿 職1∼ 幽 篠憂 .・ 蕩 刺 す る場 合,生 検 針 に 多少 の たわ み が で きて 良 い標 本 が取 れ な い こ とが あ る.経 尿道 的 全層 生 検 法 では ,内 視 鏡(腎 孟 鏡)を 通 して 経尿 道 的 に挿 入 す るた め に, 生 検針 のたわ み が な く診 断に 耐 え え る よい標 本 が採 取 ド.'雛. ・ 駕 Fig・2. ご 層1∴ 凱 ズ TransverseUSofcaselshowedprojectedtumortothebladder. され る こ とが 多 い.従 って まず,経 尿道 的 全 層生 検 を 試 み て,難 しい時 には経 皮 的 全層 生 検 を行 って い る。 採 取 した組 織 は,粘 膜側 に ス ミをぬ り病 理 標 本 を作製 す る際 の メル クマ ール とす る. 全層 生 検 法 の合 併症 と して 腫瘍 の 播種,出 血,感 染,他 臓 器 損傷 が 考 え られ る,こ れ まで95例 の経験 で は 止血 を 要す る膀 胱 内出 血 を3例,一 痩 を1例 経 験 して い る が,経 過 性 の膀胱 皮 慮 皮 的全 層 生検 でneedle tractに 腫 瘍 の播種 を認 め た 例 や 他 臓器 損 傷例 は 経 験 してい な い. つ ぎに症 例 を供 覧 す る. 症 例1:3歳,男 児. 轟懸 Fig.3, 主 訴:排 尿時 痛 WLCBspecimenofcaselrevealed inflamm・t・ ・ytum・ ・(×100). 1992年8月 末39度 の発 熱 と吐 き気,下 痢 を 認 めた . 9月 末 に は排 尿 時痛 あ り,CT,USに てretrovesi一 凶 .「 秘 置 参 、 隊 、一/z.t v- rt「 i ・ ¥'鵠 憂メ 〆 Fig・LCTscanofcaselrevealedretrovesical tumorwithcalcification. Fig.4. CTscanofcase2revealedretroves二cal bigtumor.B;bladder,T:tumor 983 星,ほ か:傍 膀 胱腫 瘍 ・膀胱 全 層 生検 ズ 「 繋際 m ・、 諭 「"認 ・ 、'li 'ナ尋麟 リ ・陛'霊 矯 翻 ヤ トオ ヨ 蝿難 磯1. ロ く駕 雌 ヨ か ヘ コプ 臨篶 慰 鷲 繋, Fig・5・ 購1 「 繋三・ ∵ ∵ 謡逼 WLCBspecimenofcase2revealedectopicendometriosisinthe super丘cialbladdermusclelayerm:bladdermucosalsite. い った.治 療開 始2カ 月 後 のCT,MRIで や や縮 小 し,4カ 月 後に はUS上 _..ア 貧 一...' 鋭 輝-㌶ は 縮小 し,9カ ∴誓 ㌧ 月 後に は消 失 した.本 例 は15カ 月経 過 現 在異 常 所見 を 認 めて い な い.本 態 は 不 明 であ るが, 欝 輝 轡 属 蟻灘B 虫 垂炎 由 来 の膿 瘍 に よ る腫 瘤 が 疑 われ た. 症例2:37歳.女 性, 主訴=月 経時 の 膀胱 炎 症 状 1993年5月15日 薮 ㌃認 二 獄 一⊥》鷺 饗驚 3revealedkidney-1ikeappearancesig- て 膀 胱後 巨大 な 腫瘍 が 認 め られ た (Fig.4).CA19・9,59.lU/ml(<37U/ml),CA125, 144U/m1(39U/ml)と た.PAPに moidtumorwasadjacenttothebladder. 上 昇 して いた ので,卵 巣 癌 の て 左 尿管 下 端 の閉 塞 を認 め,膀 胱 鏡 で は 左尿 管 口の外側 に浮腫 性 変 化 が 認 め ら れ たpunch B:bladder,T=tumor biopsyで 路感 染 症 の診 断 を うけ,同 年li月9日 当科 紹 介 された.4×3cmの 排 尿 時違 和 感 出 現.CTに 壁 に接 す る10×5×7cmの 診 断 の も と に 婦 人科 よ り左水 腎 症 の精 査 を依 頼 され F五g.6.TransabdominalIongitudinalUSofcase caltumor,尿 は腫 瘍 は 膀 胱 に突 出 した腫 瘍 腫 瘤 が 膀 胱 後 壁 に存 在 は粘 膜 の浮 腫性 変 化 の み で あ った の で,経 尿 道的 に 膀 胱 の浮 腫性 変 化 部分 の全層 生 検 を 行 った. 病 理組 織 検 査 では,膀 胱 粘 膜近 くの 筋 層 に異 所 性en- し膀 胱 内へ 突 出 して認 め られ,一 部 石灰 化 を伴 って い dometriosisの た(Fig.1,2).経 垂 体 前葉 抑 制 と 抗 エ ス トロ ゲ ソ作 用 を 有 す るdana- Crown-Core-Cut生 皮 的経 膀 胱的 に18G.16cmの 検 針 に て 穿 刺 した。 病 理 組織 学 的所 見 は,膀 胱 筋 層 内にplasmace11を 中 心 に好 中 所 見 を認 め た(Fig.5).婦 zol,LH-RHanalogの た め1994年2月10日 所見 で あ った(Fig.3).以 psoashitchを し,抗 生 物 質 の投 与 を開 始 した と ころ腫 瘍 は縮 小 して 投 与 が開 始 され た.そ の後 腫 瘍 は縮 小 した が完 全 な消 失 が な く水 腎 の 改善 も見 ない 球,好 酸球 な どの炎症 性 細 胞浸 潤 を認 め 反応 性 の 炎症 上 よ り炎症 性 腫瘍 と診 断 人 科 で下 に腫 瘍 摘 出術,尿 管膀 胱 新 吻 合, 行 った.手 術 所見 よ り本腫 瘍 は 膀 胱後 壁 と腔 上壁 の 間 か ら発 生 した も の と考 え ら れ,左 尿 984 泌尿 紀 要 ・40巻11号:1994年. 嚢 、,ン 熱 擁 霧灘 鐡 に ・ 鍵 鑛 馨 灘・ ヂ メ 獄 ・1罎 縫 驚 験 らピし 纈 弓 ・, 鶏 湧 攣髪 難 澗 ' df・i/" 111,li.//・i.・if.ii,・i・ ・i;A.i・rii'」s'i';-1,'i'ii,i・1¥"'ff" 囎 .蕊, Fig,7.WLCBspecimenofcase3revealedinvasionofsignetringcancer ce11untilthedeepbladdermusclelayer.(PASstain)m=bladder mucosalsite 管,左 閉 鎖 神 経 を 巻 き 込 ん で い た.摘 有 す るendometriosisが 層 ま で 認 め,尿 胱,尿 出標 本 は 間質 を 膀 胱 筋 層 を 越 え て,粘 膜下 管 で は 固 有 筋 層 に ま で 認 め た.ま た膀 管 周 囲 の 線 維 脂 肪 組 織 に もendometriosisが 認 め ら れ た.尿 管 粘 膜 に はendometriosisex認 めな 性, 既 往 歴:1977年 まで しか採 取 されず,後 腹膜 腫 瘍 に 対 して の診 断 的 意 biopsyで は診 断 が で きな か った.ま た,生 な され るが,TURを 検 の 目的 行 うに は硬 膜 外 麻 酔 放 射 線 照射 を は 困難 と考 え られ る.ま た,TURの 標本 で は筋 層 へ の腫 瘍 の浸潤 は診 断 で きるが,筋 層 の 浅層 まで の 浸潤 現 病 歴:1993年ll月4日 よ り凝 血 塊 を 伴 った 血 尿 を 人 科 的 に は 子 宮 癌 の 再 発 を 認 め な か っ た. 膀 胱 鏡 で は,左 側 壁 の粘 膜 の壊 死 を伴 った潰 瘍 性病 変 が 認 め ら れ た.尿 細 胞 診 は 陰 性 で あ っ た.CTお て 膀 胱 に 接 す るcoloncancer(Fig.6)が よび 疑 わ れ て 消 化 器 内 科 へ 入 院 し た.sigmoidfiberscope に てsigmoidcancerを 疑 わ れ,膀 な のか,深 部筋 層 まで の 浸潤 な のか を診 断す るの は 困 難 であ る,全 層 生 検 法 は経 尿 道 的 生 検 で あれ ば 仙 骨麻 酔 でで き るの で外 来 レベ ルで 簡 単 に施 行 で き る.わ れ わ れ の症 例2,3は 事 実,外 来 レベ ル で生 検 を 行 った もので あ った.経 尿道 的 全層 生 検 の難 しい例 は,膀 胱 頸 部 の腫 瘍 腫 瘍 が 特 に 大 き く膀 胱 鏡 でorientation 胱 浸潤 の 診 断 を がつ か な い もの,易 出血 性 の腫 瘍 ,前 立 腺 肥 大 症 を合 経 尿道 的膀 胱 全 層生 検 を 併 す る例 な どで あ る.ま ず,経 尿道 的 全 層 生 検 を試 み 理 組 織学 的 に 印環 細胞 癌 が深 部 膀 胱筋 層 に て,難 しい時 に は 経皮 的 全 層 生 検 を 行 うな ど,症 例 に 依 頼 さ れ た.1993年ll月19日 ま で 浸 潤 し て い る の が 認 め られ た(Fig.7).本 1994年3月 は 粘膜 下 組 織 あ るい は腰 椎 麻 酔 が必 要 であ り,手 軽 に 生 検す る こ と 子 宮 癌 に て60Gyの うけ て い る. 行 った,病 な され る,coldpunchbiopsyで でTURが 症 例3:75歳,女 USに Rが 義 は 少 な い.わ れ わ れ の 症例 も3例 と もcoldpunch か っ た. 認 め た.婦 後壁 の腫 瘍 に は膀 胱 粘 膜 のcoldpunchbiopsy,TU- 現 在,消 例 は 化 器 内 科 で 治 療 中. 考 察 応 じて 適宜 生 検 経 路 を選 択 す れ ば よい と考 え て い る. 症 例1は 後 膀 胱 肉腫 が疑 わ れ た が,全 層 生 検 に よ り 膀 胱 後 部膿 瘍 と診 断 して,抗 生 物質 の投 与 で 経 過観 察 と した. 膀 胱 に浸 潤す る,あ るい は膀 胱 に接 す る腫 瘍 の質 的 膀胱 後 部 の 炎症 性 腫 瘍 と して ダ グ ラ ス窩膿 瘍 が考 え 診 断 は しぽ しば困難 であ る.腫 瘍 が膀 胱 茎部 にあ る場 られ るが,腹 部症 状 が 吐 気,嘔 吐 のみ で,腹 痛 を あ ま 合 は経 直腸 的 あ る いは 経会 陰 的 生検 が 行わ れ る.膀 胱 り訴 えな か った が,原 因 と して虫 垂 炎 の穿 孔 が 考 え ら 985 星,ほ か:傍 膀 胱腫 瘍 ・膀 胱 全 層 生検 れ る.Haasら5)は100例 の虫垂 膀 胱痩 を 報 告 し,症 状 は吐 気,嘔 吐 が48%で 腹 痛 は50%と 半 数 は腹 部 症 状 癌 と判 明 し,手 術 を行 わ ず に 内科 的 治療 が選 択 され た. 全層 生 検法 は 生 検針 を 用 い る の でTURの よ うな が ない のが 特徴 とい う.わ れわ れ の症例1も 腹 部 症 状 hotbiopsyで を 欠い てい た,虫 垂 膀胱 痩 は診 断 まで に時 間 がか か る 膜 下 組 織,筋 層 と連続 した切 片 が採 取 され る の で,腫 のが特 徴的 で,通 常診 断 まで に1年 あ るい は それ 以 上 瘍 の深 達 度を 決 定 で き る.経 腹 的USガ の期間 を要 し,10例 で は10年 か ら37年 を要 して いた. え ば,針 の先 端 の進 み ぐわ いが 分 か り腫 瘍 を突 き抜 け 虫 垂膀胱 痩 の原 因 は大 部分 は 虫垂 炎 の続 発 症 と考 え ら るこ とな く安 全 に生 検 が で き る.今 回 提示 した 症 例 の れ たが,3例 は盲 腸 や 虫垂 の腺 癌 に 起 因 し,1例 垂 の神経 腫 であ った.ま た,100例 は虫 中8例 は 虫垂 の 穿 は な く,標 本 も良 く保 た れ,粘 膜,粘 イ ド下 に 行 よ うに 診 断に 苦 慮す る症 例 で は,積 極 的 に本 法 を 応用 す べ きで あ り,無 益な 開腹 手 術 を避 け る ことが で き る. 孔 部が 自然 に閉 塞 し,膀 胱 後 壁に 膿 瘍 のみ を形 成 しそ 結 れ が後 に膀 胱に 破れ た 例 と報告 して い る,わ れ わ れ の 語 症 例1は 抗 生物 質 のみ に て治癒 した こ とか ら,虫 垂 の 経 尿道 的 あ るいは 経皮 的 膀 胱全 層 生 検法 は 非 侵襲 的 穿 孔部 が 自然に 閉 塞 し膿 瘍 のみ が残 り,そ の段 階 で 全 で簡 単 に施 行 で き 安 全性 も高 く,膀 胱癌 の 深達 度診 層 生検 で診 断が つ いた症 例 と考 え られ,診 断 のた め の 断,neoadjuvant療 開腹 手術 を 施行 せず にす んだ症 例 で あ った. の よ うに 膀 胱 近 傍 の 腫 瘤 性 病 変 の 質的 診 断 に も応 用 また,CTに て膀 胱後 壁 に腫 瘤 と丸 い石 灰化 を 認 め る可能性 の あ る病 変 と して は,奇 形 腫,石 灰化 した動 脈瘤 血 管腫 な どが 考 え られ るが,3歳 法 の評価 に加 え て,今 回 の報 告 で き,今 後 一般 的 な 検査 法 とな る こ とが十 分 期 待 され る. の 男児 で あ る 本研究に ご協力いただいた花巻 総合病院検査部高橋義徳技 本症例 は 虫垂 炎 の破 裂 に よ るダ グ ラス窩 膿瘍 内の 糞石 官,伊 藤茂 雄技 官に深謝 します。 なお,本 研究は文 部省科学 で あ った と推 測 され る.Fraleyら6)は 単純CTに て 研究費補助金試験研究B(課 題番号04557071),が ん集学的 糞石 に よ る石 灰 像 を 痩 口部 に 認 め る こ とが,虫 垂 膀 治療研究財 団助成金,財 団法人 内視鏡医学研究振興財団 の援 胱痩 の診 断 の決 め手 とな る と して い る.糞 石 に よる石 助 を受けた. 灰橡 は,本 症 の よ うに ク リッと まる いの が特 徴 的 とい 文 う. 本例 は横 切 りの経腹 的超 音 波 嫁 にて 明瞭 に 腫瘤 を 描 1)星 宣 次,折 笠 精 一,吉 か=浸 川 和 行,ほ 生 検 に よ る 浸 潤 性 膀 胱 癌 に 対 す 断 のた めに 開腹 生検 を 行 って い る.全 層 生 検 を行 わ な 潤 性 膀 泌 尿 会 誌 療 法 の 評 価.日 か=膀 胱 全 層 るneoadjuvant 泌 尿 会 誌82=1649-1655,1991 3)HoshiS:Evaluationofneoadjuvanttherapy inIocallyinvas孟vebladdercancer:core る生 検手 術 が必要 であ った こ とを 考 えれ ぽ,全 層 生検 biopsyofbladdertumorandaspiration 法 に よ り無益 な開 腹 手術 を 行わ な い で済 ん だわ け で あ biopsyofregionallymphnodes.In=Eval- り,本 症 に おけ る全 層生 検 はminimalinvasivesurgeryで 川 和 行,ほ 85=705-714,1994 2)星 破裂 に よる ダグ ラス窩膿 瘍 は文献 上 大部 分 の症 例 が 診 けれ ば3歳 の男 児 であ る本 例 も診 断 のた め に開 腹 に よ 笠XX-一 一,吉 胱 腫 瘍 に 対 す る 経 尿 道 的 全 層 生 検 法.日 出で きた ので経 腹 的全 層生 検 法 に て容 易に か つ,腫 瘍 を 突 き抜 け るこ とな く安全 に 生検 が で きた,虫 垂 炎 の 宣 次,折 献 uationofchemotherapyininvasivebladder cancer.EditedbyVillavicencioHandFair あ った と考 え られ る. WR.ChurchhillLivingstone,NewYork, 症例2は 子 宮 の左 側 に腫 瘍 を 認 め,CA19-9,CA125が 高値 で あ った こと よ り卵 巣腫 瘍 を疑 わ れ た,膀 胱 全層 生検 に て 膀 胱 筋層 内に 浸 潤 す る異 所 性 のendometriosisの 診 断 が 下 さ れ た.本 例 は 先 に腹 腔 鏡 を 行 えぽ,卵 巣 の チ ョコ レー ト嚢腫 が 発 見 されendometriosisの 診 断 がつ い た もの と考 え られ るが,当 初悪 性 の卵 巣腫 瘍 が疑 わ れ たた め の腹 腔 鏡 は行 わ れ な か った.経 尿道 的 全層 生 検法 が 診 断 の決 め手 とな った. pp.6レ77,1992 4)小 野 久 仁 夫,折 笠 精 一,星 宣 次,ほ か:膀 胱 癌 深 達 度 診 断 の た め の 経 皮 的 膀 胱 壁 全 層 針 生 検 一 生 検 法 の 開 発 一.日 泌 尿 会 誌83=1671-1688,1992 5)HaasGP,ShumakerBPandHaasPA:Appendicovesicalfistula.Urology24:604-609, 1984 6)FraleyEE,ReinbergY,HoltT,etal.=Conputerizedtomographyinthediagnosisof apPendicovesicalfistula.JUro1149=830-- 症 例3は,S状 結腸 癌 の膀 胱 浸 潤 の程 度 の診 断 を依 頼 された 例 で あ った.通 常行 うpunchbiopsyで は 診 断 がつ かず,全 層生 検 で膀 胱 筋 層 深部 まで浸 潤 した 832,1993 (ReceivedonApril25,19
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