まなび平成22年2月号(PDF:572KB) - 山梨県

峡南教育事務所
学校教育担当情報誌
平成22年2月
第6号
暖冬といわれながらも,まだまだ寒い日が続いています。学校でも,年度末のまとめの時期に入り,何か
とあわただしい毎日をお過ごしのことと思います。
さてこの一年,学校教育担当として,学校訪問や各種事業などを行ってきました。皆様のご協力をいただ
く中で,成果を上げることができたと考えています。ありがとうございました。特に,校内研究会にはのべ
130回以上参加させていただきました。先生方の教育研究に対する熱心な姿勢には,頭が下がる思いがし
ます。また,峡南地区では自主公開を含めて13校で公開研究会が行われました。当該校での研究成果が,
多くの学校に広がっていくことを期待しています。
来年度は,新指導要領移行期2年目,小学校では最後の年になります。また,小学校の教科書の採択もあ
ります。この「まなび」による情報提供が,各校の特色を生かした教育課程の編成と教育指導の充実のため
の一助となれるよう内容の改善に努めていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。
増穂小学校
身延小学校
1月27日(水)
2月10日(水)
「学力向上実践研究推進事業」(文部科学省・山梨県)
(中間発表)
研究主題
「外国語活動における教材の効果的な活用及び
評価の在り方に関する実践研究事業」(文部科学省)
「充実感をあじわえる授業の創造」
~「できた!」「わかった!」を実感できる算数科の学習をとおして~
「やってみよう外国語活動推進事業」(山梨県)
公開授業
研究主題
「コミュニケーションを楽しもうとする子どもの育成」
2年4組『図をつかってかんがえよう』深澤敬子
4年1組『広さを調べよう』村松学
~外国語活動の話すこと・聞くことを通して~
6年1組『文字を使って式に表そう』笠井さゆり
公開授業
5年 『クイズ大会をしよう』佐野千春(HRT)
Brian Shepherd(ALT)
児童発表
6年合唱 「歌よありがとう」「明日に架ける橋」
6年 『自分の1日を紹介しよう』小林努
全体会
全体会
研究発表
研究発表
講演 「外国語活動を通して,子どもにつけたい力」
講演 「算数科と人間形成」山梨大学教授 中村享史
文部科学省教科調査官 直山木綿子
授業も児童発表も,子どもたちの「やるぞ!」という
子どもたちの輝く目と,生き生きとした活動にこれま
での研究成果を感じました。1時間の授業の流れや英語
ノートの活用方法など,それぞれの学校で参考にできる
ことがたくさんあったと思います。また,直山先生のパ
ワフルな講演からもたくさんのご示唆を頂きました。
-1-
気持ちが強く現れたすばらしいものでした。また,中村
先生には,「問う」「鑑賞」などのキーワードをもとに
「算数科と人間形成」についてお話を頂きました。
資料等もありますので,興
味のある方は,教育事務
所学校教育担当まで,お
問い合わせ下さい。
第16回 萱田小学校 実践発表会
千葉県八千代市立萱田小学校は,平成6年より「個性を生かす教育の推進」に取り組み,毎年
実践発表会を行っています。今年度は,「伝え合う活動を大切にし,活用する力を育てる授業の
創造」(3年間の研究2年次)というテーマで研究を進め,1月29日(金)に実践発表会が行
われました。国語・算数・理科の3教科を中心に研究しています。
参観した算数の授業では,自分の考えを黒板の前で熱く語り,それをみんなが補足や質問等を
しながら真剣に聞いていました。理科の授業では,子どもが自分達で考えた実験に,男女仲良く
語り合い議論しながら,全員でしっかり実験していました。時間の関係上,残念ながら,国語の
授業は参観できませんでした。
「伝え合う」ことに関しては,話す力・書く力・聞く力・読む力・認める力の5つの表現力が
重要な要素だと考え,研究を進めていました。教科毎にめざす子どもの姿を明らかにし,教師の
具体的な手だてを確認し,研究を進めていました。3年目にあたる来年度,「活用する力」を明
確にして,実践を重ねていく予定になっているそうです。
平成21年度初等教育研究会
第31回 伊那小学校 公開学習指導研究会
基幹学力研究会 福島大会
長野県伊那市立伊那小学校の公開学習指導研究会は,今年
度で31回目を迎えました。昨年度までの30回で,約2万
人の参加者があったそうです。今年度は2月6日(土)に行
われ,山梨県からも多く先生方が参加していました。伊那小
学校の研究は,「子どもは自ら求め,自ら決め出し,自ら動
き出す力をもっている存在である。」という子ども観に立っ
ています。総合学習・総合活動を中核に据えた教育課程を編
成し,「内から育つ」子どもの姿を求めて研究を続けていま
す。今年度は,研究サブテーマを「『ひと,もの,こと』と
のかかわりを深めながら,自らを高めていく子ども」と定め,
対象とのかかわりを深めながら成長していく子どもの姿を
めざしています。
5年生の熱気球を作る方法について,模型を使って考える
授業を参観しました。4年生から熱気球の学習が始まり,3
年目の6年生の最後にはゴンドラに乗って飛ぼうという壮
大な計画です。本時はなんとなく授業が始まり,グループで
1時間熱心に工夫を出し合い,作業を進めながら考え合いま
した。研究協議会では,学習する子どもと教師のかかわりに
ついて,協議が進みました。
総合的な学習の時間では,課題の設定が大事だと改めて感
じました。しっかりした課題が設定されると,学習がぶれず
にスパイラルに進んでいくことを実感しました。
1月30日に福島大学附属小学校を会場に基幹学力研究会
が開催されました。この研究会は,国語・算数における「基
幹」となる学力を探り,その力を伸ばすための指導方法につ
いて研究する会で,筑波大学附属小学校の二瓶先生と田中先
生が中心となって進められています。
午前中の公開授業には,5年国語と1年算数に参加しまし
た。5年国語では「きつねのおきゃくさま」を題材に,読み
の視点を子どもたちに発見させ,共有することによって次の
読みにつなげるという内容でした。個々の読みをどのように
つなげて授業として成立させるか,教師の力量が問われると
ころだと感じました。1年算数では,大きさを比べるために
パターンブロックを使ったじゃんけんゲームでした。パター
ンブロックを算数の授業でどのように使っていくか,これか
ら研究課題であると感じました。
基幹学力とは,文字通り「幹」となる学力のことであり,
「枝葉(知識や技能)が枯れて(忘れて)しまっても,幹(思
考力,判断力,表現力)がしっかりしていれば来年春にまた
葉をつけることができる。」と例え,特に「意欲」が基幹学
力のポイントになると解説されていました。
やはり,今後学力を考える上で,「思考力・判断力・表現
力」をどう育んでいくかが重要なポイントになっていくのだ
と改めて強く感じました。
-2-
新潟県新潟大学附属新潟小学校
平成22年2月4日(木)~5日(金)に新潟県新潟大学附属新潟小学校
で行われた「平成21年度初等教育研究会」に参加しました。
附属新潟小学校の研究主題は「子どもが学ぶことに価値を見いだす教
育課程の編成」であり,本年度はその3年目でした。「子どもが学ぶこ
とに価値を見いだす教育課程の編成」とは,子どもがやることに意義を
感じる学習,思わずやりたくなってくる学習の進め方に焦点を当てた研
究であり,これらは昨年参観した筑波大学附属小学校の「子ども力を高
める学習」や学芸大学附属世田谷小学校の「切実感のある授業作り」に
相通じるものがありました。
私が参観した5年社会科の授業では,情報ネットワークシステムが電
話回線から ISDN,ADSL,光ファイバーへと移り変わってきたことを知り,
伝達速度や情報量が飛躍的に増えたことを知った後で,県内でどの地域
が一番光回線が整備されているかを予想させるものでした。子どもたち
は当然市内や長岡市,上越市などの都市部をあげましたが,実は一番発
達しているのは朝日村(現村上市)であることを知り,驚きの声を上げ
ていました。次時はなぜ朝日村に光回線が整備されたのかを考えること
を予告して終了しました。(じつは朝日村は過疎地であるからこそ双方
向通信システムの必要性に迫られ,全村あげて光回線整備に努めたので
す。)
授業後の研究会では情報伝達システムが変化してきたことがどのくら
い子どもに実感できたか,光の有用性がどのくらい理解できているかが
話題となりました。「学ぶことに価値を見いだせる」授業であったかが
厳しく問われていた気がします。子どもたちは積極的に発言し,他者の
意見をうまくつなぎながら授業そのものは活発に進行していました。
授業研究会後の全体フォーラムは3分科会ありましたが,私は「教育
課程フォーラム」に参加しました。新潟大附属新潟小では新教育課程を
作る際に5つのポイントを決めて作成したそうです。たとえば①習得-
活用の単元作り,②15分1単位のクォーター制の導入による弾力的な
校時表の作成,③全職員が共通に取り組む「学習スキル」の実施などが
あげられます。これらの取り組みも大変参考になるものでした。
2日間でのべ1500人以上が集まる大変大規模な公開研究会でし
た。参加者も新潟県内のみならず,北海道や東北,関東,中部と全国各
地から集まっていました。あいにく26年ぶりの新潟市の大雪というこ
とで,交通機関の乱れに悩まされた2日間でしたが,あのようなにすご
い雪は生まれて初めての経験でした。その意味でも印象に残る研究会で
した。
峡南地区で今年度2回目の「学力向上・学校評価合同推進協議会」が身延町総合会館で行われました。高
校前期入試と重なるなど,何かとお忙しい中だったと思いますが,各校一名ずつ参加していただきました。
今回も学力向上と学校評価の二本立てで協議を行いました。学力向上に関しては,まず鷹野指導主事より,
学力向上に向けた授業改善のヒントとして,新しい学習指導要領の改訂におけるキーワード(「知 徳 体」
「自己 他者 社会・環境」「学力の3つの要素」など)と評価の在り方についてお話しを聞き,その後,
研究指定校の鰍沢小,鰍沢中,増穂小,三珠中より研究発表して頂きました。鰍沢小と鰍沢中は,3年間の
研究のまとめ,増穂小と三珠中には2年目の中間報告です。どの学校もしっかりとした見通しをもって計画
的に研究が進められ,すばらしい成果を上げた(上げつつある)ことがわかりました。それぞれの学校の研
究成果が,峡南地区の学校に広がり峡南地区全体としての学力向上につながることを願います。
学校評価については,嶋崎指導主事より「第三者評価の現状と課題」について最新の情報を元に解説して
頂きました。次に研究指定校の下部小学校と六郷中学校より,学校関係者評価と評価項目・指標についての
研究発表があり,「自己評価項目の設定」「公表の方法」「学校教育目標を具現化するためのグランドデザ
イン」などが課題として報告されました。
実施後のアンケートにおいて,「学力向上と学校評価の二本立ての協議会の持ち方について少し無理もあったよう
に思う。」「研究指定校や義務教育課の先生方のお話も大変参考になった。」「評価については、指定校の成果を参
考にして来年度から本格的に関係者評価に取り組んでいきたい。」など,たくさんのご意見が寄せられました。ご協
力ありがとうございました。
2日(火) 峡南学校経営研究会 中富総合会館
3日(水) 下部小 授業研 2年 国語
5日(金) 西嶋小 授業研 2年 道徳
10日(水) 増穂小 公開研究会 学力向上実践研究推進事業
16日(火) 学校教育指導重点説明会 総合教育センター
18日(木) 読解力向上のための指導法研修会 総合教育センター
23日(火) 総合教育センター研究発表大会 総合教育センター
2学期末にもお願いしました『教育課程実
施状況調査』(授業時数調査)を学年末にも
行います。これまでの調査表に付け加え,デ
ータをメールで提出して下さい。
年末の大変忙しいときにお手数をおかけい
たしますが,よろしくお願いします。
〆 切
3月25日
25日(水)
提出先
各町教育委員会
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学校要覧作成のために今年度も「調
査シート」の作成をお願いします。
3月末にメール・FAXにて配信し
ますので,ご記入の上,同じくメール
・FAXにて返信をお願いします。
〆 切
4月7日(水)
提出先
峡南教育事務所