科目名 担当教員 国際私法(1) 伊藤 敬也 授業の目的・到達目標 目的:国境を越える生活関係を対象にした渉外法律関係の規律について理解すること。 目標:国際関係法(私法系)に独特の思考と処理方法、基礎知識を十全に獲得すること。 授業の概要 国際関係法(私法系)は、各国ごとの法体系の存在を前提として、外国企業との契約や異国籍者 間の婚姻など複数の国と関連する私人の法律関係の規律に用いられるものである。 国際私法(1)では、国際関係法(私法系)のうち国際民事手続法および法選択規則の全体を概 観するとともに、主要テーマについて現実の紛争処理の基礎となる理論構成を詳細に扱う。なお、 各テーマとも国際裁判管轄および準拠法の両方を授業の対象とする。 知識を知識のままにとどめないよう、履修者の積極参加が求められる。 成績評価の基準・方法 期末試験(80%) ・ その他(20%) 授業中の質疑応答および小テストなどを考慮しつつ、期末試験の結果にもとづき評価する。 使用教材・教科書・参考文献 国際私法判例百選(有斐閣) 演習ノート国際関係法[私法系] (法学書院) 事前・事後の学習について 授業は履修者の知識の確認および展開力養成の機会であるから、事前事後の自主学習が必須となる。 履修条件 民法および民事訴訟法の基礎を理解していることが望ましい。 161 2014 年度授業計画 回 テーマ 1 財産関係事件の国際裁判 管轄 2 契約(1) 行為能力の準拠法および当事者自治原則ならびに契約関係事件 の国際裁判管轄について検討する。 3 契約(2) 消費者契約および労働契約をめぐる国際裁判管轄および準拠 法について検討する。 4 法定債権(1) 不法行為をめぐる国際裁判管轄および準拠法(原則および例 外)について検討する。 5 法定債権(2) 6 物権(1) 7 物権(2) 8 債権債務関係 9 身分関係事件の国際裁判 内容 民事訴訟法 3 条の 2・5・6・7・8・9・10 について検討する。 事務管理および不当利得をめぐる国際裁判管轄および準拠法 について検討する。 物権をめぐる国際裁判管轄および動産に関する権利の準拠法 について検討する。 担保物権の準拠法について検討する。 債権譲渡をめぐる国際裁判管轄および準拠法について検討す る。 身分関係事件の国際裁判管轄と財産関係事件の国際裁判管轄 管轄 の異同について検討する。 10 夫婦関係 婚姻の成立および効力をめぐる国際裁判管轄および準拠法に ついて検討する。 11 親子関係(1) 実親子関係(嫡出親子関係および非嫡出親子関係)をめぐる国 際裁判管轄および準拠法について検討する。 12 親子関係(2) 養親子関係をめぐる国際裁判管轄および準拠法について検討 する。 13 相続および遺言 相続および遺言をめぐる国際裁判管轄および準拠法について 検討する。 14 外国判決の承認執行 民事訴訟法 118 条各号について検討する。 162
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