災害時非常用電源設備の強化等に係る危険物施設の安全対策の あり方

資料1-3
災害時非常用電源設備の強化等に係る危険物施設の安全対策の
あり方に関する検討の背景及び趣旨について
1.背景
商業ビル等の中には、危険物を消費する非常用電源設備や危険物を貯蔵するタンク
を有しているものがあり、消費又は貯蔵する危険物の量が一定以上の場合は、消防法
上の危険物施設となる。国土強靱化基本計画(平成 26 年6月閣議決定)において、
非常用電源設備等の確保により事業継続性の確保が求められており、東日本大震災を
受けた事業継続時間の長期化等により非常用電源設備の燃料の貯蔵量や消費量の増
加が見込まれている。非常用電源設備の燃料の貯蔵又は取扱いの実態等を調査し、関
係する危険物に係る規制について合理化の必要性等を検討する必要がある。
また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京オリパラ」という。)
の開催に伴い、仮設の発電施設や大会運営車両用の給油施設が設置される見込みであ
る。これらの施設は東京オリパラ開催期間(約 50 日間)のみ設置されることとなる
が、仮貯蔵・仮取扱い ※が適用できる 10 日を超える設置になるため、基本的には危
険物施設として、消防法令上の技術基準(以下単に「技術基準」という。)を適用し、
安全を確保すべきであるが、過去のオリンピック・パラリンピック競技大会での対応
状況等を参考とした安全対策の合理化が求められている。
※仮貯蔵・仮取扱い:本来消防法第 10 条第1項により、指定数量以上の危険物は、市
町村長等から許可を受けた製造所等でしか貯蔵又は取り扱うこ
とができないが、同項ただし書きの規定により所轄消防長又は消
防署長の承認を受けて 10 日以内の期間仮に貯蔵し、又は取り扱
うことができるという制度。
2.趣旨
上記背景を踏まえ、下記のとおり検討を行う。
(1)災害時非常用電源設備の強化に係る検討
災害時における事業継続時間の長期化等により、燃料の貯蔵量や消費量が増加
している非常用電源設備に関して、危険物の貯蔵又は取扱いの実態やニーズ等を
調査し、関係する危険物規制の合理化の必要性及び必要な安全対策について検討
する。
(2)東京オリパラにおける仮設の発電施設や給油施設等に係る検討
東京オリパラの開催に伴い設置される仮設の発電施設や給油施設等の仕様や
ニーズ等を調査し、過去の国際大会等での対応状況等を参考に、必要な安全対策
について検討する。