3月6日 定例部課長会 市長訓示 NEC液晶テクノロジー、離職 - 出水市

3月6日
定例部課長会
市長訓示
おはようございます。一般質問の通告を19名から頂きました。それぞれの案件につきまして、
現在、答弁の打ち合わせをさせていただいておりますが、それぞれの部署におきましていろいろと
ご苦労いただいて感謝を申し上げます。
○
NEC液晶テクノロジー、離職者等への支援について
4日の午前11時に、NEC液晶テクノロジーの神奈川本社の上野社長、それから本体の本社の
日本電気株式会社の鹿島専務、それと地元の税所工場長の3名来訪されまして、皆様方もテレビ、
新聞報道等でご案内のとおりNEC液晶テクノロジーがこの12月完全撤退をするという方針を
決定しましたということで報告を受けたところです。
さきにパイオニアプラズマディスプレイ株式会社の完全閉鎖ということで2月28日その事実
を私どもも確認を余儀なくされたところでありまして、それからわずか4日目にこのような決定の
報告を受けまして、出水市における、まさに誘致企業の中でも有数の一大企業でありましただけに、
このことの出水市に与える影響というものは今後計り知れないものがあるだろうというふうに強
く認識をしております。
特にNECは、昭和44年11月1日から操業を開始しています。当時は蛍光表示管等を始めと
して半導体等の製造に当たっておられたと思いますが、最盛期には1,400~1,500人の社
員を雇用していただいて、出水地域の経済の振興・発展、あるいは雇用の増大等に大いに貢献をい
ただきましたし、そのことで市民生活の安定向上にも寄与していただいてきたわけです。
いろいろ時代の変遷と共に世界的な競争の中で厳しい荒波を幾度となく乗り越えながら今日ま
で操業を続けてきていただいたところですが、平成15年でしたか、プラズマディスプレイと液晶
部門とを分社化されまして、一方のプラズマディスプレイの方が平成16年、パイオニアプラズマ
ディスプレイ株式会社としてパイオニアの方に譲渡され、そのパイオニアが2月28日に完全閉鎖
ということになったわけです。分社化されました一方のNEC液晶テクノロジー、こちらの方は安
定的に操業を続けておられたところですけれども、昨年からの世界的経済同時不況とういうこの荒
波の中でついに沈没を余儀なくされると、このような事態です。
会社といたしましても、ここまで結論を引き出されるにはいろいろ議論が重ねられ、頭を痛めて
こられたことだとは思っております。しかし、受ける私どもとしては、秋田工場の方に集約される
ということですが、1,190名程の全体的な社員を来年のしかるべき時期には約600名に縮小
するということの計画であるようです。
したがって、今後、NEC液晶テクノロジーの鹿児島工場で働いておられる370名程の社員の
皆様方、配置転換を希望される方が今後どの程度出てこられるかわかりませんが、そういう方々を
完全に秋田工場の方で集約できるのかどうか、あるいは退職して地元に残りたいという方がどの程
度現れるのか、今後の社員の皆さん方の希望調査等で判明してくるとは思いますが、いずれにいた
しましても、先にパイオニアの社員の方々500名程が退職をしておられるわけです。地元で再就
職先等を今後いろいろと探されなければならない。
また、一方において、非正規社員等はじめ他の企業等で離職を余儀なくされた方々がおよそ30
0名を超える数でいらっしゃるということです。そして今回のこの規模ですから、1,000名を
超える皆様方が失業を余儀なくされるという、そういう状況下にあります。
5万8000人弱の人口規模の出水市では、他の企業等に受け入れをお願いするにしてもこれだ
けの人数の皆さん方を受け入れるということはなかなか困難というよりも不可能に近い状況です
から、新幹線等が開通をしまして鹿児島市あるいは熊本県等が非常に時間的に短縮されていますか
ら、そういった意味では広範囲にわたった再就職活動、就職先をいろいろと探さなければならない
と考えております。出水市としましても全面的に、積極的に、そして迅速なる対応をしていかなけ
ればならないと考えております。
昨日、早速、庁舎内で緊急の対策会議を開きまして、今後の対応策等について、当面の課題につ
いて協議をさせていただきました。3月18日に早速浜松町の本社に出かけまして、こちらの要望
等をしっかりとお伝えしてきたいと思っています。また、「緊急経済雇用等対策会議」という会議
を立ち上げまして、県や商工会議所、鶴の町商工会、あるいはJAも入っていただき、ハローワー
ク等にご協力いただきまして、関係機関、団体の皆さん方と今後のことについていろいろと協議を
していきたいと思っております。
パイオニアの際にも申し上げましたが、離職を余儀なくされる、あるいは将来が安定しない、不
安を抱えて生活される市民の皆さん方の心情を思いますと、私ども非常に切なる思いがするわけで
す。
また、そういった方々がどのようなお気持ちで生活をしていかれるかということを思いますと、
私自身もそういった立場に立ったことを想定しますと、大変厳しいものがあり、将来に対して不安
なものをお感じになるだろうと思っています。したがって、私どもとしては、精神的な面でもある
いは実際経済的な面においてもいろいろな支援策等を講じて、できる限りの支援をしていかなけれ
ばならないと思っています。
パイオニアのときに、あるいはまたその後の世界的な経済不況に伴っての自動車関連あるいはI
C関係、家電関係、精密機械等々の企業が大きく影響を受けて離職をされておられる方々のために
相談窓口も設置しておりましたが、その相談窓口、パイオニアの方は別に企画政策課内に設けてお
りましたけれども、こちらの方も一元化して商工観光課内に「緊急生活支援相談所」としてNEC
の皆様方も、パイオニアの皆様方も、そしてその他の企業を離職された方々もすべて含めて、この
「緊急生活支援相談所」で窓口を一元化して、ここですべての相談を受けるという体制にしたとこ
ろです。皆さん方もその辺は十分にお含みおきいただきたいと思っています。また、市民の方々か
らそういう関係者の、あるいはご家族のいろいろな相談等お尋ねがあった場合は、丁寧にそして皆
様方がわかりやすく、それぞれが全体の流れというものをしっかりと掌握していただきたいと思い
ます。
特に一昨日来のことにつきましては、新聞でも詳細に記事として掲載をしてありますから、そう
いったものを一通りお目通しいただいて、会社の関係の方々がどういう思いでいらっしゃるのか、
そういうことも含めてご承知おきをいただきたいと考えています。
○
行政改革の意義をしっかりと把握して。
これは、近い将来、税収の面におきましても出水市には相当大きな打撃があると思っています。
したがいまして、現在進めている行政改革、今、保育園等含めて公の施設の管理運営の見直しをし、
指定管理者制度を導入したり、あるいはまた保育園等にありましては民営化、敬老園の民営化、そ
ういったものを計画し、実施に移そうとしています。特に今回は、敬老園、大久保・江内保育園の
民営化、そしてまたその移譲先等を議会にお諮りをしているところですが、議会の中でこれに反対
をしようとしていろいろと運動をしておられる議員の方々もあるということで、この実情とこれか
ら先のことについてどの程度正確に認識をされているのか、私自身、大変疑問に思わざるを得ない
わけですが、自己中心、自分の立場だけを考えての大変狭い知慮での行動ではないかと残念に思っ
ています。
やはり安定的な将来に向けて財政基盤も含め、行政基盤そのものを安定的に将来確立していける
ように、今何をなすべきかということを皆で知恵を絞って改革を進めているところです。
当然、これまでやってきたことを改めるということは、既得権を持った人たちにとっては痛みを
伴うことですから、そこは十分丁寧な説明をし、理解をいただかねばならないと思っています。そ
ういうことから、皆さん方もこの行政改革、なぜ行政改革をしなければならないかと、その根本の
ところをしっかりとご認識をしていただきたいと思っています。そうでなければ相手方の論法につ
い巻き込まれてしまう、そういうことにもつながりかねないと思っていますから、この行政改革の
必要性、なぜこの施設をそうしなければならないのかということについては、いま一度皆さん方が
その意義をわきまえていただきたいと思います。
○
定額給付金について
それから、定額給付金です。関連法案が成立しまして、いよいよ支給ができる状態が整いました。
できるだけ早く私どもとしても市民の皆さん方に支給できるような体制を急いで行きたいと思っ
ています。
長島町が昨日早速、県内で一番先に通知の発送をするということで大きくニュースで取り上げら
れていました。こういうものは一番先にやることに意義があるんです。長島町の川添町長、かねて
から積極的にいろんなことに取り組んでおられますけれども、人口規模等によりますが、長島町よ
り少ない規模の町村もある中で長島町が先頭を切ってその事務作業をされたということは敬服す
るところです。
出水市もあまり遅れないように関係課の方でいろいろ準備をしていただいていますから、やがて
そういった発送等につながってくると思いますが、ただ窓口でいろいろと問題が発生するのではな
いかというような心配もしております。大方はスムーズに行くと思いますが、全体の数パーセント
はいろいろと確認等が非常に難しいご家庭等もあるのではないかというようなことで、そういった
ところをどういうように適切に適正に支給をしていくかということ等、口座振込みを原則としてい
るようですが、その口座というものが本人のものかどうかを含めてその辺の確認というのが非常に
厳しいものがあるのではないかと考えていまして、業務に携わっていただきます職員の皆さん方、
あるいはまた多くの臨時職員にお願いをして対応していただかなければならないと思いますが、そ
ういった作業等を現実に進める際にいろいろ問題も出てくるのではないかと心配していますから、
できるだけそういった問題等が発生しないように慎重にかつ迅速にということで二律背反するよ
うなものを同時に成し遂げなければならないということで大変厳しいことでありますけれどもそ
の辺はしっかりとお願いをしたいと思います。
また、わからない点は、皆で協議をしながら、どうしたら良いかということでお互いに相談をし
ながら進めていきたいと思っていますので、この定額給付金の支給につきましても遺漏が無いよう
によろしくお願いをしたいと思っています。