検査のQualityは、アレルゲン原料のQuality - Phadia

進化する
アレルギー検査
検査のQualityは、
アレルゲン原料のQuality
アレルゲンというとスギ花粉やダニなどを連想しますが、実際にIgE抗体と
反応しているのは、スギ花粉やダニを構成している種々の蛋白です。それら個々
の蛋白をアレルゲンコンポーネントといいます。近年、遺伝子工学の進歩により、
数々のアレルゲンコンポーネントが同定され、一部が臨床の場に利用されつつ
あります。アレル ゲンコンポーネントに 対 するIgE抗 体を測 定 することを
Component Resolved Diagnostics(CRD)と呼んでいます。従来のアレル
ゲン抽出物を用いた特異的IgE検査に比べ、1)臨床的感度または特異度の
改善、2)交差性の範囲の限定、3)特定疾患の診断、4)減感作療法適応例の
選別に利用可能などの特徴があります。
代表的なアレルゲンコンポーネントを表1に示します。例えば、LTP※(Pru p 3
など)、Tri a 19、Ara h 2などは、関連する食物の摂取後に比較的重篤な症状
を引き起こす患者さんが感作されます。今後は、さまざまなアレルゲンコンポー
ネントの臨床意義が明らかになり、日常検査として活用されるようになると期待
されています。さらに、多数のアレルゲンコンポーネントを網羅的に測定する
試薬も開発されつつあります。
どのようなアレルゲンによって症状が引き起こされるのかを知ることは、先生方や患者さんにとって
アレルギー関連の疾患に対する治療の第一歩です。その重要な方法の1つが特異的IgE検査です。
特異的IgE検査は、採取した血液とアレルゲンを結合させ血中IgE抗体価を測定します。
したがって
検査の高いクオリティを保証するためには検査のシステムと同様に、その素材である高品質なアレルゲン
原料を確保すること、そしてそのクオリティを常に維持することが必要です。つまり、検査のクオリティは
アレルゲン原料のクオリティでもあると言えるのです。しかし、アレルゲン原料の多くは自然界から採取
するので、その品質管理を含め取り扱いには高度なノウハウが求められます。
これらのアレルゲン原料を高い品質に保つため、ファディアではアレルゲン原料を調達・製造する
ための専門の会社を有し、世界各地でアレルゲン原料を採取しています。たとえば、スギやヒノキなど
日本で需要の高いアレルゲンの場合、日本で花粉採取から品質管理までを行い、その後スウェーデンに
輸送し、製造、厳重な製品管理を行っています。クオリティへの要求水準は高く、過去には採取した
すべてのスギ花粉を廃棄したこともあります。
すべては、アレルギー性疾患の的確な診断・治療、患者さんのQOL向上のために、ファディアは日々
力を注いでいます。
※Lipid Transfer Protein:重篤な症状を起こす桃のアレルゲンとして最初に同定されたアレルゲンコンポーネント
主なアレルゲンコンポーネント
感度/特異度の改善
Gly m 4、Ara h 2、Tri a 19
交差性
Bet v 1、Bet v 2、Hev b 5、Hev b 6、Phl p 7、Pru p 3
特定疾患の診断
Tri a 19(WDEIA*)
、Asp f 4・Asp f 6(ABPA**)
減感作療法の適応
Bet v 1、Bet v 2、Phl p 7
① 日本の厳選した地域
から、花 芽のついた
スギの枝を伐 採し、
花粉を採取。
日本での
アレルゲン原料の
採取と品質管理
表1 代表的なアレルゲンコンポーネント
② 採取後の厳重な品質
管理。
スギ
*WDEIA:小麦の食物依存運動誘発アナフィラキシー **ABPA:アレルギー性肺アスペルギルス症
アレル ギー診 断 の 未 来 へ
日本ではすでにCRDを日常検査で利用!
■ その鼻炎、アレルギーかも?
われわれは、以前から卵白のアレルゲンコンポーネントに着目し、これらコン
ポーネントによる卵アレルギー診断の研究に取り組んできました。
卵白では、オボアルブミン、オボムコイド、
リゾチーム、オボトランスフェリンなどの
アレルゲンコンポーネントが知られています。中でもオボムコイドは、他のコンポー
ネントよりも比較的加熱や消化酵素の影響を受けにくい蛋白です。ゆで卵白による
食物負荷試験結果と各コンポーネントの特異的IgE検査結果を比較した研究では、
オボムコイドが最もゆで卵白のアレルギー診断に有用でした(図1)
。現在では、
オボムコイドの特異的IgE検査を加熱卵アレルギーの診断に利用しています。
図1
ゆで卵白負荷試験に対する各種
卵 白コンポーネント特 異 的IgE
検査の比較(ROC分析)
藤田保健衛生大学坂文種報德會病院
小児科
教授 宇理須
厚雄先生
ROC曲線が左上にあるほど、その検査
結果が臨床診断に合致する確率が高い。
図ではゆで卵白負荷試験結果に対して、
卵白(EW)
、オボアルブミン(OA)および
オボムコイド(OM)に対する特異的IgE
検査および総IgE(tot IgE)を比較した。
OMのROC曲線が最も左上に位置し、
OMが加熱卵アレルギーの診断に有用
となることがわかる。
Valenta R et al;Clin Exp Allergy 29:896, 1999
Breiteneder H et al;J Allergy Clin Immunol 106:27, 2000
Aalberse RC et al;Allergy 56:478, 2001
Ando H, Urisu A et al;J Allergy Clin Immunol 122:583, 2008
カモガヤ
─季節によって原因はさまざま─
ハルガヤ、カモガヤ、オオアワガエリ、ギョウギシバなどは代表的なイネ科植物で、多くが外来種です。
荒地、河川敷、道端、路線端でよくみられ、晩春から秋にかけて飛散します。アレルギー性鼻炎の原因
として、スギ、ヒノキに次いで頻度が高く、イネ科花粉症の患者さんの中には、イネ科植物が繁茂して
いるところで、アナフィラキシーショックなどの重篤な症状を引き起こした症例が報告されています。また、
スギ、ヒノキ以外にも3∼5月に飛散する樹木に、ハンノキ属(ハンノキ)、カバノキ属(シラカンバ)、
コナラ属(クヌギ、コナラ、カシなど)、ハシバミ属(ハシバミ)、クマシデ属(クマシデ)があります。
このようにスギやヒノキの花粉飛散が終了した後でも、鼻炎の原因となる植物の花粉が飛散して
いるので注意が必要です。
ファディアは社会貢献に取り組んでいます
ファディアは、社 会 貢 献とアレルギー啓 発 の 一 環として、NPO法 人「アレルギー支 援
ネットワーク」
(http://www.alle-net.com/)と協働し、保育園・幼稚園・小学校・病院などの
施設を対象に、絵本『ピーナッツアレルギーのさあちゃん』を寄贈しました。この絵本は、主人公の
“さあちゃん”
が、周囲の人たちにアレルギーを知ってもらい、アレルギーと向きあって成長して
いこうとする姿を描いた作品で、小さなお子様にも手にとっていただけるよう、暖かい色彩の
ちぎり絵で描かれています。
ファディアでは、今後も継続的に社会貢献活動を続け、アレルギーに対する理解を深めて
いただけるようさまざまな取り組みを行って参ります。
作者/栗田洋子さん
ファディア社発行 ALLAZiN Springより