31P-0471

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ショウガ科植物 Kaempferia parviflora 根茎のキサンチンオキシダーゼ阻害作用
中尾 紀久世 2 ,
◯村田 和也 1 ,出口 貴浩 1 ,伊藤 仁久 1 ,松田 秀秋 1 ,
吉岡 百合 4 ,
松村 晋一 4 ,
田中 里佳 5 ,
新谷 卓弘 2 ,藤田 貴則 3 ,東野 正行 3 ,
6 1
近畿大薬,2 近畿大東医研,3 日本タブレット,4 稲畑香料,
品田 哲郎 6 ,大船 泰史(
5
大市大院工,6 大市大院理)
【目的】ショウガ科植物 Kaempferia parviflora の根茎(KP)は内部が黒く,その形
態が鬱金と類似することから,“クロウコン”とも称され,タイでは民族薬物として
様々な疾患の治療や強壮効果を期待して用いられている.今回,その新規機能性
の探索研究として,高尿酸血症抑制の指標とされるキサンチンオキシダーゼ
(XOD)阻害活性を検討した.
【方法】1.被検体;被検体はタイ産の乾燥 KP から 70% メタノール抽出エキス
(KP-ext)を調製し,被検体に供した.比較対照生薬には市販品の鬱金,莪朮,生
姜を用い,同様にエキスを調製した.2.XOD 阻害活性;被検溶液および基質溶液
に XOD を加え 25°C で 3 分間反応させ,1 N 塩酸を添加して反応を停止した.反
応液を高速液体クロマトグラフィー分析に供して尿酸を定量し,コントロールに
対する酵素阻害率(%)を算出した.
【結果・考察】KP-ext はショウガ科植物(鬱金,莪朮,生姜)エキスと比較して
強い XOD 阻害活性を示した.KP-ext の有効成分の探索を目的として HP-20 カラム
クロマトグラフィーによる粗分画を作製したところ,メタノール分画部に強い阻
害活性が見られた.この分画部から各種クロマトグラフィーにより 10 種のメトキ
シフラボン類を単離し,これらの構造を X 線結晶構造解析により決定した.メト
キシフラボン類の XOD 阻害活性を検討したところ,3',4',5,7- tetramethoxyflavone
および 3,5,7,4',5'-pentamethoxyflavone が有効成分の一部であることを明らかにした.
さらにこれら 2 成分について XOD に対する阻害様式を検討した結果,反競合阻害
であることが判明した.KP-ext の in vivo における血清尿酸値低下作用については,
現在検討中である.