近 代 詩 文 書 最 優 秀 作 品 (11月15日締切分) - 書作

林 嘉子 推選
たっぷり墨を含ん
だ鋒があざやかに
開閉して線の細太、
潤渇を作り、白と
のコントラストと
奥行きを作って立
体感を見せる。美
しい墨色は果てし
ない余情をさそう。
塩野 大無 推選
清々しさ、潔さが
感じられる線条で
あるが、その中に
心が見える。出だ
し「なに」
「待たる
るここち」等、特
に「夕月夜」では
さやけき「月」と
情緒ある「夜」に
惹かれる。
織田 智江 推選
一見、何気なく自
然な調子で書かれ
ているようだが、
深く沈んだ筆、一
気に引いたかに見
える細い線にも冴
えと変化がある。
鍛錬された奥深い
力を感ずる作品。
近藤 惠子 推選
平がなが多く、漢
字は画数の少なめ
な六字を素材とし
て、参考作と共通
のムードで暖かみ
のある安定した作
として鑑賞できる
と思われた。
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(11月15日締切分)
品
作
秀
優
最
書
文
詩
代
近
土井真澄先生選評
青栁 公子 推選
一行の文字数を減
らし、自然な筆運
びの中で縦長の字
形を伸びやかに表
現しています。筆
圧の変化も自然で
無理が無く、気脈
も貫通して清澄な
快作です。
石井 幸枝 推選
字粒の大きさを押
さえ、配字にゆと
りを持たせて白を
浮き立たせており、
墨継ぎの自然な流
れも作品効果を高
めています。伸び
やかさがもう一つ
か?
山橋 薫海 推選
濃墨でしっかり墨
が入った重量感の
ある作品です。や
や喪乱帖の字形か
らは逸脱した形も
見受けられますが、
着実な運筆がそれ
を補って余りある
作です。
加藤 幸代 推選
掛け声が聞こえて
来そうなダイナミ
ックな書き振りが、
紙面いっぱいに溢
れています。筆の
開閉もしっかりし
ており、迫り来る
抑揚のリズムが見
事です。
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(11月15日締切分)
品
作
秀
優
最
幅
条
字
漢
佐藤帯雪先生選評
田村恵子先生選評
久保田淳子先生選評
岸上 澄子 推選
文字の大小を巧み
に配して、流れる
仮名の線が優雅で
黒白の墨の世界に
色を感じさせる。
行の響き合いも美
しく紙面に広がり
を見せて見事な作
品です。
松本美代子 推選
先ず「木犀」でど
っしりと構え其の
後仮名と漢字を柔
らかく流し乍ら一
行目に重点を置き、
それを支える様に
目立ち過ぎずに二
行目を副えた所が
とても瀟洒な作品
です。
神谷千恵子七段 玉水美智子五段
線がリズミカル 少々墨量多めで
で古筆の雰囲気 すが潤渇の変化
を捉えて居る。 が巧みで奥行き
前半はやや単調 ある作品。丁寧
ですが、後半で な臨書で、小さ
美しくしめくく めな字形でまと
り清々しい作品。 めてあるが、特
墨色も上品で優 徴ある連綿をつ
かんでほしい。
美。
斎藤教子 師範 高野由紀子師範 柿内節子 師範
斎宮集の特徴で 大らかな雰囲気 細部に気を遣い
ある涼しげな、 で統一され、長 丁寧に臨書され
そして弾力ある く続く連綿線も た姿が浮かぶ。
曲線をよく会得 ソフトで美しい。 端正な文字に忠
して仕上げられ 全体気脈が通じ 実に書作された
た様子が窺える。 て居て、とぎれ 為か、潤渇の変
潤渇も自然で優 る所がない穏や 化が少し足りな
美な完成された かなリズムも感 いのが惜しい。
じられる。
作品。
青木倶子 準師
渇筆が美しくポ
イントになって
居る。深い線が
安定感を持って
続き、行間の響
き合いも爽やか
な作。連綿の嫋
やかな線が加わ
ると一層よい。
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(11月15日締切分)
か な 条 幅・ か な 半 紙 最 優 秀 作 品
金子芳彩 師範
木簡の風景を墨
の濃淡、潤渇を
巧みに用いて表
現している。軽
快なリズムで運
筆されながら運
腕の大きいダイ
ナミックな存在
感が秀逸。
大島龍仙 五段 川西麻紀 四段
奔放に筆を運ん 臨書として法帖
で空間を奔走す に真摯に向きあ
る面白さ、自由 った作品として
自在の面白さを 評価したい。運
表現した作品と 腕も大きく、空
して評価したい。 間を調和よく創
落款、雅印の位 作した優れた作
置、センスがあ 品として評価し
り優れた作品。 たい。
有馬紀代子師範
墨量豊かに運筆
され、調和のと
れた完成度の高
い作品としてい
る。転折が角ば
らず滑らかで木
簡の特徴をよく
表現した佳作で
ある。
原 静蘭 師範
力強い運筆で一
気呵成に書かれ
たと思われる、
迫力に充ちた作
品。線の隅々ま
でその気迫が漲
っていて、緊張
感のある快作で
ある。
金森桂雪 準師
柔軟な筆の俯仰
で、変化のある
線を創作してい
る。作品に遠近
感を与えて、奥
行きのある重厚
な作品に仕上げ
ている見事な技
巧を見る。
吹原春華 準六
穏やかな線描で
表現したこの作
品に顔真卿の臨
書の一面もある
のだと、この作
品に顔真卿の優
雅さを感じ、新
しい一面を見た
作品である。
三木美枝子師範 宍倉公子 準八 長田桃花 準八
顔真卿の温かく 顔法に真摯に対 慎重に法帖に対
柔らかく力強い 峙する姿勢に好 して臨書してい
線描をよく表現 感を持つ。雄大 る姿勢が伺える。
して秀れている。 で繊細な顔法は しかし表現に際
破法、横画が顔 学習する者にと しては、伸びや
法を正確に表現 ってその限界が かに個性を発揮
して秀れた臨書 ない程奥深い。 してよいのでは
力を駆使した作 今後共その姿勢 ないかと思われ
を貫いて欲しい。 る。
品。
石澤玲子 準七 二宮緑風 準七
運腕の大きいダ 柔軟で力強い線
イナミックな作 描が魅力的であ
風に好感を持つ。 る。重厚ながら
筆圧の強さ、浮 リズム感のある
沈の柔軟さが随 運筆によって創
所に表現された、 り出される線描
秀れた作品とし としてその優れ
て評価をしたい。 た技法を高く評
価したい。
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(11月15日締切分)
品
作
秀
優
最
紙
半
字
漢
花村林香先生選評