水稲管理情報 1.生 育 概 平 成 2 5 年 6 月 七 尾 鹿 島 営 農 推 進 協 議 会 羽 咋 郡 市 営 農 推 進 協 議 会 J A 能 登 わ か ば 中干し編 況 育苗期間が低温で推移したことから苗は根張りが劣り、また、田植え以降の低温と風により植え傷みが散見されました が、5 月中旬以降の好天により生育は回復傾向です。 現在、分げつが始まっていますが、活着条件や初期の水管理により、分げつの発生に圃場間差が目立ちます。 今後は、下記に基づき、①「適正な中干しの実施」と、②「水田周辺の除草」に努めましょう。 【生育調査結果(5月17日現在)】 品 種 調 査 場 所 田植日 草 本年 丈 (㎝) 株当たり茎数(本/株) 前年% 平年% 本年 前年% 平年% 葉 本年 齢 (枚) 前年% 平年% 羽咋市立開 4 月 30 日 18.7 84% 98% 4.0 96% 87% 4.3 90% 87% 志賀町福野 5月5日 22.5 121% 123% 4.0 103% 97% 4.1 104% 94% 志賀町八幡座主 5月3日 19.8 118% 115% 4.0 100% 99% 4.3 105% 102% 中能登町小竹 5月5日 20.5 120% 109% 4.0 94% 96% 4.0 96% 93% 七尾市中島町河崎 5月2日 17.2 109% 97% 4.1 103% 102% 4.0 94% 96% 5月3日 19.7 109% 108% 4.0 99% 96% 4.1 97% 94% 志賀町福野 5月6日 14.5 75% 90% 4.0 104% 100% 4.5 112% 110% 宝達志水町小川 5月1日 16.9 80% 91% 4.0 98% 94% 5.1 94% 102% ゆ め み づ ほ 七尾市中島町河崎 5 月 7 日 11.8 79% 90% 4.2 106% 105% 4.3 104% 103% 5月1日 17.6 89% 112% 4.0 91% 99% 4.9 122% 120% 均 5月4日 15.2 81% 96% 4.0 99% 99% 4.7 107% 108% ほ ほ ほ の 穂 羽咋市立開 ハ ナ エ チ ゼ ン 中能登町尾崎 5月2日 17.2 114% 96% 4.2 111% 102% 3.7 81% 82% 5月2日 19.0 108% 98% 3.9 99% 86% 5.0 105% 100% コシヒカリ 平 均 七尾市中島町新庄 平 〔今回のポイント ● ● ● ● ● ● その①〕 ● ● ● ● ● ● 《田植え後1ヶ月たったら、中干し開始で乳白粒の発生抑制!! 》 中干しが遅れたり不徹底となると、未熟粒の原因となる遅発弱小分げつを増加させ、また登熟期間の養水分吸収に必要 な根域の確保も不十分となり、結果的に乳白粒や屑米の発生を助長し、品質・収量の低下を招きます。 本年は、 『中干し』の必要性を再認識し、遅れずに実施することで、中能登産米のさらなる品質向上を目指しましょう!! 中干しの効果・意味 ●遅発分げつの発生を抑制し、過繁茂を防ぐ 適正な総籾数により乳白粒発生の抑制 ●節間伸長を抑制し、倒伏を防止する 倒伏による未熟粒・乳白粒発生の抑制 ●根に充分な酸素を供給し、根張りを良くする 登熟期間に効率的な養分吸収が可能となり登熟向上 整粒歩合向上による収量安定 ●地耐力を向上(土が締まる)させ、収穫作業を容易にする コンバインがはまりにくく作業性向上 刈取り間際まで通水可能 品 質 向 上 理想的な株(茎数14本/株) 2.当面の管理 (1)中干し開始までの水管理 ① 浅水管理で早期の分げつ発生促進 早期に有効茎(充実した穂となる茎)を確保し、適切な中干しの実施に繋げる ② 中干し前から軽い田干しを行い、中干しの開始に備える 田干し:土の表面が乾かない程度で通排水を実施する干し方 (2) 中干し、溝切りの実施 本年は、活着条件や初期の水管理により、分げつの発生に圃場間差が目立 ちます。そのため、圃場ごとに中干し開始適期を確実に把握し、的確 に実施してください。 分げつ過剰 ① 中干し開始の目安 品 種 コシヒカリ 早 生 品 種 (根拠) 開 始 時 期 1株あたり茎数 平年 13本 15本 目標穂数 コシ 21 本 早生 24 本 終 了 時 期 開 始 時 期 判 断 の 注 意 点 6/6頃 7/10頃 6/8頃 6/30頃 ①目標穂数の 70%に達した時期、もしくは、 幼穂形成期 ②田植え後 1 ヶ月の、いずれか早い方にあわせて実施してください。 中干し開始は、 ● の 70%時点 ● ● ● ● ● ● ※ 早生品種や晩植コシは、初期茎数がとれやすいので、中干し開始が遅れないように注意! ② 中干しの程度 程 度 と 方 法 開始時期と継続期間 (平年の目安) 一般田 田面に小ヒビが入り、 軽く 足跡がつく程度 ※前ページのとおり 高地力田・湿田・生育過剰田 強め(指の入る亀裂まで) 一般田よりやや早めに開始し、や や遅めに終了する 圃 場 条 件 漏水田・砂質田・用水不足地域 田干し程度 留 意 点 ※葉色が濃い場合、遅発分 げつが止まらない場合は、 期間いっぱい中干しと通水 を繰り返す 一般田と同様 ③ 溝切り作業 ・10条に1本の割合で溝を切る(目安) ・落水1~2日後に溝を切り、6月中旬に同じところを切り直す ・効果 ⇒ 均一な中干しの実施、中干し以降の通水・排水作業の効率化 (3) 葉いもち、白葉枯病の予防 ① 放 置 苗 の 処 分 : 補植苗の本田放置は、葉いもちの発生源となるので、早急に圃場から取り除き処分する ② 予防粒剤の散布 : 田植時に「Dr.オリゼスタークル箱粒剤」等を使用できなかった場合は、以下の予防粒剤を散布する 対象病害虫名 葉いもち 白葉枯病 薬 剤 名 散 オリゼメート1キロ粒剤 布 時 期 散 6月15~20日 布 量 1㎏/10a 備 考 コシヒカリ、ほほほの穂、ゆめみづほ、もち品種 (注)常発地では必ず散布 (4) 中間追肥の施用 「BB 新コシ一発くん特号」等の基肥一発肥料を使用した場合は、カリ、リン酸が不足しているので必ず施用する 肥 料 名 施 用 時 期 BB 大地パワー 施 用 量 効 果 稲体が強固になり、病害虫の抵抗性が向上 リン酸が初期分げつ発生を促進 根張りが良くなり、乳白粒・未熟粒・褐色粒の発生を防止 40~80 kg/10a 6月中旬 ※但し、秋耕又は春耕の際に施用した場合必要ありません。 (5) 後期除草剤の使用 対 象 雑 草 名 除 ヒエ 草 剤 名 散 布 量 ヒエクリーン1キロ粒剤 1kg/10a バサグラン粒剤 3~4kg/10a サンパンチ1キロ粒剤 1kg/10a 広葉雑草(マツバイ、ホタルイ、 ウリカワ、オモダカ、ミズカヤ ツリ 等) ヒエ、広葉雑草 留 意 点 湛水散布(4日間止め水) 移植後15~45日(ヒエ4葉まで) 落水して散布 移植後15~50日(収穫60日前まで) 湛水散布(4日間止め水) 移植後15日~ヒエ3.5葉(収穫60日前まで) (6) 初期害虫の防除 対象病害虫名 イネドロオイムシ 薬 剤 名 散 布 の 目 安 6 月初旬 : 1株当り1卵塊以上 6 月中旬 : 20%の葉が食害 トレボン粉剤 DL 〔今回のポイント 散 布 時 期 散 幼虫多発時(6 月中旬頃) 布 量 3~4kg/10a その②〕 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 《水田周辺の除草を徹底し、斑点米カメムシ根絶!! 》 斑点米カメムシ類による品質低下が、中能登産地域にとっては大きな問題となっています。今の時期から雑草地の除草 を徹底し、カメムシの生息場所をなくしておくことが重要です。 (8) 畦畔、農道等の除草 重要!! ポイント1 斑点米カメムシの生息数を減らすため、6月中に圃場周辺の草刈を徹底する ポイント2 7月上旬に仕上げの除草を実施する ポイント3 7月 10 日以降は除草しない (7月 10 日以降の除草は、逆にカメムシをほ場に追いやることになる。やむを得ず防除する際は、仕上げ防除直後に実施。) 【農薬の適正な使用について】 ラベルに記述してある使用方法以外の使い方をすると法律で罰せられます。安心・安全な農産物を提供するという気概を持ち、使用方法は厳守して下さい。
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