電気・電子の基礎知識 第162回 負帰還増幅回路4 <負帰還増幅回路2> <周波数特性> ここでは、第160回資料で扱った回路160-2-1において負帰還を掛ける前後で周波数特性がどの様に変化するのか について見ていきます。 [dB] 回路162-1 (回路160-2-1) 負帰還無し 負帰還あり 回路162-2 (回路160-2-2) <負帰還無し> 最大利得:67[dB](2238倍) 低域カットオフ周波数fL:76[Hz] 高域カットオフ周波数fH:86[kHz] 帯域幅:86[kHz] GB積:2238×86k=192M <負帰還あり> 最大利得:40[dB] (100倍) 低域カットオフ周波数fL:34[Hz] 高域カットオフ周波数fH:1.97[MHz] 帯域幅:1.97[MHz] GB積:100×1.97M=197M [Hz] グラフ162-1は、負帰還を掛けていない場合(回路162-1)と掛けている場合(回路162-2)の周波数特性です。 このグラフを見ると、負帰還を掛けると帯域幅が広くなる事が分かります。そして、両方の場合のGB積(最大利得×帯域幅) の値がほぼ等しくなっている事が分かります。 この事は、負帰還を掛けた時の利得が小さいほど帯域幅が広くなる事を表しています。 グラフ162-1 <歪み率・雑音特性> 増幅回路の歪み率(回路の内部で発生する信号波形の歪み)と雑音特性(出力に現れる雑音の量)は、負帰還の量を多くする ほど改善されます。 高忠実度の増幅回路では、裸利得を非常に大きくして、そのほとんどを負帰還にまわす事で超低歪み率を実現しています。 回路の各部の電流と電位は以下のようになっています。 出力信号の最大振幅を大きくとれるようにする目的で2段目の回路にPNPトランジスタを使用しています。 回路図の作成には Circuit Viewer を使用しました。 (C)2014 年 1 月 OKA 工学院 (無断転載禁止)
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