高山牧師の講演 私はこの岡山の地元で約15年程カルトの問題に拘わっております。救出 相談は統一教会が一番多く、今までに約150人程を救出しております。 その他に、エホバの証人や摂理という団体にも拘わりを持っています。年 間10人程をカルトから救出している計算になります。 私の救出のピークはやはり、あの92年の合同結婚式の時と、95年の オウム事件の頃ですね。当時はカウンセラーや牧師に対して激しい妨害が ありました。岡山では95年の8月24日、金属バット事件というのがあ りました。8月の合同結婚式を前に二人の女性を連れ戻そうとした統一教 会員がマンションに押しかけてきまして、金属バットでドアを叩き、チェ ーンをぶち切り、中の男性を引きづり出したという事件ですね、これは有 罪判決になっております。また私どものキリスト教会に彼らが度々押しか けてきました。求道者のような格好をして礼拝に紛れ込んだり、教会の周 りを張り込んだり。無言電話、ビラをまいたり、いやがらせをしたり、も う本当にたくさんな妨害を受けました。今は少し静まっておりますが、そ のような中で活動をしてきました。 私の救出活動の第1期は、地元の青年部の救出が多かったです。以前は 芋づる式に辞めていきました。リハビリの為に皆教会に集まってきて、そ こで聖書研究会をしました。この救出活動は、牧師としては教会成長にな りました。20名程の教会が70名程集まる教会になりました。私は、今 はその教会を離れて別の教会におるわけですが、第1期はそういうことで 青年達の救出が多かったです。 第2期は海外宣教に派遣されて行く婦人たち。既成祝福の夫からの相談 が多かったです。 そして第3期といいますか、最近は2年程前から大学の原理研究会メン バーの救出がほとんどです。最近一年程で約10人くらいの学生を救出し ております。 今日は限られた時間で4っの事をお話したいと思いますが。まず第1は、 清平の霊界摂理ですね。清平摂理というものはどういうものか。第2は、 主に学生を対象にした救出方法として保護説得をしない救出というものは どこまで可能なのか。第3は、統一教会の分派。そして第4は、インター ネットの時代ホームページを活用して多くの相談・救出・リハビリが始ま っております。これらのことを順に話してみたいと思います。 それではまず第1に、清平の摂理について。先祖解怨式と霊界の修練会 というものですが、統一協会は先祖の因縁ということで家系図をとり、強 制的に脅しをかけて、多くの人からお金を巻き上げてきました。しかし近 年そういう壺・多宝塔の物品が売ることができないような状況になって、 その後何を始めたかといいますと、95年から始まっている清平摂理なん ですね。これは先祖解怨式の必要を語った文氏の指示によって99年2月 12日から10月10日迄、直系先祖解怨式が清平の天宙修練苑で行なわ れました。まあそこから始まっていくわけです。具体的には、まず1代か ら7代までの先祖解怨式をします。これは、地上人が一定の信仰条件をた てます、21日間の50回の拝礼と朝食断食、そして献金数70数ですが、 これは70万円の献金ですね。この条件をたてた人は先祖解怨式に行くこ とができるわけです。清平に行きますと、そこで大母様が天使と絶対善霊 を動員して、その先祖を探して連れて来てくれるわけです。そしてその先 祖は地上人の体の中にいることもあれば、霊界に行ってる者もいるし、幽 霊になって漂ってる者もいるということです。大母様に連れてこられた先 祖たちは、解怨式の間地上にいる子孫と会い、そしてその後、光の道に乗 って天上に上って行くのだそうです。そして天上の修練所で100日間の 修練会を受けるのだそうです。興進様や大母様の講義を受けた霊人は絶対 全霊に変わって地上に降りて来ます。そして地上に降りてきて、そこで霊 界祝福を受けるですが。ここでも140万円払わなければいけないのです。 最初70万いりますね。そして、ここでも140万いるわけですから、合 計210万いるわけです。そして祝福を受けた先祖はまた霊界で40日の 修練を受け、その後に子孫がご先祖様を迎えに行き、自宅にお連れする。 そうすると先祖が鶴の恩返しではないですけど、子孫の幸せを末永く見守 ってくれるという、こういうことになっているそうです。ありがたいこと ですね。 そして1代から120代までが終わると、更に180代迄は大母様がし てくださるいうことで、今現在、57代から63代あたりをやっていると のことです 。それに 、先祖解怨式と同時に先祖祝福式もやるわけですから、 この両方やらなければいけないのです。これが2010年の3月13日ま でやるということですから、統一協会の資金源は当分絶える事はないとい うことです。これが今の統一教会の一番資金源です。すごいことですね。 ここに先祖解怨祝福手帳というのがありますが、こういう形で先祖解怨式 というのはずっと続くということであります。 今日、第2番目は大学の原理研究会に入っているメンバーの救出につい てお話します。私は約2年ほど前に奈良大の男子生徒を3名救出しました。 これは近畿大学の原研が、奈良大を開拓していてやっと3名程のメンバー が出来たところを潰してしまったんです。その後に、岡山学舎を中心に地 元の学生たち10名程を救出しました。ここに岡山学舎の津倉荘入寮規則 というものがあるのですが、これを見ますと、学生はそこに入寮すると毎 月7万円を出します。そしてその7万円の中から、食費とか住居費とか水 道光熱費を払うという細かい規則があります。月7万の寮費のうち、内訳 は住居費が2万、食費が2万5千、その他水道光熱公共公益費などで2万 5千円です。岡山大学、岡山理大、商大、清心女子大、そのあたりが多い です。 それで、大学生の救出はどのようにするかということですが、まず本人 を自宅に帰ってもらいます。どうやってそんなに簡単に帰るんだというこ とが色々あると思いますが、細部に渡ってお話できませんが、とにかく自 宅に帰るのを気長に待ちます。そして本人の同意を得て、そこに通って行 くということですが、こういうことを言うと、なんだそんなことか。そん なことができるくらいなら誰も苦労しないよ。と思うかも知れませんが、 実際にここ2年間程それをやってみましたら、ほぼ全員がうまくいつたの ですね。一つのケースは、母親に 、「息子さんには私の名前は絶対に言わ ないでください」と言ってあったのに、その親は私を信用できないという ことで、子供に「お前は原理研究会に入っているのか。高山さんという人 から電話がかかってきよ」ということを、もろに言われまして。原研のメ ンバーに家の周りを3台位の車で、3日間位張り込まれてしまいそこに行 くことができませんでした。自宅ですよ。どうやってもそこに行くことが できないので、どうしたらいいか考えまして、本人と話をしたいから電話 口に出して欲しいと言いました。最初は出ないと言ってましたが、根気よ く出して欲しいということで電話でポツポツ話をしました。1日に3回位 電話を入れて、長い時には2時間位話ました。それを何日も気長にやった ら、会ってもいい、来てくれっていうことになって、行って話を始めたら もう崩れていました。話をしてる途中に原研の方から来ましたけど、彼は 逃げる様子もなく最後まで聞いてくれました。こういう方法もあるかなと 思ってます。電話で話をして本人がある程度揺らぐところまで待って、同 意を得て、会ってもいいという許可をもらってから行くという方法ですね。 可能だと思いますよ。いつも言われるのですが、私の救出の説得期間は、 短すぎるんです。大体2∼3日から1週間で終わります。4年やってた大 学生も2週間でした。それで大丈夫なのかと思いますが、先に辞めた人達 がいるので交わりをします。まあリハビリですが、そういう中でみんな元 気になっていくのですね。大切なことは何よりも早期発見です。軽症でな いと同意を得ての話し合いは難しいでしょう。ですから大学の先生方にも お願いするんですが、早期発見ができるならば、両親と本人とが接触が出 来て、話し合いも出来るということです。親は自分の子供を信じたいと思 うでしょうが、カルトの問題は信じるだけでは解決しないのです。カルト が何であるかを理解し、カウンセラーを信じて頂だいて、親がまずこの問 題を本気になって取り組んでくださるなら、学生の場合は殆どが救出出来 ると思います。 次に、学生をターゲットにしている分派「 摂理」についてお話致します。 MSとかJMSとか言われますが、現在では「摂理」という名前になって います。彼らの伝道方法は実に巧妙です。姿を見せません。サッカー、バ レーボール、コーラス、アカペラ、英会話、演劇、チアなどのサークル活 動で関係づけをして、高級マンションに誘ってお茶を飲みながら、聖書の 話をしていきます。今はもう「30講論」とは言ってませんが、統一協会 の原理講論を真似た教典をリーダーが持っていて、一つ一つの話をしてい き、最後の方で鄭明析という人物がメシアであるということを明かします。 ホームページを調べていたら「摂理」関連のものをいくつか発見しまし た。これはアカペラの方ですが、「和実音」といいます。それからこれは 劇団「実昨多」っていう。それから「セイラーズ」というのもあります。 これらはもどこを見てもこれが「摂理」だとかJMSだっていうにことは 全くわかりません。こういうところに、サークルというか、英語を習って るつもりだとか、劇団でそういうことをやってるつもりが、実は「摂理」 という団体に引き込まれていくという 、 こういう図式になってるわけです。 統一協会も実態を隠しますが、この「摂理」の方がもっと巧妙ですよ。当 の本人が自分たちの団体が何であるかを知らないのですから、教祖が誰で あるかということを知りません。「摂理」の教祖のセクハラ。これは本当 にすさまじいですよ。韓国では、ホームページにたくさん出ております。 私は今までに5人程のメンバーの救出に関わってきましたが、その中に教 祖からはセクハラを受けたという人がいました。子宮ガンの検診、乳がん の検診をするということで、いたずらをされてた人がいました。 「摂理」の教義内容は30講論に記されていますが、これは原理講論の ように日本語の印刷物にはなっていません。私が拘わった人や、知人から 提供された講義ノートがあり、それを纏めたものがあります。 それからこの頃では、統一教会の分派でたくさん出てきてますね、統一 教会の公式ホームページを見ますと、その中に、ウーグルーブと中山・張 グループには気を付けなさいというのがありますね。私は、10年程前に ウーグルーブが出始めた頃に一人のウーグルーブのメンバーと話し合いを したことがあります。彼女は、教祖との性的関係は教義的にあるのだと言 って、その事を認めていました。図を書いて説明してくれたのですが、彼 女は親の言うことを聞かず、家を出て行ってしまいました。そのため話し 合いは中断してしまいました。 統一教会員は、過酷な献金ノルマで疲れきっておりますから、ウーグル ーブの方が楽だということでそちらに流れてしまいます。ウーグループは 一般人にはあまり伝道しませんね。どこで伝道するかと言いますと、統一 教会員を引き抜くのです。ウ・グループは現在かなりの力を持っておりま す。 それから天地正教のことですが、ご存知のようにこの団体の初代会長は 川瀬カヨで、す。元々は「天運教」或いは「富士の会」という団体だった んですが、これを川瀬カヨが統一教会に入り、新谷静江が2代目会長とな りましたが、新谷があまり統一協会の言うことを聞かないので、新谷を追 い出し、3代目会長として松波孝之を送り込んだ。追い出された新谷静江 は統一協会から離れて、今は「富士の会」というのをやってますね、これ もホームページに出ております。4世代供養だというようなことを言って おりますが、統一協会のやり方に似ていますね。 最後はインターネットのお話を致します。「岡山は青春を返せ裁判を支 援する会」のホームページは事務局長の葛原さんが立派なものを何年も前 から立ち上げてくださっておりますが、裁判が終わりましたので現在は名 称を「カルト被害を考える会」として再出発しています。そのリンクの所 に私の牧会している岡山めぐみキリスト教会というのがあります。 私は、今は岡山めぐみキリスト教会という所におります。この教会の信 徒にコンピューターに強い人がおりまして、ホームページを立ち上げてく ださって、そこでカルト相談をしております。1年弱で1万4千件程カウ ントしております。大体一日に7、80件あります。色んな相談が来ます が、やっぱり一番多いのは統一教会ですね。エホバの証人や摂理や仏教系 カルトや、まあ聞いたことのないような名前がありますね。今日も出掛け に、こういう人物の本を母親が読んでいるんだけど調べて欲しいという依 頼がありましたが、私もあまり知らないものでしたので、ヤフーで検索し てみたら 、、ああ、こういう人物なんだということがわかりましたけど、 本当に色んな問い合わせが来ますので、幅広く勉強してないといけないな あと思います。もちろん一人の牧師が全部には対応できませんけど、色ん な問題で困ってる方がおられる。今まで私ども牧師は「命の電話相談」と かをしてましたけど、今はカルト問題で困っているという方の相談を受け ることが多くなってきました。メールには出来るだけ返事は書いて、対応 できるものには対応しております。ですから今では相談が全国区になっち ゃったんですね。北海道から九州から色んな所から来られます。 ホームページを立ち上げた時に妨害があるかなと思いましたがありませ んでした。内容をどこまで公開するのかということですが、私は、これか らの説得は特定の牧師の職人芸でその牧師しかできないというようなこと ではなくて、インターネットを見て気付いていくという、そういうふうに 出し惜しみをしなくてもいいのではないかと思い始めてます。でもこの部 分はどうしても出せないというものは、それぞれあると思います。極秘情 報として出せないものもあるでしょうが、情報提供というものは大切だと 思います。それから、これは大切なことですが救出カウンセラーの後継者 が育ってないですね。将来的には、カルト問題はそれぞれのカルトを脱会 した人達が中心になってやるべきだと思いますが、現状は、宗教家がやっ ていますね。特に統一協会問題は聖書と原理講論、それに社会心理学、カ ウンセリングができなければいけない。そのためには本気で後継者を育て ていかなきゃいけないと思いますよ。と同時に誰でもがやれるというよう にしなければいけないと思います。深く入り込む前に未然に防ぐためには 情報を提供することが大事です。書店に並んでる本を読むのには勇気がい るんですね 、先程二世の人が 、ぶち切れたから読めたって言いましたけど、 キレないで本屋さんに行ってそれを読むっていうのは非常に勇気がいるの です。でも今は若い人たちは殆どインターネットやりますからね。そうい う中で気づいてくれるために、情報の出し惜しみをしなくてもいいのでは ないかと思っています。 最後に最近の統一教会のことを少しお話致しますが、「霊界摂理」これ は笑っちゃいますね、霊界から色んな手紙が来るんですよ。釈迦や孔子や ソクラテスが皆、文さんに手紙を送ってくるのです。四大聖人の結婚式と いうものをご存じですか。文さんが四大聖人に生きている韓国人の女性を 妻として与えたと言う話です。ここに2002年の8月号ファミリーの7 7ページに載った写真があります。ここには名前が記されてませんが、私 には誰が誰の妻であるかがわかります。これが四大聖人の妻の顔ですが、 イエスキリストの妻は張貞順で 1971 年1月3日に結婚式をしています。 お釈迦様の妻はなんとあの二人お母様の崔元福です。孔子の妻は李京埈。 これは鮮文大学の総長です。マホメットの妻が李貞玉。ソクラテスの妻は なんと文さんの2番目の奥さんと言われる人で、正式には結婚しておりま せんが喜進の母、金明姫です。それから、四大聖人ではないが、アウグス チヌスの妻はアメリカの伝導した姜賢實です。統一協会の人はこんなこと を本気で信じてるんですかね。 それから皆さんも読まれてると思いますけど、霊界からの手紙です。イ エス様や神様すらも文さんに手紙を送ってくると言うのです。霊界からの 通信は、興進様と大母様、そして李相軒、金孝南長老、金英順たちが霊界 通信として送ってきますが、この金孝南と金英順という二人のおばさんが 張り合ってるそうです。それで、この金孝南長老についてですが、最近の 「祝福」という季刊誌に、こういうことが載っています。文鮮明の言葉で す。 「金孝南長老は固体ではありません 。興進君と大母様、忠母様、大兄様、 先生の直系の全ての家庭内容と真の御父母様家庭を教える内容を、この地 上に伝達しなければならない一つの中間媒介体の役事をするのです、金孝 南長老と言うときは必ず興進君大母様、忠母様、大母様、の家庭の代表だ と思わなければなりません。祝福家族を代表した一人の女性ではありませ ん。この人は先の直系のお兄さんと真の御父母様の代表として使っている ので、尊敬し侍べらなければなりません。わかりますか、軽はずみな言動 をしてはなりません 。」 統一教会は使えるものなら何でも使いますね。柳寛順を使いました。内 村鑑三を使いました 。ノストラダムスを使いました。今は霊界からの手紙、 これは誰か書いてるのでしょうが、聖書はそういうことを一切禁じてるわ けですね。申命記の18章や 、他にもたくさんありますが 、霊媒、口よせ、 占い、そういうものを一切禁じているのに神様が嫌われる霊媒師を使って いるのです。そういうものを文さんは利用してる。これは以前ブラック興 進の時にやりましたね。ブラック興進はアフリカのジンバブエのクレオバ スクンデオナという人物ですが、彼を使ってコンフエッションをして幹部 の公金横領と男女問題を白状させたのです。今度は金孝南を使ったり、霊 界通信などによって、金集めをしているのです。それが今の統一協会の路 線ですよ 。、ですから原理講論がどうなってるというような教理の話だけ ではなかなかやめないというか、そういう時代の一面もあります。 このような団体に囚われて人生を駄目にしてしまう多くの青年や婦人たち が今も後を絶たないと言うことです。一人でも多くの人を助け出されるこ とを願い祈ります。
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