磐田市福田のコーデュロイ・別珍産地を事例として-(PDF:42KB)

平成 18 年度 財団法人静岡総合研究機構学術教育研究推進事業費補助金
実 施 事 業 の 概 要
区分:一般研究
学会開催
静岡県SOE(○で囲む)
静岡県立大学
経営情報学部
職名
助手
氏名
松本敦則
事業名: 地場産地における新しいブランド作りの現状と課題
−磐田市福田のコーデュロイ・別珍産地を事例として−
事業の概要と成果:
磐田市福田で生産されるコーデュロイ・別珍は全国シェアの90%以上を占める日本唯一の産地である。しか
しながら昭和48年には1620社もあった企業数は、平成16年には182社と全盛期の1割に減ってしまっており、産
地活性化の道筋が見えていない状況であった。このような自体を打破するため、平成17年度に福田商工会が中
心となって申請した中小企業庁「JAPANブランド育成支援事業」が見事に採択され、平成17年に福田JAPANブ
ランド委員会が設立された。当地で作られた生地に「ソルブレべコ」(solbreveco)というブランド名を付け商品開
発や市場開拓を展開するものである。今年度は2年目の事業であるが、1年目はブランドの構築と商品開発に
力を入れ、本2年目は基本戦略として「4つのブランド戦略の方向性」を示した。①商品開発の継続、②ブランド
事業への参画企業の拡大、③ブランドの定着化とプロモーション、④海外への情報発信というものである。
そこで本研究は、これらの事業の目的に沿った形でこの新しいブランド作りの現状と課題を検討する。成果は
単なる第3者的な立場ではなく積極的に委員会に提言していき、産官学の一つのモデルとして発展させていき
たいという趣旨で開始された。
我々の本年度前半の活動は、福田産地の理解するため文献収集と訪問調査を行った。まず、文献収集に関
しては多くの時間を費やした。それは、これまで福田に関する文献がほとんどなかったからである。結果、学術
論文にいたっては上野和彦「遠州別珍・コール天織物業の生産構造」『経済地理学年報』 第30巻 第一号
(1984)だけであり、それも22年前のものであった。これらの文献だけでは現状を理解できないため、本研究の多
くの時間を現地福田への訪問調査に費やした。さらに上野教授には何度か調査当時のお話をお伺いする機会
を得た。訪問調査は福田産地に6回行った。訪問先は、福田商工会、浜松工業技術センターOBの技術者、天龍
社織物工業協同組合、生産者7社、「ソルブレべコ」を扱う浜松のブティックなどである。現地に赴き直接設備を
見学し、多くの方々と面談し意見交換を行った。
成果に関しては、研究と産官学連携の2つに分けてみたい。
調査研究に関しては本事業の分担者である影山は「地域マネジメントの現状と展望−ビックバンの状況分析
と地域マネジメントの理論化に向けて−」『経営と情報』第19巻第2号(2006年9月)において、本研究の成果を発
表している。代表者の松本も現在、学会に本研究の成果発表を申請している。
産官学連携に関しては、2007年2月には第3回委員会に我々2名で参加し、これまでの福田産地の調査から
得られた知見を基に提言や意見交換を行った。また、委員会の今後の海外プロモーションのため「イタリア繊維
産地の現状と戦略」というテーマで講演会の講師をおこなった。
昨年の春の段階では、我々は福田産地の調査をしに来た単なる大学の研究者であったが、最終的には委員
会に参加し、調査を基にした提言を行い、参加者とディスカッションし、イタリア繊維産地の講演をするなど当初
我々が意図していた「成果は単なる第3者的な立場ではなく積極的に委員会に提言していき、産官学の一つの
モデルとして発展させていきたい」という趣旨はある程度達成されたのではないかと考えている。本JAPANブラ
ンド育成事業は来年度も継続するため、我々も引き続き本事業に積極的に関わっていくつもりである。