老化による活動性、虚弱度の指標

障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
老化による活動性、虚弱度の指標
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何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で
外出する
1 交通機関等を利用して外出する
2 隣近所へなら外出する
ランクA
屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1 日中はほとんどベットから離れて生活する
2 日中も寝たり起きたりの生活をしている
ランクB
屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主
体であるが座位を保つ
1 介助なしで車椅子に移乗し、食事・排泄はベッドから離れて
行う
2 介助により車椅子に移乗する
ランクC
一日中ベッド上で過ごし、排泄・食事・着替えにおいて介助を要する
1 自力で寝返りをうつ
2 自力で寝返りもうたない
ADL(Activities of Daily Living)
–
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ランクJ
具体的なスケール:Katz, Barthel
IDAL(Instrumental Activities of Daily Living)
「寝た切り度」
3
4
5
老年期の日常生活動作低下の悪循環
「寝た切り」の原因疾患
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脳卒中
高血圧
老人性痴呆
心臓病
糖尿病
「寝た切り」は作られる
46%
32%
16%
13%
9.7%
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本来の
老化経過
不適切な介護
リハビリテーションの遅れ
疾病観・老人観
生活様式・住環境
家族の無理解
閉じこもり症候群
寒い
体力低下
横になる
寝たきりは作られる!
老化
7
8
廃用症候群に至るまでの行動変化に着目した概念
閉じこもり症候群
老化
人的要因
環境要因
生活活動パターンの変化
・外出や社会交流の減少
・ケアの不足
・不適切な住環境
制御
家に閉じこもる行動
廃用症候群 Disuse Syndrome
身体的要因
心理的要因
•家族
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•地域住民、地域ネット
ワーク
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物理的要因
閉じこもり
自然な老化
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•家屋構造、住環境
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•町づくり、気候・風土
寝た切り
10
寝たきり
9
閉じこもり症候群
閉じこもり症候群
身体の異常
することがない
疲れる
11
14
安静の弊害
低運動症候群
運動不足症候群
Physical Inactivity
リハビリテーション医学の上で重要な概念
廃用症候群の予防と改善
廃用症候群
廃用症候群の種類
1938年、アメリカ:J・Wright-hauserによる報告
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早期離床、早期歩行で虫垂炎手術成績向上
–
1942年~45年、アメリカ:Howard A. Ruskによる研究
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肺炎患者に積極的な運動
安静臥床の実験
–
–
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他動的な関節可動域訓練を行うだけでは廃用は防げ
ない
生活全般の活動性の向上
–
被験者に6週間の絶対安静を課して、安静の生理的影響をみる実験。
–
–
–
–
筋力低下
心機能低下
呼吸機能低下
代謝障害
–
–
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15
座位の時間を増やす
残存する生活能力を十分に活用する
移動動作の確保
閉じこもり症候群の予防
安静の弊害という概念:リハビリテーション医学の原点の一
つ
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Ⅰ. 局所性廃用によるものⅡ. 全身性廃用によるもの Ⅲ. 臥位・低重力によるもの
1. 関節拘縮
1. 心肺機能低下
1. 起立性低血圧
2. 筋廃用萎縮
a. 一回心拍出量の減少 2. 利 尿
a. 筋力低下
b. 頻 脈
3. ナトリウム利尿
b. 筋耐久性低下 c. 肺活量減少
4. 血液量減少(脱水)
3. 骨粗鬆症
d. 最大換気量減少
Ⅳ. 感覚・運動刺激の欠乏によるもの
4. 皮膚萎縮
2. 消化器機能低下
1. 知的活動低下
5. 褥 瘡
a. 食欲不振
2. うつ傾向
6. 静脈血栓症
b. 便 秘
3. 自律神経不安定
3. 易疲労性
4. 姿勢・運動調節機能低下
–
周囲のはたらきかけ
16
17
廃用症候群
z
–
脳卒中による片麻痺
–
関節拘縮
長期臥床・過度の安静で、確実に筋の萎縮
固定した筋では、細胞・分子レベルで変化
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–
–
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健側では、麻痺はないはず:しかし、正常の7割り程度
しかない
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z
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心拍出量の低下
起立性低血圧
z
廃用性呼吸機能低下
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–
–
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高齢者の歩行パターン
廃用性循環機能低下
–
z
起立・歩行の老化
廃用性筋萎縮の具体例
日常生活動作の低下=呼吸機能低下
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褥瘡
z
18
20
23
z
歩隔が広い
歩幅が狭い
足のあがりが低い
踵からの着地が甘い
速度の低下
腕振りの減少
前傾
姿勢反射の低下
不安定な方向転換
転倒
歩行・起立に影響を与える因子
z
–
–
運動器系の因子
z
筋力低下
関節可動域低下
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–
–
–
視覚障害
平衡感覚(バランス感覚)低下
深部感覚
脳機能の因子
z
–
–
–
z
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年齢
女性
転倒の既往
虚弱(健康状態の悪化)
z
筋力の低下
z
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認知症
抑うつ
パーキンソニズム
脳卒中
アルコール多飲
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z
感覚器系の因子
z
24
転倒の危険因子
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リズムの欠除
判断力低下
反射低下(立ち直り反射、など)
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z
z
25
z
z
z
z
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骨折
変形性関節症
起立性低血圧
平衡機能障害
視力障害(白内障など)
感覚障害(深部感覚)
反応時間の遅延
薬剤(睡眠薬、抗不安薬など)
外的要因
–
疼痛
自信喪失
転倒恐怖
歩行に対する不安
活動性低下
照明、段差、床など
廃用症候群
26
熱中症
z
高齢者と成人の、熱中症の違い
定義:
相違点
頻度
いつ
起こしやすい薬
発汗
呼吸数
腎不全
横紋筋融解
低血糖
血管内凝固
暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって体
の中でたくさんの熱を作るような条件下にあった者が発
症し、体温を維持するための生理的な反応より生じた失
調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの、連
続的な病態
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分類:
–
–
–
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高齢者:
–
31
熱痙攣(heat cramps)
熱疲労(heat exhaustion)
熱射病(heat stroke)
–
室内環境でも熱中症になり得る
多臓器不全になることも
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高齢者
多い(70%)
成人
少ない
安静にしていても 運動時
利尿剤
風邪薬
少量
多量
多い
普通
30%以上
少ない
少ない
多い
少ない
多い
少ない
多い