191 Kitakanto Med J 2009;59:191∼206 第27回群馬消化器病研究会 日 時:平成 21 年 1 月 24 日 (土) 午後 1 時 10 場 所:前橋テルサ 8 階 ∼ ケヤキの間 当番世話人:蒔田富士雄(独立行政法人国立病院機構西群馬病院 外科) リスク高いこと, 壊死腸管範囲が不明なこと, 大量腸切 A> 除の可能性もあることから, 保存的加療目的に当科入院. 1.Lansoprazole が 発 症 に 関 与 し た と 思 わ れ る col- 【現 症】 体温 36.5℃, 血圧 73/35mmHg. 心窩部の自発 痛, 圧痛あり. 下痢あり. 【検査所見】 腹部 US : 肝内, lagenous colitis の2例 橋爪 真之,小畑 力,山田 俊哉 門脈に高輝度エコー多発. 腹部 CT : 肝左葉, 門脈本幹, 齋藤 秀一,木村 幸,佐川 俊彦 左骨盤上縁の 小 腸 壁 に 気 腫. 心 電 図 : 洞 性 徐 脈 【経 新井 弘隆,高山 尚,阿部 毅彦 過】 禁食, 抗生剤開始. 夜から暗赤色の下血出現. 第 2 消化器内科) 病日 : 体温 37.7℃, 腹痛は軽減したが下腹部 (正中∼左) collagenous colitis(C.C.) は慢性の下痢症状を伴い, 内 に移動. 第 3 病日 : WBC 15600, CRP 9.9 と炎症反応上 (前橋赤十字病院 視鏡では異常所見に乏しいが, 生検で大腸被覆上皮直下 昇. US, CT にて腹水出現し緊急手術施行. Treitz collagen band の 10μm 以上の肥厚および, 粘膜固有層へ り 4500∼510cm の小腸が浮腫状で非連続性の壊死を認 の慢性炎症細胞浸潤を認める炎症性大腸疾患である. 今 め, 壊死腸管を切除し端々吻合した. 病理組織は非連続 回我々は, 当院で経験した lansoprazoleが発症に関与し 性の小腸壊死で, 壊死部は粘膜上皮から粘膜下層まで, たと思われる C.C. 2 例について検討を行った. いずれも 血栓等の器質的変化は認めなかった. 術後経過は良好で 数ヶ月以上の投与期間の後発症し, 薬剤中止後 1 週間か 第 22 病日に退院. 経過, 検査, 病理所見などから腸管壊 ら 1ヶ月で症状は軽快, 改善した. これまで,lansoprazole 死の原因は低血圧によって誘発された NOMI と の報告は NSAID によるものと比べ少ないが, 逆流性食 【結 帯よ えた. 語】 門脈ガス血症を伴う高齢患者であったが, 注 道炎の治療や NSAID 潰瘍の予防のため, プロトンポン 意深い経過観察により救命できた NOMI の 1 例を経験 プ阻害剤の した. 用機会の増加に伴い, 今後症例数の増加が 予想される. 内視鏡的所見に乏しいことが多く, C.C.が 疑われる場合には, 診断確定のため積極的に生検を行う 3.組織型診断が困難であった直腸未 ことが重要である. 小畑 力,工藤 智洋,飯田 河村 修,森 昌朋 智広 (群馬大医・附属病院・消化器内科) 2.門脈ガス血症を伴った非閉塞性腸管虚血症(NOMI) 下山 の1例 康之,草野 元康 (同 光学医療診療部) 中山 哲雄,野中 真知,富澤 琢 加藤 真理,奈良 真美,鈴木 秀行 竹澤 二郎,山田 昇司 森田 廣樹,荻原 内田 信之 (同 外科) ところ直腸 (Ra-Rb) に 2 型腫瘍を認めた. 当初生検では 横尾 英明 (同 病理) 悪性リンパ腫や内 (原町赤十字病院 【症 化癌の一剖検例 例】 89 歳女性 【主 博,笹本 内科) 肇 訴】 心窩 部 痛 【既 往 歴】 柿崎 暁 坂元 一葉 (同 肝臓内科) (群馬大院・医・病理診断学) 症例は 58 歳男性. 2007 年 8 月頃より 秘が出現した ため, 9 月に近医にて下部消化管内視鏡検査を施行した 泌細胞癌が疑われたが各種免疫染色 (ケラチン, LCA, クロモグラニン, シナプトフィジン, なし 【現病歴】 高血圧, 高脂血症, 逆流性食道炎にて NSE,CD3,CD20,CD30,CD56) では全て陰性であり,最 当科通院中.2008 年 5 月中旬, 突然心窩部痛, 嘔吐を認め 終的に未 当科受診. 腹部 US, 腹部 CT にて門脈内ガス像を認め, ンドオピニオンを希望し転院した. 外科コンサルト. 腸管壊死の可能性あるが, 高齢で手術 化癌と診断された. 本人・家族が他院にセカ 病理診断目的で生検を行ったところ, 免疫染色 (LCA,
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