Ⅲ とちぎの農産 水 稲 (1)最新の動き 高温登熟性に優れる大粒良食味品種「とちぎの星」は、平成23年度に県認定品種に指定。平成 25年産から一般栽培が開始され、約277haが作付された。平成26年産は約1,000haの作付を予定 している。 新規需要米の取組面積(H25.8月末申請段階)は、3,714ha(飼料用1,880ha、米粉用米 796ha、WCS用1,038ha)に減少し、全国第3位となり、加工用米(2,345ha)、備蓄米 (1,998ha)の取組が拡大した。 (2)生産の現状 平成25年の本県の作付面積は66,200 ha。作況指数は「102」、収穫量は363,400トンであった。 作付面積、収穫量とも全国8位となっており、主産県として極めて重要な役割を果たしている。また、 平成24年の米の農業産出額は832億円で、県全体の約30%を占める基幹作物となっている。 (3)品目ごとに取り組んでいること等 主力はコシヒカリで、その作付割合は平成元年で は約6割であったが、良食味米志向の中で作付が増加 し、平成18年産は85.5%まで増えた。平成25年産で は、なすひかりの代替としてあさひの夢の作付が拡大 し、コシヒカリ76.1%、あさひの夢 20.7%、とちぎの 星0.5%、その他2.7%となっている。 なすひかりは、 (一財)日本穀物検定協会が毎年実 施する「米の食味ランキング」において3年連続(24 年産県北地区(県中北部)) 「特A」を獲得している。 作付面積(ha) 収穫量(万t) 120,000 50.0 40.8 100,000 87,000 80,000 食味分析鑑定コンクールの様子 作付面積 収穫量 41.3 38.8 37.8 40.0 37.3 87,500 33.2 81,300 35.4 35.0 34.4 36.3 68,200 63,900 64,000 63,200 66,200 あさひの夢 アキニシキ なすひかり 月の光 とちぎの星 その他 90 76,900 69,000 (%) 100 コシヒカリ ひとめぼれ 30.0 60,000 80 70 60 20.0 40,000 50 40 10.0 20,000 30 20 10 0 S55 60 H2 7 12 17 22 23 24 25 0 0 作付面積及び収穫量 H元 5 10 15 19 20 21 22 水稲うるち米の品種別作付割合 ― 29 ― 23 24 25 多様な米づくり推進運動の展開 (1)品質向上等ニーズへの的確な対応 ○ おいしさ重視の米づくり ・遵守すべき基準 種子更新率:100% 玄米水分:14.5% ・粒揃いを良くするために 整粒歩合:80%以上(網目1.85mm以上) ・食味を良くするために 玄米タンパク質含有率:6.5%以下 ・「安全・安心」の米づくり GAP の取組組織数:11 組織 ○ 県内食品加工業者との連携強化 5,000トン ・米粉用米 ・酒米 500トン 100トン ・米菓用もち米 ○ 特色のある米の生産流通 ・特別栽培米 6,000トン ・輸出米 50トン (2)低コストへの対応 ・水稲全量基肥施肥栽培(普及率) 60% ・直播栽培 150ha (3)水田有効活用の取組推進 ・新規需要米(米粉用米、飼料用米) 3,000ha なすひかり 平成2年育種開始・平成19年2月20日品種登録 平成18年2月に奨励品種に指定 平成24年度食味ランキング((財)日本穀物検定協会主催)で、県中北部「なすひかり」が3年連続 「特A」を獲得。 ○早生で、倒伏に強く栽培しやすい 出穂期、成熟期はひとめぼれより2日遅い ○良食味である 外観、味、香りは、ひとめぼれと同等からやや優れて いる。 玄米タンパク質含有率はコシヒカリよりやや低い傾 向である。 ○粒が大きく、外観の品質が良い ※統一デザイン米袋(2kg、5kg、10kg袋)により、スーパー等で販売している。 「とちぎの星」の特徴 平成14年育種開始・平成23年8月品種登録出願公表 平成24年2月に認定品種に指定 ○あさひの夢より早い中晩生品種 ○高温登熟性に優れて外観品質が安定し、縞葉枯病抵抗性を有し、耐病性に優れる ○「なすひかり」 「コシヒカリ」 「あさひの夢」より多収で、大粒 ○コシヒカリと異なるさっぱりした食味で「なすひかり」に近い ― 30 ―
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