ヒメトビウンカの生態と 縞葉枯病の耕種的対策 アジア環境創造型稲作技術会議 2013年8月10日 全農とちぎ 合田健二 穂の出すくみ 再生稲(ヒコバエ)での発生 ヒメトビウンカが媒介するウイルス病 25000 25 発生面積 保毒虫率(越冬世代) 20000 20 保 毒 15 虫 率 発 生 15000 面 積 10 5000 5 0 0 ( ( 10000 ㏊ % ) ) S53 55 57 59 61 63 2 4 6 8 10 12 H14 H16 H18 縞葉枯病発生面積とヒメトビウンカ越冬世代幼虫の保毒虫率の推移 H20 H22 ヒメトビウンカ第1世代幼虫のイネ縞葉枯病ウイルス保毒虫率の推移 県 北 県 央 県 南 地点名 大田原市蛭畑 那須烏山市大桶 高根沢町花岡 芳賀町西高橋 真岡市青田 宇都宮市芦沼町 上三川町上三川 鹿沼市酒野谷 下野市小金井 小山市下石塚 小山市小袋 小山市石ノ上 小山市寒川 壬生町助谷 栃木市惣社町 栃木市大平町真弓 栃木市藤岡町富吉 栃木市藤岡町蛭沼 佐野市小中町又は並木町 足利市高松町 県平均 H23 0.0 0.0 0.9 0.0 1.8 0.9 0.9 1.8 0.9 5.5 5.5 2.7 9.1 0.0 1.8 5.8 1.8 3.6 0.9 2.3 H24 1.8 H25 0.9 0.9 0.9 2.7 0.9 9.1 1.8 1.8 1.8 0.0 10.0 8.2 3.6 2.7 0.9 0.9 4.5 12.7 8.2 7.3 2.7 2.7 7.3 3.6 0.0 0.0 2.3 12.7 1.8 1.8 5.3 ・検定サンプル:5月下旬~ 6月上旬に麦類圃場から 採集したヒメトビウンカ第1 世代幼虫。 ・検定方法:DAS-ELISA法 検定数 110頭/1地点 ただし H25年の栃木市 大平町真弓は3圃場平均 (農業環境指導センター調べ) 栃木県におけるヒメトビウンカ(縞葉枯病媒介)の発生消長模式図(平年) 第1世代幼虫 第2世代幼虫 第3世代幼虫 (麦類、雑草) 第1世代成虫 第2世代成虫 (苗、本田) ヒ 発 メ ト 生 ビ 越冬世代幼虫 ウ 消 ン (畦畔、休耕田) カ 越冬世代成虫 長 の 防 除 時 期 早植栽培 麦類、雑草防除時期 旬 上 月 箱施用剤 処理時期 予察に基づく 本田防除時期 普通植栽培 麦類、雑草防除時期 中 3月 下 上 中 4月 下 上 中 5月 下 箱施用剤 予察に基づく 処理時期 本田防除時期 上 中 6月 栃木県病害虫雑草防除指針から 下 上 中 7月 下 上 中 8月 下 ヒメトビウンカの予察灯への飛来状況 6 月(1世代成虫) 月 場所 半旬 高山(1988)を改変 7 月(2 世代成虫) 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 栃木(佐野) 0 1 1 44 3 0 0 4 11 10 8 14 群馬(前橋) 0 0 1 25 82 0 0 3 2 2 11 42 防除対策 • 罹病性品種から抵抗性品種へ替える。 縞葉枯病発生地帯では40%以上の作付が必要とされる とちぎの星、あさひの夢、飼料イネならクサホマリ、はまさり ・冬季畦畔等の雑草(越冬場所)を除去する。 ・収穫後すぐに耕起して、再生稲の病害株から 病原ウイルスを吸汁獲得させない。 ・ヒメトビウンカ(ウンカ類)に効果がある箱施用 剤を使用する。 とちぎの星ってどんな品種? 1 来歴 86c2266-1 東北156号 東北142号 栃木11号 朝の光 栃木3号 コシヒカリ 栃木19号 (とちぎの星) 農林22号 コシヒカリ 農林1号 栃木7 号 ( な すひかり ) ミネアサヒ 愛知87号 コシヒカリ ◇ 特Aランクの良食味「なすひかり」が父親 ◇ 平成23年6月に品種登録出願 とちぎの星ってどんな品種? 2 特徴 ① 熟期は中晩生系統で、「あさひの夢」より6日程度早い。 → 収穫作業の分散が可能 → 麦の適期播種が可能 ② 高温登熟性に優れ、外観が良い。 → 出穂後が高温でも乳白米になりにくい ③ 縞葉枯病に対し抵抗性がある。 → 農薬の使用量削減が可能 → コスト削減、環境負荷低減 とちぎの星ってどんな品種? 2 特徴 ④ 玄米は「あさひの夢」より大粒で、収量は「あさひの夢」と同程 度~やや多収である。 → 「あさひの夢」ほど肥料を必要としないので、肥料 費の削減が可能 ⑤ 食味は「あさひの夢」より優れ、「なすひかり」に近い。 ⑥ 倒伏は「あさひの夢」より弱いが、「コシヒカリ」より強い。 → 「あさひの夢」と同じ施肥量では倒伏が危険 → 「あさひの夢」よりも少肥 左:あさひの夢 右:とちぎの星 とちぎの星に関する資料は 栃木県農政部 薄井専技からいただきました。
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