第88号

⑴ 2014 年 2 月 13 日発行 1973年12月22日第三種郵便物認可 K S K 通巻 5663 号(毎月12回2、3、4、5の付く日発行)
機能強化型活動ホーム
地域生活支援を考える
三 橋 紀 子
障害者地域活動ホーム連絡会 会長
業となりました。
は、地域で育つ子どもの長いライ
フステージを豊かにし、家族を支
しかしながら、専用場所のない
まま取り組むことには限界があり
えます。地域生活支援のはじめで
ます。専任職員も必要です。活動
す。
ホームの建物も老朽化してきまし
訓練会や作業所の取り組みか
た。建て替えを望んでいます。建
ら、さまざまな当事者ニーズと暮
て替えまでの間の措置として、地
らしの課題が見えてきました。そ
域に利用可能な建物が欲しいとの
の課題と真摯に向き合い自主的に
横浜市に障害者地域活動ホーム
声もあります。
取り組んできた実践が、次の新し
が 制 度 化 さ れ て 年 に な り ま す。
地域生活支援は、利用者・家族
い制度を生み出しました。地域生
国際障害者年を期して創設された
の高齢化、
障がいの多様化などで、
活支援事業です。
この制度は、横浜の地域福祉の先
障 が い の あ る 子 ど も の 家 族 が、 今後ますます必要になってくると
駈けでもありました。そして、障
思われます。
必要なときに「一時ケア」
「ショー
害のある子どもの家族が、この事
ト ス テ イ 」 を 利 用 で き る こ と が、 一方、平成 年(2009)か
業の大きな推進力になりました。
ら機能強化型活動ホームが連結連
どんなに暮らしの安心に繋がった
合し、地域ブロックとする活動を
かは改めてお伝えしたい事柄で
活動の拠点・家族の
始めました。区を跨いだNPO法
す。また放課後や休日の余暇を楽
よりどころとして
人の連結連合です。中と磯子区の
し む「 余 暇 活 動 支 援 」
「おもちゃ
地域活動ホームの特長は、子ど
、金沢区と栄区の『こんちぇ
もも大人も年齢や障害の種別を問
文 庫 」 は、 社 会 参 加 の 幅 を 広 げ、 『新』
ると』
、
港北区と鶴見区が
『げんき』
わずに利用でき、活動できる地域
生活を豊かにしています。
です。今年度、鶴見に残る一館が
の拠点であり、家族の拠りどころ
『 げ ん き 』 に 合 流 し ま し た。 連 結
でもあることです。
高齢化に向き合い
連合は、法人の基盤を強くして支
力強く支える
幼児・学童の地域訓練会に、障
障害のある人と家族の地域生活
援にあたるのが目的です。地域で
害のある子どもと家族が通ってい
を更に充実するために、機能強化
起きる暮らしの課題は待ったなし
ます。保育の協力者のボランティ
です。
ア、 子 育 て に 経 験 の あ る 家 族 が、 型 活 動 ホ ー ム に 生 活 支 援 事 業 が
位 置 づ け ら れ ま し た。 平 成 年
丁寧にかかわりながら、地域で孤
法人型活動ホームや地域の福祉
です。
地域生活支援は、 施設などとも連携しながら、必要な
立せず主体的に子育てが出来るよ (1995)
日中活動支援と並んで、機能強化
取り組みを、連絡会全体で確認し
うに見守り、仲間つくりを応援し
型活動ホームの一方の柱になる事
ながら進んで行きたいと思います。
ています。こうした人との出会い
第 88 号
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編 集 横浜市障害者地
域作業所連絡会
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編 集
佐 藤 文 明
責任者
発 行
2014年2月13日
年月日
2014 年 2 月 13 日発行 1973年12月22日第三種郵便物認可 K S K 通巻 5663 号(毎月12回2、3、4、5の付く日発行) ⑵
人ぴあ ぴーなっつ」で「JDF
被災地のこれまで
被災地障がい者支援センターふく
〜震災から 年〜①
しま」と協力して調査活動に取り
組むこととなった。南相馬市長の
社会福祉法人夢 福祉会 判 断 で 障 害 者 手 帳 の 開 示 が さ れ、
夢 上星川 伊藤彰寿
その情報を基に調査活動が始まる
◎障がいのある人 を 探 す
が、調査が本格的に開始されたの
は震災から約 ヶ月半経った 月
震災から 年が 経 と う と し て い
る。福島県南相馬 市 で は 、 東 日 本
日のことであった。
大震災による死亡 者 ・ 行 方 不 明 者
それから調査員として全国の福
は合わせて600名以上。さらに、 祉施設職員、延べ618人が調査
福島第一原発の爆 発 事 故 に よ っ て
に参加し、神奈川からも団体の垣
多くの人が不安や 恐 怖 を 感 じ 、 避
根を越え多くの職員が南相馬へと
難せざるを得ない 状 況 を 作 り 出 し
入っていった。調査は1139人
た。それは今も続 い て い る 。
(精神保健福祉手帳交付者は除く)
に対して個別に家庭訪問が行なわ
避難によって約 万 人 あ っ た 人
口は震災直後には 約 万 人 に ま で
れ、この調査によって障害のある
減ったが、 月に な る と 緊 急 時 避
人たちを取り巻く状況が明らかに
難準備区域となっ た 南 相 馬 に 人 が
なった。
少しずつ戻り始め る 。
◎避難しない、避難できない
南相馬市は避難 の 際 に 自 力 で の
調査によって南相馬に住む多く
避難が難しく、支 援 の 必 要 性 が あ
の障がいがある人は、震災・原発
る人たちの名簿作 成 ( 要 援 護 者 名
事故によって避難を余儀なくされ
簿)を自衛隊と協力して行なう
たが、その半数以上が ヶ月経た
が、名簿に記され た 人 の 中 に 障 が
ないうちに避難所生活を断念し
いのある人が含ま れ て い な い こ と
戻ってきているということが分か
がわかり、障がい の あ る 人 を 主 と
つた。ベッドやスロープ、トイレ
した要援護者名簿 の 作 成 に 取 り 組
など障がいに適した設備が整って
むこととなる。そ の 作 業 を 依 頼 さ
いない、災害時においても生きて
れたのが南相馬に あ る 「 N P O 法
いく上で必要な設備を求めること
ハートフル・クリスマス
障害者週間キャンペーン事業
編集部
今回で三回目を迎える、障害者
週間キャンペーンが 月 〜 の
日程で、県民センター一階展示場
で開催されました。主催は県障害
者地域作業所連絡協議会。今年は
二 日 間 で し た が 売 上 げ も 上 々 で、
年々充実して来てるようです。私
もいちスタッフとして参加しまし
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たがこのイベントへのファンが増
えている感じでした。
単 に グ ッ ズ の 販 売 の み で な く、
このイベントを通して障害者週間
の啓蒙活動として広くみな様に浸
透していくよう願っております。
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への批判や障害に対する偏見や誤
解、それを懸念するが故の遠慮な
ど か ら「 避 難 所 で は 生 活 で き な
い。
」という声が多くあげられた。
一方で、調査に回答した約 割
の方は避難すらせずに自宅で暮ら
し、障がいが故の不便さを抱えな
がら生活せざるを得ない状況に
あった。聴覚障がい、視覚障がい
の方は外部の情報が入らず、障が
いの特性ゆえ交通機関や支援がな
い状態では家の外に出ることもま
まならない。医療機関が機能して
いないため薬をもらえない。
結局、
避難する、しないに関わらず障が
いのある人たちがより不便さを感
じざるを得ない環境に置かれてい
たことがわかったのだ。
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(次号に続く)
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⑶ 2014 年 2 月 13 日発行 1973年12月22日第三種郵便物認可 K S K 通巻 5663 号(毎月12回2、3、4、5の付く日発行)
新作業所紹介
今回は 年度後 期 開 所 の ヶ 所
を紹介いたします 。 年 度 開 所 の
ヶ所は次号で紹 介 い た し ま す 。
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一人 一 人 の 個 性 やぺースを大切に
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めざみ工房 ションを多く取り入れています。
ボランティアさんに毎日携わっ
ていただいている他、防災訓練や
地域のおまつりへの参加、近隣の
小・中学校との交流など地域との
関わりを大切にしています。
これからも、地域の方々のご理
解やご協力をいただきながら、ひ
とりひとりがその人らしく安心し
て豊かに過ごしていけるように支
援していきたいと思います。
や安納芋の焼き芋を製造販売した
り、地域の行事にも積極的に参加
しています。そして、将来的には
惣菜やお弁当づくりもしていきた
いと夢もふくらませ、ひとりひと
りが役割をもち、目標を持って活
動しています。
これからも地域の中で自分らし
く生き生きと暮らせることを目指
していきたいと思っています。
じゅうにんといろ
繍、組みひも、ミシンの作 業に分
れて「といろオリジナル製 品 」を
開 発中です。作 業や様々なプログ
ラムを通して、生活リ ズムの安 定
や、マナーを習得して就労のステッ
プアップを目 指 す など、個々の目
標に向かって取り組んでいます。
関係機関、地域の方々、ボラン
ティアの方々との繋がりを大切
に、それぞれの「いろ」を活かせ
るよう支援していきたいと思って
います。
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東日本大震災
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地域活動支援センターといろ
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仲間たちとの交流が心の絆
震災掲示板⑧
現地調査報告
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日程 平成 年 月 日〜 日
調査員 水野 智也(地活)
早川 信一(地活)
雨谷保菜美(GH)
皆様こんにちは、TEAM で
す。いつも変わらぬご支援本当に
ありがとうございます。
右記の日程で今年支援金を送っ
た 箇所へ訪問してまいりました。
日目は仙台へ、
仙台駅周辺は、
表面的には震災の影響は見受けら
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ふれんどーる絆 26
所長 山岸有紀
と い ろ は、2013 年 月
日に、横浜市内で ヵ所目の高次
脳機能障害の方々専門の作業所と
して、
港北区綱島に開所しました。
「といろ」という名前は十人十
色」から名付けました。名前の通
り、一人ひとりの様々な症状や個
性をお互いに認め合い、協力し合
いながら活動しています。
活動は、主に受注作業パンシー
ル貼 り、ピザ 箱 組 立、アメニティ
ポーチのセッティング、プレゼント
包装、チラシ封入、ポスティングな
どの他、自 主製 品ではメンバーを
中心とした話し合いのもとで、刺
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所長 佐藤早苗
2013 年 月、 病 気 や 事 故
などの後遺症で、脳の機能に障害
が起こる高次脳機能障害のある方
の日中活動の場を鶴見区鶴見中央
に開所しました。
外見からはわかりにくく、障害
があることを理解されず社会生活
に う ま く 適 応 で き な く な っ て も、
脳 の 障 害 と 前 向 き に 向 か い 合 い、
利用者同志支え合い、心の絆を大
切にしています。
活動内容は、自動車部品のパッ
キンはめなどの請負作業に取り組
んだり、芋菓子(スイートポテト)
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所長 藤野 慎
「めざみ工房」は昨年九月に南
区に開所しました 。 二 階 建 て 一 軒
家で、京浜急行井 土 ヶ 谷 駅 か ら 徒
歩 分の住宅街の 中 に あ り ま す 。
めざみとはフランス語で「私達
の友達」の意味で す 。 メ ン バ ー さ
んのぺースで毎日 楽 し く 過 ご し て
いて、同法人の「 地 域 活 動 支 援 セ
ンターめざみ」と 合 同 の 活 動 も 多
くあります。
作業内容は木工 と 紙 す き で 、 人
気商品は「ストラ ッ プ 」 と 「 の ぼ
り ね こ 人 形 」、 牛 乳 パ ッ ク を 再 利
用した手漉きの紙 で 作 成 し た 「 カ
レ ン ダ ー」 で す。( ひ と つ ひ と つ
丁寧にやすりがけ を し た り 、 手 す
きで紙を漉いています。)
毎日楽しく過ご せ る よ う に 旅 行
や季節行事、音楽、美術、太極拳、
スポーツなど様々なレクリエー
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2014 年 2 月 13 日発行 1973年12月22日第三種郵便物認可 K S K 通巻 5663 号(毎月12回2、3、4、5の付く日発行) ⑷
の費用がかかり、 行 政 の 補 助 は 足
りず、借り入れを 行 っ て い る と の
事 で し た。 そ の 中 で も 、 利 用 者 、
ご家族に対しての 支 え に な る 、 守
ろうと必死でご尽 力 し た 職 員 さ ん
の姿勢は心打たれ る も の で し た 。
日目の午前は、相馬市「ひま
わりの家」さんを訪問。日中の仕
事としてお弁当作りをしていまし
た。震災では建物の損傷は少なく、
ライフラインの止まった中、翌日
から活動を始めたのは驚きでした。
利用者さんと共に、一般の避難所
へ炊き出しに行ったそうです。
現 在は避難された方が増 えたこ
とで、利用者の方々も増えたとのこ
と。ケアホームのニーズもあり、新
さんは、新築平屋 の と て も 綺 麗 な
建物で活動されて い ま し た 。 震 災
当時は建物が壊れ 、 職 員 の 安 否 確
認、活動場所の片 付 け 等 に 追 わ れ
たとのこと。
再 開 後 は 使 え る 部 屋 が 限 ら れ、
重障心身障害者の 方 は 屋 内 で 、 比
較的元気な方々は 、 園 庭 で テ ン ト
を建て毎日過ごし た と の 事 。 再 建
を目指しましたが 地 盤 沈 下 に よ り
現在の場所に移転 。 再 建 に は 多 額
れず、活気が溢れ て い る 印 象 を 受
け ま し た。「 仙 台 の つ ど い の 家 」
した。原発避難区域から南相馬に
移った方 も 多 く、ここが 受 け皿に
なっているとの事でした。震災直後
は原 発から 数キロの場 所 だった
事もあり、ケアホームの方と共に、
車で分乗し避難したとのことです。
その生活はおよそ ヶ月 続いた
との事、肉体的、精神的にも疲労し、
元の場 所へ帰る決 断をしたそうで
す。また、 名 を受けられる、施
設を建設したいと計画しているので
すが、億 単 位の資 金が必要。ここ
でも資金不足が課題でありました。
今回の調査で、福祉事業所とし
て、利用者、ご家族、職員のケア
はもちろんのこと、今回伺った
箇所で被災した方に対し炊き出し
援金は本当に助かるとの事でした。
午 後 は 南 相 馬 市の「 あ さ がお 」
さんを訪問。作業室では企業から
の下 請 け を 行っていました。その
雰囲 気は、横浜でもよく見られる
光景であり、親近感が持てました。
しかし、よくお話を聞くと、室
内にいる利用者の方は、ほんの一部、
現 在定員 名のところ、 名の方
が通っていらっしゃり、他の方は外
の仕事に出ていらっしゃるとの事で
築で 棟建設。行政の補助では足り
ず、資金不足が課題。こういった支
・
「 作 業 所・ 活 動 ホ ー ム・
地域活動支援センター作
業所型の充実に関する要
望書」を横浜市健康福祉
局に提出
・
「第 回ふれあい作品展」
横浜高島屋
・ 「要望書」に関する健康
福祉局との懇談会 (二
連絡会)
援する立場になり、運営が安定す
るまで「しのぐ」といった言葉が
当てはまるように感じました。
また、原発の問題を重く感じま
した。横浜への帰路、道に迷い気
付くと人影がほとんどない。後で
解ったのですが、そこは原発から
数キロの付近。
「見えない恐怖」
というのを肌で感じました。やは
り 現 地 に 行 か な け れ ば 解 ら な い、
離れていると伝わらない部分が多
を行っていたという点。職員も被
災者です。そのなかでも地域を支
2
1
2
くあるのだと感じました。
皆様のおかげで調査に行くこと
が出来ましたことを感謝申し上げ
ます。
告
事 業 報
市作連
・ 「地域作業所手作り製品
フ ェ ア 」
有隣堂横浜西
口店(市精連共催)
・ 当事者研修会
「D グランプリ」
・ 定例会・第 部研修会
「 第 期 横 浜 市 地 域 福 祉
(素案)
について
保健計画
横浜市福祉のまちづくり
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1
3
2
条例について」横浜市健
康福祉局 建築局
・
地域啓発キャンペーン
(赤い羽根共同募金)
・ 職員研修会 テーマ「市
作連の成り立ち及び職員
としての大切なこと」
市作連会長 佐藤文明氏
・ 定例会・第 部研修会
「 精 神 を あ わ せ も つ 方 へ
の 援 助 に つ い て 」
十愛
病院相談室長 神野昭氏
・
「障害福祉の未来を考え
る集い」 横浜公園
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5
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発行人 神奈川県身体障害者団体定期刊行物協会
横浜市港北区鳥山町一七五二
横浜ラポール 階
編集人 横浜市障害者地域作業所連絡会
横浜市保土ヶ谷区坂本町一二八
FKDビル 四〇三号
電 話 〇四五(四四二)三九一七
FAX 〇四五(四四二)三九一八
編集責任者 佐藤 文明
定 価 一五〇円
│
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〜
25 1
9
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〒
222
0035
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平成二十五年
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〒
240
0043
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30 26 21
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