shikiji (h25).pdf - 大阪府教育センター

****校長式辞のまとめです。ただし原稿ですので、実際に読まれたものとは若干の差異が
あることをお断りしておきます****
平成 26 年 1 月 8 日
平成25年度 3学期始業式 式辞
おはようございます。そして、明けましておめでとうございます。
2014年、平成も26年にもなりました。休み中特に大きな事故・事件等の報告はな
く、みなさんが元気で新しい年を迎えられたことを嬉しく思います。
毎年のことですが、やはり年頭には、今年の計画「今年は○○しよう」というものを考
えましたか?一年の計は元旦にありとか言って、書き初めでその決意を書くというような
環境で育ちましたが、その頃はお正月は本当に店も全部休業で4日からしか開いていない
のが普通でした。それを思うと、年中無休が当たり前の最近のお正月って、便利なのかも
しれないけれど、正月からコンビニ、ファミレス、マクドでは、余りにも日常のままで、
はしゃいでるのはテレビだけみたいな事になりそうでややさびしく思いますね。
この年の新たまる際に決意するのは世界中で見られることの様です。
さて、英語ではどういうか知ってますか?これは”a New Year('s) resolution”と言いま
す。古代バビロニア・ローマ帝国の昔から続いている習慣だそうです。
問題は、新年の誓いが成就するかどうかですが、ある研究によれば、新年の目標は中々
達成するのは困難ではあるが、もちろんうまく達成する人もある。成功した人は、「大きな
目標でなく、小さく具体的な目標を立てた人」や、その約束を「人前で公言した」人だそ
うです。それぞれ、そうしなかった人よりも、22~10%成功率が高くなるそうです。ひ
とつ、それを見習って、小さな具体的目標をたて、それを家族や友達に言って回りましょ
う。合わせて、30%実現率が上がります。
学校は4月から年度替わりですから、年度毎に学校経営計画というのを立てて、3月に
それが出来たかどうかを振り返っています。これは、ホームページに公表しているので興
味があれば見てみてください。
それは置くとしても、年の初めにあたり、みなさんに今年心がけて欲しいことがありま
す。
それは「他人を思いやること」・・・というと大層ですが、もっと単純に、「自分がされ
て嫌なことは他人にはしない」ということです。
それができてないかなと感じさせられる事が、昨年末いくらかありました。
まず、授業のことですが、年末の学校教育自己診断アンケートにおいても、3年生で授
業中うるさくする生徒が多くて、受験を控えて勉強に集中しようとしている人が迷惑して
いるし、教員が注意しても改善されないのでどうにかして欲しいというような意見が複数
寄せられています。とても恥ずかしいことです。小中高と 12 年間学習生活を送ってきてそ
の仕上げの高校 3 年生になってこのようなていたらくは、結局 12 年間の学校生活が無に帰
するような行為です。進路が決まった人は、それこそ有終の美を飾ることを目指して、残
り尐ない高校生活であり、授業ですから、集中してほしい、尐なくとも友達の足をひっぱ
うことはしないでほしいものです。自分自身も進路が決まる前に、焦りや緊張感を感じた
でしょうから、それを思い起こしてみてください。周りが他人事みたいに騒いでいたら、
多分、許せなかったことと思います。
また、クラブ活動に於いても、自分が先輩にされて嫌だったことだったり、素直に聞
けなかった指導などを、自分が上級生になったときに繰り返していませんか?部活におけ
る力による指導というのは、自分がそれを受けて来たから、という事だけで繰り返されて
きたという経緯もあります。
いろいろな場面で多くの人が集まって暮らしている学校という小社会だから、基本は
「自分がして欲しいことを他人にする」までいかなくても、
「自分がされて嫌なことは他人
にしない」ということ、何かする前に、自分だったどう感じるだろうかという振り返りが
欲しいものです。
今、話題にしましたが、3年生のみなさんは、3月の後期入試まで、気持ちを前向きに
持って下さい。受験生の数は限られていますから、後の入試になるほど、合格した人が受
けてこなくなるので、初めの頃の判定よりどんどん実質は楽になります。特に、日程の始
めの方が厳しかった時ほど、後ろが空くものです。くじけないことです。10月に受かっ
ても、3月に受かっても同じことです。
その3年生のみなさんの中で、入試の時期に、1・2年の時に、もう尐しでも日々の勉
強を積み重ねていたらよかったのにと思わなかった、思っていない人はほとんどいないで
しょう。そういう思いこそ、しっかり後輩に伝えていって、後に続くみんなが、人生の岐
路で悔いのないようにしてあげて欲しいし、後輩にあたるみなさんも、そういう気持ちを
引き継ぎ、具体的な学習の目標を立てて、それを自身を含めてみんなに言いまわることで、
実現に近付けて下さい。
2014年がみなさんにとって、実り多い年になる事を祈ります。
平成25年12月24日
平成25年度2学期終業式式辞
みなさんおはようございます。平成25年も終わろうとしています。
大阪府においては、生徒の全員が安全で安心な学校生活を送れるような進めています。
お互いが、教師からも生徒間でも、お互いの人権を尊重して、どんなことであれ、相手の
人権を損ねることのない学校にしていきたいものです。
さて、今年を振り返ると、今年の漢字は「輪」だそうですが、それは「五輪」
、すなわち
東京オリンピック&パラリンピックの2020年の開催が決まったこと、それから震災復
興支援の「輪」ということです。これからの年末のテレビ番組・新聞の紙面等でも何度も
そういうことへの言及はあるでしょうから、そういう時に、社会の動きとは別に、思い返
してみて下さい。
個人でも「輪」が出来たでしょうか?自分がどれだけの輪を作れたのか、ただ単に、電
脳空間で友人登録してできるものでなく、リアルな生身の人とのつながりという意味での
「輪」の広がりが、自分の財産です。
また、それぞれの「輪」が崩れないようにするためには、内向きにも外向きにも、また、
両隣にでも同じ力で支え合わねばなりません。もらいすぎたり、内向きばかり強くて、排
他的になったり、そういういびつな輪はいずれ壊れてしまいます。自分を取り巻く人間関
係の崩壊は、豊かな人生にはつながりません。そういう個人の輪がつながって、大きな社
会という輪が出来ますが、そこでも、
「自分たちだけの輪を作ろうというだけの力に終始し
て、ヘイトスピーチに表されるような内向きの排他的な考えや、自国中心主義に凝り固ま
るのではなく、内外共にバランスのとれた「輪」を作れるようにしたいものです。
さて、そのオリンピック・パラリンピックは2020年ですからで、今から7年後です
から、その頃君たちは、大学を卒業して丁度社会に出て行こうとしていることでしょう。
どのような場で、それに関与できるか楽しみです。その時の社会はどうなっているのか想
像してみるのも楽しいことです。グローバル化社会と言っても、外に出て行くだけのよう
なものでなくて、内なるグローバル化がおこり、君たちの働いている会社では、外国人の
上司がいたり、同僚にも沢山いるようになっているでしょうし、また、労働力としても、
尐子化・高齢化で縮みゆく日本の労働市場を支えるために、移民労働力を活用しなければ
ならなくなってているでしょう。そんな中での、他人とのコミュニケーションのとり方や
いろんな文化背景の人とのつきあいの方法のヒントなどを、この高校生活で尐しでも見つ
けることが出来れば幸いです。
最後に、3年生は後もう尐しでセンターです。2月に私学の一般入試も始まりです。第
四コーナーを回ったところで、ここが一番苦しい時でしょうが、苦しいのは自分だけでは
ありません。みんなが苦しいのだから、国公立を受ける人は3月中旬の後期試験まで頑張
り抜いて下さい。現役はこれから伸びます。よく、1時間勉強すればセンターで1点伸び
ると言います。それを信じて力を尽くして下さい。
では、年明けにここで、元気で会いましょう。
平成 25 年 8 月 26 日
平成25年2学期始業式式辞
みなさんおはようございます。3年生の皆さんは先週から始まっていますが、今日から
学校としての2学期の始まりです。今年の夏は例年にない猛暑でしたが、ここにいる皆さ
んは大きな怪我等もなく、無事に過ごせくれたようで、とてもありがたいことです。
改めて、今日からの2学期のスタートについてお話ししておきます。
この2学期のポイントも、当然勉強、学年プラス一時間です。これだけは何があっても継
続的に机に向かい続けなさい。向かう時間の長さは大事です、ただ2時間座っていても意
味がないとかいうようなことありません。まず座れることが出来なければ中身もついてき
ません。ともかく毎日学年プラス一時間は机に前に座り、本をあける習慣をつけなさい。
この学年プラス・・は春から言ってるので、それが出来たとして、次は何をするかが課
題です。ポイントは、二つあります。
一つは、
「覚える」ことを主眼とするのでなく「考えること」を大事にすること。もう一
つは、
「解ける」ことよりも「解けないこと」が本当は有り難いということです。
よく「単語さえ覚えれば出来る」みたいなことをいう人がいますが、それは英語を分か
っている人の言葉ではないです。単語というのは、材料でしかないので、それを使って読
んだり書いたりが出来なければ意味がありません。他の教科でも多分同様で、断片的事項
は、
「暗記しようとして暗記する」のではなく、歴史なら流れを理解し、英語や古文等なら
調べながら文章を読み解く過程で、本来は勝手に「おぼわる」ものです。そこまでやらず
に、ちょこちょこ暗記することで勉強したという気になっているような、甘い姿勢ではま
ともな学力はつきません。
二つ目ですが、これは、かの有名な「今でしょう」の林先生が某番組で、学習方法につ
いてのアドバイスを問われて言ってたことなのですが、非常に共感できます。「解ける問題
をいくらやっても学力がつくわけではない」、「解けない問題、難しい問題にぶち当たりウ
ンウンうなっている時に学力がつくから、途中で投げ出すことなしに、それに取り組み続
けるように」ということです。極端な話、子供相手に相撲とった勝てるでしょうが、何番
とっても自分の力はつきません。横綱とは言いませんが、ともかく自分よりも番付の上の
者にぶち当たり、泥まみれになり、血だらけになりながら、
「もういっちょう」と挑む人間
が成長します。負けてこんちくしょうと思い握る土俵の泥が銭に変わると言われます。解
けない問題にぶちあたり歯を食いしばった分だけ点になるということです。
そうして生活を送る中で、求めたいのは、具体的に目標を持つことです。2年生もオー
プンキャンパスに行くように進路から言われているでしょうから、2・3年は最低でも一
校は見たでしょうが、そこから自分の志望校として言える学校を見つけ出しましたか?
「○○に行く」というからいけるんです。「いけたらいいな」では、その夢は叶いません。
「行きたいな」を、英語で言えば、 I wish でしょうか? 御存じのように、I wish I were
は、前提が I am not ですよね。つまり、仮定法というのは現実の反対のことを述べてい
るわけですから、実際は「いけない」という事実を想定しています。「○○に受からない、
受かりそうにない自分」が前提になって、それを認めている後ろ向き思考です。
そうではなくて、
「自分は来年○○大学に通っている」
「○○に受かる」
、また何年か後に
「○○の仕事をしている」自分を想像するんです。
「引き寄せの法則」というような言い方
もありますが、志望は言い切ること、それを公言することです。
そういう預言は叶います。願い事では叶いません。
そういう風にして、これからの2学期頑張れば最後には勝利があります。特に3年生は、
真剣に勉強に取り組みだしてまだ数ヶ月でしょう。すぐには結果は出ません、種まいてか
ら毎日水やりや日当たりに気を配り育てて、花が咲くまで何ヶ月もかかるので、その間に
焦らず世話し続けることです。遅く咲く花は大輪です。その前に諦めないように。現役は
11月以降に学力がぐんぐん伸びてくるものです。
最後に皆さんに、いつものことですが、これから秋になり、学校見学やクラブ体験など
で受験生が沢山訪れます。今年はこれまで以上に多くの中学生が来てくれると思います。
いい印象を持って帰ってもらえるように、いつでも、どこでも、誰にでも、自分から大
きな声で挨拶して下さい。挨拶は相手に対してするのではなくて自分の為にするのです。
25 年度 1 学期終業式
平成 25 年 7 月 19 日
式辞
おはようございます。暑い中ですが、1学期の総括として尐し話をしておきたいと思って
います。
勉強にしても、学校生活にしても、ずっと続いていく時間の中ですが、今日のような節
目があるから、これまでの自分とは違う一歩が踏み出せたり、さらにパワーアップして行
けるのではないかと思っています。
この一学期どのように過ごせましたか。
まず、学校生活の根幹である学習ですが、学年+1 時間できたでしょうか。やってきた人
とそうでない人とは、もう150時間の差がついています。さらに大きな差がつかないよ
うに、ここで立ち直ろう。先生方も、プロジェクトチームを作って、どうしたら学習に、
もっとみんなが取り組むようになるのか、一生懸命考えています。
さて、いうまでもなく3年生は、これからが頑張る時です。それぞれが目標に向かい、
より高い自己実現に向かって下さい。
当面は、国公立大学に、関関同立にと具体的に目標絞り、かつ最後まであきらめないこ
とです。
結局、数年後君達の出て行く社会は、学歴です。生涯賃金も、そこで決まります。
じゃあ、学歴社会とは何を問うているのでしょうか?卒業した学校の名前で人間の評価
を決めて良いのでしょうか?学歴よりも実力と言う人もいますが、じゃあ、学歴を得てき
た人=有名大学に合格してきた個人の努力や能力は無視していいのでしょうか?
そういう点では、私は学歴社会は当然の結果であり、負け惜しみを言ってないで、学歴
をあげたらいいと考えています。
学歴というか、学校歴は当然あります。なんで国公立大学が尊重されるのか・・・それ
は、5教科7科目という幅広い学習を高校時代にカバーしているからです。得意不得意は
誰にでもありますが、それを乗り越えようとした結果、越えた結果が表れているからです。
また、関関同立であれ、早慶であれ、そういう大学の受験者は、国公立と併願している人
の割合が高いので、同等にみなされているのです。
自分が、企業側で人材を使う側に立ってみれば分かります。企業に入れば、どんな部署
に配属されるか、わからないし、どんな問題に直面するか分かりません。そういうときに、
高校時代に幅広い分野の勉強をしてきた人物の方が、様々な分野の仕事に対応できそうで
す。また、その仕事は自分には向かいから、やらないとか言わず与えられたことに黙々と
まじめに取り組んでくれそうです。
採用時には、結局、その人が「やれそうか、どうか」でしか決められませんし、短い面
接や、志願書では判断できないので、学歴というのが大いに参考になると思います。
環境対応力、目標達成力、計画性、粘り、与えられた指示に対する即応性。これこれの
勉強をしなさいという、このレベルまで必要という一つの、ナショナルスタンダードをク
リアしようとした人は、会社に入って就業規則や会社の営業目的を示されたら、それに向
かって努力してくれるはずだ、高校時代に、やはりそういう基準で大学入試に向けて頑張
ったんだから・・・と担当者は思います。
受験の勉強は将来役に立たないとかいいますが、教科内容についての有用性は就いた仕
事によるにせよ、受験勉強に取り組もうとする姿勢やそれをやり遂げた努力は、将来大い
に評価されるのです。
ある面で、入試というのは、そういう「学力」というよりは、もっとちがう「努力や意
欲」を見ているものだと思っています。だから、頑張れというのです。
一昨年あたりによく売れた本に、
「東大現役合格生のノートは美しい」というのがあり、
自分自身も英語教える立場なので読んでみましたが、なんや・・と、がっかりしました。
確かに、整然として、きれいなのですが、これは自分が、そうやれと言ってることそのま
まじゃないか。本校の英語の先生も多分そう教えているでしょう。英語の教師が標準的に
指導しているそのままをやっているだけです。
でも、考えによれば、そうしているから、本気で言われたとおり作ったから東大に受か
ったのかもしれません。
また、自分の友人で、企業に勤めている者が、東大での新人が入社してきたが、東大出
はコピー一つとらせても、丁寧にきっちりしてくると言ってました。
採用時には、実際に働かせてみて、大きな業績を上げられるがどうかは分からないし、
すごい実力の持ち主も、陰ながらいるかもしれません。でも、そういうスーパースターは、
年に一人もいらない。だから、チームとして働くのにふさわしい人を採用する。そこで、
やはり学歴がそういう人材かどうかを確かめるすべになると言うことです。企業から観る
と、新人を採るというのは、数億円を生涯で払うわけですから、すごい高い買い物です。
それだけ慎重になるのです。
3年になってからそういう学習が始まるというのではないので、1・2年から、やるべ
きことに真面目に継続的に取り組む姿勢を大事にして下さい。
さて、先日の立志館ゼミ主催の説明会から、ほぼ半年続く学校広報期間が本格的に始ま
った感じです。今年から、自分の出身校に案内を持って行ってくれる「アンバサダー」を
募集したところとても多くのみなさんが協力してくれました。ありがとう。
この夏も多くのお客さんが本校を訪れます。来週はオープンスクールに 600 人以上の中
学生と保護者が来られます。小学生対象の科学教室も毎週行います。
気持ちよく迎えて、泉北ファンを増やせるようにして下さい。
中学校を回ると、学校に実際に行ったがゆえに、その学校受験を思いとどまったたとい
う中学生もいるとか聞きます。印象の良くない生徒さんや応対やなどが理由だそうです。
本校希望者でも、あったそうですから・・・いったい誰が見られてん、と思わなくもない
ですね。
うちの自慢は、生徒の姿・頑張りであると常に言ってます。
君を見て、一人でも多くの受験生が増えるように、あなたの姿や笑顔で、やっぱり泉北
にしようと思ってもらえるようにして下さい。
最後に一つ、semboku とローマ字で書くときに、sem と書いていますが、sen ではない
のと思いませんか?ここへ来てからずっと、みんな分かってやってるのか疑問でした。ど
ちらが正しいのか、mにはどういう理由があり、法則性があるのか考えてみませんか?分
かれば言いに来てくれるか、ブログにレスでも付けといて下さい。
先生に聞くのは「なし」で、特にこれは英語の先生は全員分かっておられるので、英語
以外にしておいてください。待ってます。
平成25年入学式
式辞
本日、大阪府立泉北高等学校第45回の入学式を挙行するにあたり、ご多用
のところ、ご来賓としてご臨席賜りました大阪府教育委員会ご代表をはじめ、
平素よりご支援を賜っております地元小学校の校長先生、本校後援会、同窓会、
PTA のご代表の皆様に、高いところからではありますが、厚くお礼を申し上げ
ます。ありがとうございます。
学校を彩る桜は春の嵐に散り染めましたが、前途洋々たる新入生の皆さんが、
高校入試という関門を突破して咲かせた華が、まさに今まぶしく輝く今日の佳
き日に、平成25年度入学式を晴れやかに挙行できますこと、私ども教職員一
同、大きな喜びであります。
さて、ただいま入学を許可した国際文化科 160 名、総合科学科 120 名、計 280
名の皆さん、入学本当におめでとう。また、この日を待ち望み、子どもさんの
成長を支えてこられた保護者の皆様、おめでとうございます。心からお慶びを
申し上げます
みなさんの母校となる泉北高校は、泉北ニュータウンの開発とともに昭和 44
年 4 月に開校し、45年を迎えました。創設当時の普通科から平成 4 年には国
際教養科を設置し、平成 17 年には、国際社会で活躍できる人材の育成をめざす
専門高校である国際・科学高校へ改編いたしました。
その間、文部科学省よりスーパーサイエンス・ハイスクールに、平成 18 年に
第 1 期、24 年度より 2 回目の指定していただきました。さらに、今年度からは、
全国 20 校しか選ばれていない、科学技術人材育成特別校にも選ばれました。大
阪府からは、23 年度よりイングリッシュフロンティア・ハイスクールの指定を
受けるなど、常に時代に求められる教育を目指して取り組みを進めてきました。
これらの指定は、常に新たなる取り組みに挑戦を続け成果を上げてきたこと
が評価されていることの表れであると考えておりますが、今後さらに、これま
での高い水準の教科指導を維持しつつ、研究指定校にふさわしい斬新で実り豊
かな教育活動を展開し、実践してまいります。
本校の教育の根幹は、
「生の体験」にあります。科学では、実験実習を尐人数
で毎時間のように行い、実際に自分の目で見た、手で触ったことを重視します。
大学や研究所などを訪問したり、実地研修に出たり、常に最先端に触れること
も重要視しています。国際科においても、7 人の外国人教員による英会話や最先
端の CALL 教室でのコンピューターコールの授業などで、全身で英語に触れる
ことを重視しています。いずれの学科においても、頭で得た知識よりも、自分
で体得したものこそが本当の知識になると考えています。簡単にネットを検索
すればなんでも一定のことが分かるような時代なればこそ、自分で仕入れた一
次情報を大事にしたいと考えています。
海外体験は、いずれの学科においても特に重要視しています。夏期語学研修
は3ヶ国にでかけ、海外科学研修として2カ国にでています。海外からの学校
交流は、昨年一年間で10回行いました。
これからの世の中では、どんな職種・職業に就こうとも、海外との関係はよ
り緊密になり、世界が一つの経済圏になるでしょう。そういう世界で活躍して
いく人材に、是非皆さんになって欲しいと思います。その素地を、この泉北で
しっかり作り上げられると信じています。進学も、日本国内だけでなく、直接
外国の大学に進むことなども考えてもいいでしょう。この春卒業した先輩で、
カナダの大学に進学した生徒もいます。そういう先輩もいて道を示してくれる
ということが、泉北の強みですし、それを最大限に利用して、自分の道を切り
開くようにして下さい。
みなさんが高校へ入学したことは、確かに人生の一つの階段を上がったこと
になります。しかしあくまでも、これは道の途中であり、決してゴールではあ
りません。気を抜いてしまわないようにして下さい。この高校入学というのは、
これまで義務教育という苗床の中で育てられていた将来の大樹が、天高く育つ
それぞれの土地に植えられた瞬間であると言う方がいいでしょう。これからの
高校生活こそが、みなさんの長い人生の有り様を決める重要な時間です。
勉強にも、クラブ活動や行事などの課外活動など、するべきことはとても沢
山あります、高校においては尐なくとも3兎を追えというようなことも言われ
るくらいです。アルバイトやスマホやライン等での時間の浪費をしないで、高
校でしかできないことをやって下さい。学習面については、内容も高度になり
求められる学習量も格段に多くなるでしょう。クラブの練習もかなりきつく感
じるはずです。生活面での指導も厳しいと感じることもあるかもしれません。
でもそれらは、全て、君たちが期待されているからであり、その高い期待に応
えられるようにして下さい。何事においても、自分のその時にもつ力より低い
ことをしていては力はつきません。横綱に勝つためには、何度も何度もころが
され土に顔を埋めることが必要です。目標の高さが、苦しさにつながりますが、
それを越えなければ成長は見込めないものです。
終わりにあたり、保護者の皆様、今後、学校との連携の中で、温かい愛情の
中にも厳しい躾をしていただくことが、必ず、学力や人間性の向上につながり
ます。私ども教職員一同、お預かりしました子どもさんの教育に、全力で、責
任を持って当たってまいる所存ですので、何卒、よろしくご協力をお願いしま
す。
最後に、新入生の皆さんの高校生活が充実した、すばらしいものとなります
よう、心からお祈り申し上げ式辞といたします。
平成25年4月8日
大阪府立泉北高等学校長
桑原志郎
平成25年1学期始業式式辞
平成25年4月8日
新2,3年生のみなさん おはようございます。
校長の 桑原です。学校としては、今日が Academic Year の一年の始まりです。とりあ
えず、
「おめでとうございます。ことしもよろしく」
さて、本校は「文武両道」ということを掲げていますが、多くの他の学校でもそうです。
元来この言葉は「武術が出来るだけでなく教養も高くないと為政者にふさわしくない」と
いうようなところが本ですから、いかに「武」とは「課外活動」であると強弁しても、平
和憲法のもと戦争のない世界を築こうとしている国の、しかも公立の学校の標語としては
やや疑問が残ります。
理念としては、
「学校での学習」だけでなく、「行事やクラブ活動等の学校で行う課外活
動」や「研究・発表など学校の枠を超えての活動」にも、積極的に係り、高校は大学へい
くための準備期間じゃない・・という、進学実績という単一な物差しだけでは計れない、
多様な価値観をもつ学校だというような意味で使っているのですが、なにか他に良い言葉
がないのか、昨今の新聞記事を見るにつけ、よく考える今日この頃です。
それはさておき、尐林寺拳法部の全国大会優勝にはじまる各クラブの活躍、科学では SSH
全国大会での入賞など、研究発表の数々の受賞など、「やればできるんだ」ということを君
達や君達のすぐ上の先輩方が示してくれました。また、進路実績も、3学期始業式で紹介
した大阪大学2名など国公立大学・関関同立にも100名以上の合格者を出すなどめざま
しいものがあります。一方で指定校推薦受験者は減っていますので、一般入試で、更に高
い目標へと挑戦し、ここでも「やればできるんや」という結果を残してくれています。勉
強も課外活動も、ある学校では「二兎を追え」や、
「尐なくとも三兎を追え」というような
校訓があるようですが、色々な意味で貪欲に、先輩を超えて大きく成長できるようになっ
てくれるのを楽しみにしています。
これまでの SSH やらイングリッシュフロンティアやらに加えて、SSH の人材育成特別枠
という全国で20校ほどしか採用されない事業にも認定されました。そういう指定の意味
というのは、国や府が税金を使って、君達の学びの後押しをしてくれているということで
す。科学の授業や研究や発表、また英語での取り組みや、国際交流などなど、昨年も毎週
のように何かが起こっていましたが、そのような取り組みをさらに一層進めて行こうとい
う訳です。君達にとっては、これまで以上に広く深い学びの機会が提供されることにつな
がるでしょう。その応援してくれた成果を一緒に出していきましょう。
泉北高校の取り組みや成果、そしてなによりそこに通う生徒達が充実した高校生活を送
っているということを外部に発信し、「せんぼくファン」になってもらってより多くの中学
生に志望してもらえるように、君達から見ればより沢山の後輩にあこがれられ、そして続
いて入ってもらうために、いわゆる広報活動にも、さらに力を入れて行きます。小学生や
中学生や保護者が来られる機会は、ずっと増えます。その時に、いい印象を持ってもらえ
るように、普段から服装や挨拶に気を配って下さい。まさに、学校への通学、校内にいる
間、常に一人一人の行いや態度で学校全体が判断されるということを肝に銘じておいてく
ださい。そして、機会があれば、中学校を訪れ、高校の話をしてきて下さい。
全高校が前期入試を行った今年の入試から、来年は通学区がなくなり全ての高校への受
験が可能になります。さらに評価や大阪市立高校との統合など、府の高校入試は毎年毎年
大きく変わっていきます。その中で、地区から信頼され、中学生からあこがれられる様な
不動の価値を持つ学校にしていきたいと願うのは、卒業した先輩も、その保護者も、そし
て、君達の保護者も、泉北高校に係る全ての人がそう願っています。そして、それを、叶
えるのが、今在学している君達です。「えらいこっちゃ」ですが、それを、担える力はある
と思います。
昨年も始業式で言いましたが、今日の午後には、280 名の新入生を迎えます。彼らにとっ
て、君たちは、ちょうど一年、2年前に君たちがそう感じたような、
「まぶしい」先輩にな
ります。
いい先輩であってください。
後輩は、一番悪いところを見るものです。2・3年の他の全員が校則を守っていてとして、
一人が破っていれば、後輩は、その一人を見て、
「これでもいいや」と思うものです。80
0人余りの人間が、社会生活を支障なく行う取り決めであり、全員が守る最低ラインが学
校の決まりです。それらは守るのが当たり前であって、何も特別なことではないのです。
昨年・一昨年と新入学の時に、出来ていたことが、時間がたって出来なくなると言うこと
はないはずです。慣れでだらしなくなったり、だんだん自分に甘くなったりしてはいませ
んか?
大人も含めて、よく「近頃の若い者はとか、今年の1年は」とか言いがちですが、そう
なったのであれば、それは自分たちのせいです。そうならないように。
最初に戻りますが、一年の始まりです。年頭にあたり目標を決めましょう。毎日の家庭
学習時間は、学年プラス1時間というのが世間の相場です。一年は2時間、3年生は4時
間ということです。それが無理でも、せめて学年分くらいの時間の家庭学習をしてみると
かでも、一年トータルで見るとだいぶ変わります。尐しずつでも、積み上げていけるよう
な取り組みもまた、今年の本校の課題にしています。
それでは、お互い いい一年にしていきましょう。
平成24年度
終業式
平成 25 年 3 月 15 日(金)
みなさん おはようございます
先日、2年生諸君が参列してくれた卒業式で、42期生279名を送りだし
ました。いよいよ君達が進級して、最上級生となり、高校生活の完成期を迎え
たり、2年生として学校の中心として、勉学に、また、クラブや行事に先頭に
立って活躍する時になりました。
その君達が旅立ちを見送った先輩たちは、進路の点では、大阪大学に2名(一
人は現役で)合格するなど、素晴らしい成果をあげています。まだ後期入試の
発表はありませんが、府大4名を始め、国公立に19名合格し、関関同立合計
で、136名(現役でも100名以上)の合格と、嬉しい知らせが続々届いて
います。
進路については、大学に進学するなら、また、泉北に来たからには、国公立
を始め、高い志望をもって受験にあたろうということを、進路を始め担任から
も、よく言われていると思います。
先輩が示してくれているように、叶わぬ進路希望はありません。
「かなえない」
希望はあっても、「かなわない」希望はありません。
高い目標と夢を持ち、それをおいましょう。大学は、現役で決まらなくても、
推薦で決めなくても、いいと思います。現役で進めるに越したことはないです
が、その事よりも「夢」を大事にしましょう。
尐し、しんどいから、年を越すのは嫌だからということで早めに決めても、
ほんの数カ月の安心でしかありません。人生は、むっちゃ長いです。君たちは、
短くて65歳、ことによるともっと長く働く必要があるでしょう。そうすると、
25歳で社会に出ても40年以上働くのだから、そして、どういう仕事に付け
るかは、どこに進むか次第なのだから、それを考えると、今の数カ月は、瞬間
でしかありません。それと交換してはいけません。
どうしても、文系の人で、理数が出来ない、理系の人で、国社が出来なくて
センターではふるわないのなら、本当にそうなら、大学院で再チャレンジすれ
ばいいでしょう。学歴ロンダリングと言って、大学入試では不本意な結果だっ
た人が、院で頑張ることも流行っています。専門科目と英語が出来ればいいの
で、現役のときのように不得意科目の克服がない分、楽な人もいるでしょう。
そういう人生もアリです。
社会に出るまでに、自分の最大高度まで上昇して、より高いところからより
広い眺めを持ちましょう。高いところにのぼるほど、選択肢が多くなります。
高校がラストでなく、次が自分の最終の学歴、つまり社会に働きに出て行く
時の出口、として付いてくるわけですから、院に行けばその次ですけれど、真
剣に考えるべきです。日本社会は、ずいぶんましにはなったとはいえ、アメリ
カのように自由度が高くて、やり直しのききやすい社会ではありません。それ
だけに、ここからの一歩がとても重要です。
年度末にあたり、いろいろもらうものがありますが、返却するいろいろなプ
リントの中に、
「学校教育自己診断」という、12 月にしてもらったものがありま
す。学校の教育のあり方や、みなさんや保護者のみなさんが我々のやっている
ことをどのように評価しいるかを教えてもらい、独善的にならず、学校経営を
より開かれたものにするためのものです。
その中の設問の一つに、保護者に対して、
「お子さんは家で携帯やスマホをど
のくらい使っていますか」という設問があり、「平均2時間以上が32%以上」
ありました。親が、2時間していると答えておられると言うことは、実際は、
その倍くらい使っているのではないかと思います。3 時間としても貴重な人生の
1/8も、ラインやパズドラに費やしていることになります。
スマホは便利です。数年前には考えられないほどです。居ながらにしてネッ
トにつながり、情報がとれるだけでなくて、ゲームもできるし、ようつべやニ
コ動もあって、暇つぶしの材料にはことかきません。
こういった機器のおかげで、便利になり仕事や連絡が手早くできたら時間が
節約できるはずでした。でも、考えてみると、それほど余暇にあふれた生活を
我々は送っていません。
高校生の生活も、情報機器前世代の方がゆとりがあったように感じます。生
活を便利にするはずの機器のせいで、時間を奪われているというのも皮肉な話
です。無駄にのめりこんだり、即レス症候群にならず、尐し距離を置いてみた
らどうでしょう。
面白いかもしれないし、友達とのつながりも必要かもしれませんが、今、人
生の行方を決めようとする高校生の時に、貴重な人生の1/8も掛けるほどの
値打ちはないと思います。
今の時間を、将来の自分に投資して見たらどうでしょう。不良債権にならず、
きっといいリターンがあるはずです。
春休みは、夏や冬にある、盆や正月のようなイベントのない休みですけれど、
学生にとっては「進級」という大きなイベントがあります。これまでの自分と
違う自分に生まれ変われるチャンスです。古い衣を脱ぎ捨て、時間を大事する
自分に生まれ変わってみませんか。
第42回卒業式式辞
平成 25 年 3 月 6 日実施
春弥生、ひと雤ごとにつぼみ膨らむこのよき季節に、まさにこれから花を咲かせようと
する若者たちが、高校生活の業をなし終えたことをたたえんがため、本日ここに、大阪府
立泉北高等学校第42回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、大阪府教育委員会御
代表様、堺市立若松台中学校校長先生・若松台小学校校長先生、泉北高校PTA会長、後
援会会長、同窓会会長、歴代校長など、数多くの御来賓の臨席を賜り、この門出の祝いを
一層華やかにしていただけましたことを、高いところからではありますが、御礼申し上げ
ます。どうも有難うございました。
さて、今、卒業証書を授与された 279 名のみなさん、あらためて、卒業おめでとう!
春を伝える桜前線はまだここには、到達していませんが、確実に君達の春はやってきま
した。
3年前の春は、サクラの満開のもと、まさにここで入学式を迎えた皆さんにとって、この
3年間はどんな日々だったでしょうか?今ここで振り返れば、とても多くのことがあった
3年間だったでしょうが、その時々には、あっという間もない速さで通り過ぎてきたこと
でしょう。まさに自分の前に道はないが、うしろには、生きた跡が道となっていきます。
ひとつの歴史が、42 期生のみなさんのそれぞれの歴史が生まれたわけです。
歴史と言えば、みなさんが3年間を過ごした、母校泉北高校は、44年の歴史がありま
すが、その中で何回かの変身を遂げてきました。創立時の普通科単科の学校から、大阪で
初めて、英語だけでなく幅広い国際理解力とコミュニケーション能力を育てるという国際
教養科を併設し、更に、平成17年には、国際文化科と総合科学科という、新たな2つの
学科を併設する専門高校に生まれ変わりました。
また、それだけでなく、国や大阪府からさまざまな研究指定も受けてきました。現在は、
平成 23 年度よりの大阪府指定のEFHSと、文科省よりSSHの2期目の指定を平成 24
年度よりいただいています。このように、本校は時代の要請に合わせ、常に求められるも
のを自己開拓していこうという進取の気風にあふれた学校です。
その泉北高校のもつ、時代に先駆け、次代を拓くという理想を体現しているのが、みな
さんだったと思います。
卒業に当たって、ここで学んだことを、自分の力として、これからの社会を作ってもら
えるように、お話ししたいことがあります。
それは、まず”be special”、スペシャルであれ、ということです。
みなさんの3年間は、国際文化科も総合科学科も、”本物に触れる体験を通じて、生きた
知識を身につける”
、という方針のもと1年4月の、beキャンプ、サイエンスキャンプか
ら始まりました。それ以来ずっと実験実習を誰よりも多く経験したり、多くのネイティブ
の先生方によるオールイングリッシュの授業を受けて、みなさんは、専門教育=スペシャ
ルな教育課程で育ってきたと言えるでしょう。普通科ではない専門高校の教育理念がそこ
にあります。
世界はグローバル化しボーダーレスであると言われています。経済面ではとっくにそうな
っていて、統計にもよりますが食品の60%、工業製品の30%が輸入であり、その割合
は高まりつつある、日用品等の廉価ではあるが身近なものほど割合が高いということです。
また、労働市場でも、働き手が国内に尐なくなる以上、海外に求めなければならない状況
はすでに既成事実です。国内の労働市場でも、高齢化と反比例して労働人口が減尐して行
く中で、税を払う働き手を移民として導入しなければ、国の財政は破たんするかもしれま
せん。モノも人も、海外への依存度が高まるでしょう。
文化や情報の面でのグローバル化よりも、そういう経済面でのいやおうのないボーダー
レス化の方が大きな問題です。海外依存が嫌だと言っても、鎖国しても、自足できる国で
はありません。物的資源では資源小国である日本は、人的資源で生き延びるしかないでし
ょう。それが、これからのみなさんの人生でしょう。
人的資源となりうる為には、世界の誰とも違うような、個性、独創性、鋭い感性を持つこ
とや、偏見なくモノに接する心をもち、常に自分から新しいものを学ぶような意欲と知的
好奇心をたっとび、いろいろな人と会い輪を広げていこうとする積極性が求められます。
また、誰かが渡る後から道を行くのでなく、自分が先頭に立ち草原に道を開くような、最
初の一歩を踏み出せるような勇気も持って下さい。
それが、誰ともちがうスペシャルなヒトとしてのあなたを作るでしょう。
こういったことの素地は、ここ泉北で身につけることが出来たと信じています。
そして、君達が大人として出て行く社会を、先にいる我々とともに、豊かな社会、それ
も心の豊かな社会にしていこうではありませんか。これまでも、自分の力一つで生きてき
たわけでもないし、これからも独力で生きていけるわけでもありません。君たちを取り巻
くあらゆる人に感謝しながら社会を支えあう、小さな力の一つになっていきましょう。助
けられてきたこと、助けられていることに対する返礼は、自分が助ける方に回っていくこ
とで行えます。それも簡単なことからでいいのです。たとえば、電車で自分が今席を譲っ
た回数だけ、年をとった時に譲ってもらえるんだと考えて、将来の為に積極的に席を譲る
人がいます。たとえばこういうことです。
日本語でも「情けは人の為ならず」という格言があり、英語でも「PAY FORWARD」
ということばがあります。日本語の方はよく誤解されているようですが、情けをかけるつ
まり相手に親切にするのは、相手のことを思っているだけでなく、それが回りまわって自
分にも報いとして返ってくるからだという意味ですが、洋の東西で同じような考えがある
ことは、実は素晴らしいことだと思います。
そういう考えが世界を精神的に豊かにできるのではないでしょうか。モノだけでなく、心
でも世界が一つになり、豊かに生きられる社会を共に作ることが出来ればよいなあと思い
ます。
最後になりましたが、本日御列席の保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございま
した。本校の生徒達は、本当に気持ちのいい、何事にも前向きに取り組み努力を惜しまな
いよい子供たちばかりで、ここまで育て上げあげられた、親としてのご手腕はとても偉大
なものと尊敬に耐えません。また、ここに至るまでの様々な御労苦に対しまして深甚なる
敬意を表するものです。
そして、これまで3年間にわたり、本校の教育活動に深いご理解とご支援いただきました
ことに厚く御礼申し上げます。
42期生のみなさん、名残は尽きませんが結びに、皆さんの洋々たる前途を祝して、式辞
といたします。
平成25年3月6日
大阪府立泉北高等学校
校長 桑原 志郎
平成24年度3学期始業式式辞
平成 25 年 1 月 8 日
新しい年を迎えるにあたって
みなさん、あけましておめでとうございます。
冬休みの間、特に今年は長かった正月休みの間元気に過ごせましたか?学
校には、大きな事故の報告もなかったので、きっとみんな元気に過ごせてい
たのではないかと嬉しく思います。
昨年末に、日本を含め太平洋を巡る国々で、国政を担当する首班の選挙が
ありました。それまでと同じ政権が引き続く国もあれば、がらっと変わる国
もあります。平成25年、2013年は、アジア太平洋での政治の転換期で
あると言われています。年初から国際問題には、気をつけて観察していく必
要があります。
経済面では、政治よりも一歩先んじて国際分業であったり、国際協調であ
ったり摩擦であったりが進んでいて、米中韓日の、諸産業はお互い抜き差し
な ら な い ぐ ら い に 相 互 に 影 響 し 合 っ て い ま す か ら 、食 品 、衣 料 品 、電 気 製 品 、
スマホから食品、100均の商品に至るまで、国際間の取引なしに我々の生
活は維持できない状況です。そちらを優先した国際協調の枠組みをこれから
作 り 上 げ て い き た い も の で す 。諸 君 が 世 の 中 に 出 て バ リ バ リ 働 き だ す 頃 に は 、
日本単独で行える経済活動は皆無になっているでしょう。
貿易問題や、外国人労働者問題等々、決して他人事ではありえない。景気
が悪い、働くところがないといいますが、コンビニや零細工場などでは、外
国名の名札を付けた従業員の方をよく見ます。そういう部分の労働市場を市
場とみなさない側にも問題があるでしょうし、より低賃金で使える労働力を
求 め る 雇 用 側 の 問 題 も あ る で し ょ う 。で も 、実 際 に 、
「自分が自分にふさわし
い と 考 え る よ う な 働 き 場 所 、自 分 が 欲 し い と 思 う よ う な 条 件 の 働 き 場 が な い 」
ということと、完全に経済も社会も破壊され麻痺してしまい、いかなる労働
現場も存在しないというのとでは、随分違うとは思いませんか?我々は、縮
小し続けるこの日本という小さなテリトリーの中で、過去の夢にすがり、繁
栄による幸福といういつか来た道に戻れると考えていていいのでしょうか?
松 下 幸 之 助 氏 が 、 P H P ( peace and happiness through prosperity )「 繁
栄による平和と幸福」を唱え、高度経済成長を実現させた歴史的意義や貢献
は大きなものですが、それを現代社会に持ち込めるかどうか、もっと世界協
調・協業的な生き方を求めた方が、これから長続きするのではないかと思っ
たりした年頭でした。
さて、冬休みには、同窓会等があり、自分自身も昔の卒業生が、今、高校
生や中学生になっているのですが、その中で、ある大学生の子を持つ卒業生
が、
「 や れ ば で き る 」と い う の は 、出 来 の 悪 い 子 を 持 つ 親 へ の 慰 め で し か な い
ということがよく分かったと言ってました。
「この子はやればできるんだけで
ねえ」と回りの人、学校の先生から言われ、それを頼みに育ててきたが、そ
れだけでは結局、何もしないままになってしまった。それを、子供自身まで
「自分はやったら出来る」と言うようになったらおしまいや、どこまで自分
に甘いんや、ということです。
そうではなくて、どんな小さなことでも「やったから出来た」という成果
が残せたものについては、それを積み重ねていけば、きっと山になるんだか
ら、最終的には伸びる子になる。
というような事を話してくれました、確かに、我々も担任として懇談する
時に、そういう言葉を度々使ってきました。多くの場合、やはりそういう子
は 、「 や れ ば で き る 状 態 」 で 終 わ っ て い た よ う に 思 い ま す 。
みなさんも、
「 や れ ば で き る 」と い う こ と を 言 わ れ た こ と も あ る か も し れ ま
せんが、
「 お 前 は あ か ん わ 」と 言 わ れ る よ り も 、耳 触 り が い い だ け で 、大 し て
内実は変わりません。
年頭に当たって、必ず目標を立てて下さい。今言ったように、やったら出
来たと言えるような小さな“計画”と、将来どこに向かうかという“夢”と
2つ描いて下さい。目線は遠く、歩みは着実にということです。
国 際 問 題 を 考 え た り す る 時 で も よ く 言 わ れ る 常 套 句 の 、 Think Globally,
Act Locally と い う の と も 似 た 発 想 で す 。高 い 理 想 と 、地 道 な 行 動 の 組 み 合 わ
せこそがいろいろな場面で求められていることでしょう。
“計画”について大事なのは、分かりやすくするということです。1日2時間勉強する
でも、ケータイやらスマホやら触るのは1時間までにするとか、なにか具体的な目処をた
てましょう。精神論でも目標をたてても、それが出来たかどうか自分でも検証できません。
それは計画とはもはや言えないものになっています。
それから、勿論続けることは大事ですが、出来なくてもいいんです。目標通りに実行で
きなかったりすると、
「3日坊主」とかよく言います。でも、たとえ3日でも、1日でも「ゼ
ロ」よりはずっとましです。ぽっしゃたら、また、計画を練り直して、新しい計画を作っ
てやり始めればそれで構わないでしょう。漫然と毎日を送るのでなく、意識を持った生活
を送るために、是非、計画を常に持ち続けてください。
みなさんのそれぞれが、自分の夢に一歩でも半歩でも近づけるような毎日を過ごすこと
を祈って、今年の挨拶とします。
平成24年2学期終業式式辞
平成24年12月21日
「今年を振り返る」
みなさん
おはようございます。今年は、例年になくとても寒い冬で、地球温暖化って
いう話も、ほんとうかいなと感じてしまいます。風邪などひかないように節制して下さい。
ノロウィルスが流行していて、手洗いの励行など、保健だよりでも呼びかけられていま
すが、実行していますか?それは同時に、インフルエンザの予防にもなりますから、ぜひ
実行して下さい。学校医の先生に伺ったところ、ウイルス性の病気は、ある一つが流行っ
ている間は、それ以外の病気は蔓延しないそうで、ノロが流行している間は、インフルエ
ンザは、やや小康状態だけれど、ノロが収まったころに、油断するとインフルエンザに感
染する可能性が高まるので、ずっと予防措置は怠らないようにということでした。
年末と言えば、どこでも「今年の10大ニューズ」やってますけど、オリンピック、ノ
ーベル賞、政権交代、島問題、オバマ再選、あっちゃん卒業・・・いろいろありますよね。
ところで、みなさんも、それぞれ自分の十大ニューズを考えてみたらどうでしょう。
「クラブでレギュラーになった、試合に勝てた、試験でいい点取れた、名前貼り出され
た、賞状もらった、彼・彼女が出来た、高校もしくは大学に受かった・・・」いろいろあ
るけど、10個あげられれば、今年は君にとって充実した年だったということです。それ
だけ、心にビビッとくるような vivid な瞬間があったということです。年末までに是非一度
やってみて下さい。
人間、年をとると時間の経過が早くなる(動作は遅くなるけど)のは、その瞬間瞬間に
対する感動がなくなるので、深く時の流れに食い込めず、流されるからだといいます。で
すから、10も挙げられなくなる。君達には、いつまでもいくつも挙げられる新鮮な感性
持って生きていってもらいたいです。
学校の10大ニューズになるのは、8校も受け入れた学校訪問や、今年から始める台湾
研修、SSH の指定を受けたことや、これまでの成果を活かし課題研究・発表でいくつも賞
をとれたことでしょう。勿論、クラブでの近畿大会や大阪大会での活躍もあります。
いろんなことやってる学校ですから、面白いこと、よそでは体験できないことがいっ
ぱいあるはずです。そういう自分にとっての「泉北体験」をこれからも深めるような毎日
を来年も送りましょう。
現実に戻れば、3年生の受験を控えた皆さんは今 第4コーナーでしょう。苦しいけど、
苦しいのは受験生全員がお互いさまであり、この時期余裕あるものはいません。
(あきらめ
ている人を除いて)
学力というのは、植物と一緒で、やってすぐ花咲き、実を結ぶのではありません。科目
によっては2、3カ月以上かかるものもあるでしょう。だから、何カ月も必死にやってる、
夏からがなっているけども成果が出ないなぁと不安にならなくてもいいんです。出てくる
のはこれからです。しっかり種蒔いて水をやっておれば必ず良い実がなります。
公立高校の生徒に多いのですが、3年の引退間際までクラブを一生懸命にしていた人が
多いので、テスト直前の1時間前まで伸びるといいます。センター得点の伸び率について
いえば、1時間1点ともいいます。これから約30日間1日10時間やれば300点伸び
ます。楽勝ですね!自信もって取り組んで下さい。
最後まで気を抜かずに辛抱して下さい。最初の頃の試験で落ちても気を落とさず、国公
立志望なら後期のギリギリまで頑張ることです。後になればなるほど、自分より上の生徒
が合格して減っていくわけですから、競争は楽になります。事前の判定では、全員が受け
ることになっているから低い評価になっているにせよ、実際は、どんどん減っていくので
すから、あきらめない者勝ちです。
1・2年の人には、この春休みの勉強合宿(スタディーキャンプ)の案内が配られてい
ると思いますが、ぜひこの1泊2日に参加して、どのくらいやれるものか体験して置いて
下さい。いずれその日は来ますから、まだ今からガンガンやるのは早いから行かないので
なく、その日の為に、自分の根性や忍耐力など、知っておいて損はありません。
来年1月 ここで元気にあいましょう。
メリークリスマス&ハッピーニューイヤー
平成24年2学期始業式式辞
平成24年8月27日
暑く長かった夏が終わりを迎えようとしています。1 ヶ月の夏休みの間に、皆さんの中で
大きなけが等にあったという報告はないので、みんなが元気に今日の日を迎えられたので
はないかと嬉しく思います。
この休みの間に、いろいろなクラブの活躍がありましたが、特に今年の夏はサイエンス
部が、全国や大阪での発表会で活躍してくれました。国際科学高校としての泉北高校にと
って、本来活躍すべき分野での活躍こそが求められている部分です。これからも、さらに
精進して下さい。これらは、日頃の課題研究等での学習の成果です。地道にこつこつ手抜
かず続けたからこそだと思います。
同じく夏休み中、学校の外の出来ごとでは、オリンピックのことと、滋賀県大津市での
いじめによる中学生の自殺の問題がこの夏の報道を賑わしました。オリンピックはさてお
き、我々にとって関心が深いのは同じ学校という場で起こった残念な事件についてです。
いじめについては、大阪府教育委員会をはじめ本校でも、もちろん真剣に対応します。
いじめといおうが、それをいじるとか、ふざけるとか、ぱしらせるとか、おちょくるとか、
様々な言い方がありますが、基本は、具体的な暴力やら金品やらがからまなくても、言葉
ででも、また無視するとかいうような精神的にダメージを与える行為でも、その被害に遭
っている、その対象になっている人が、されたことを「いやだ」と思うかどうかです。嫌
だと思っても、力関係・周囲の状況(誰も助けてくれない)
、これからどうなるかなどとの
不安などで言い出せなければ、それは立派ないじめ行為であり、対象になっている人が、
我慢している間にエスカレートするものです。
でも、学校ですから、一人の被害者と、いじめている数人だけでなく、関わりになりた
くないとかどうしたらいいかわからないという理由で遠巻きにしている大多数で、
“いじめ”
が構成されています。同じ生徒同士で、当事者以外の誰ひとり気づいてないと言うことは
ないはずだし、いじめられている側から見れば、いじめを直接しているものも、傍観を決
め込んでいるものも同じように、その人を閉じ込める壁にしか見えません。そういう壁を
越えて、学校側というか、教員側に、いじめがあるらしいと伝わるときには
だいたいか
なり進んでいることが多いものです。
まずは、そういう嫌な思いをしている人がいたら、嫌だなと思うことがあれば、どんな
些細なことでも、できれば些細なことの内に、誰かに伝えて下さい。担任に限らず、学校
の職員全員が、君の味方です。また、クラスで配布してもらう、教育委員会からのカード
に様々な相談機関の℡やアドレスが書いてあるので、学校関係の者に、もし言いだしにく
いのならそういうところに伝えて下さい。
また、何か起こっているときに、周りの者が、止めることは難しいにしても、そのこと
を誰かに伝えることは出来ます。
ブログやサイト等で、外から見えにくくなったということもあるかもしれませんが、そ
れにしても生徒諸君の間でのそういう動きを求めたいと思います。
そうして、全員がのびのび生活を送れる学校を作っていきたいものです。
さて、夏休みが始まる前にここで 2 つのことを言いました。
一つは、学習時間のことです。頭も体と同じことで、毎日一定働かしておかなければ、
なまってしまうと言うことでした。休みだからこそ、自分でコントロール出来る時間が多
いのだから、きっと出来たと信じます。目標は、学年プラス 1 時間の学習です。自分の為
に、ランニングや筋トレをするように、毎日机に向かう習慣をつけて下さい。
次に挨拶です。自分の為に「挨拶する」というポイントはわかってくれたと思っていま
すが、あともう一歩です。夏休みに、小学生対象の科学教室が5回、中学生対象の体験授
業である「泉北みらい的塾」が2回あり、多くの、小中学生が来ましたが、その子たちに
挨拶している姿を、残念ながら見ませんでした。
玄関が、そういうお客さんで混み合っているときにも、迷惑そうに黙って横をすり抜け
ていく本校生が多かったのは、ちょっぴり残念でした。そこで、笑顔で、
「こんにちわ、よ
く来てくれました」という歓迎の気持ちを伝えられるようになってほしいものです。
今日からは、放課後にクラブ体験で、4 日間で 70 名あまりの中学生が訪れます。学校説
明会や高校見学等で訪問する中学生も増えてきます。
始めて行った高校というものですから、誰しも心細いものです。そこで、にこやかに挨
拶してあげるとほんとに安心し、泉北に好感を持ってくれると思います。体験で訪れた学
校で、やさしくしてくれたのでこの学校に決めたという声もあります、そういうお兄さん
お姉さんになってください。
最後に、これからの 2 学期に向けてですが、3年生は進路決定の時です。
受験は団体戦であるという言葉を聞いたことがありますか?大学の受験は、高校入試と違
い学校によって科目も大きく異なるので、それぞれが必要な科目や、重要度は違います。
でも、君たちが多くの時間を過ごすのは学校であり、これまで学校に通ってきて今の自分
があるわけです。授業を受ける教室の雰囲気が、みんな自分の進路決定のために真剣であ
れば、それが全員のプラスになります。だれかが、どこかで気を抜くとそれが伝わります。
団体競技、よくヒーローインタビューでも、応援団やチームのみんな、ベンチ入りできな
い部員も含めて全員の勝利だと言いますが、受験でもそれは言えると思います。また、学
校によって早く決まる人もいるでしょうが、まじめに学習を続けて、高校卒業後につなげ
いけばいいのですから、自分より試験が遅い友達の為に真剣に勉強を続けるということよ
り、やはり自分の為に高校の学業は最後まで立派に修めて下さい。
2 年生、1年生の人も、2学期には、それぞれ来年度の選択科目を決めます。それは、各
自の進路先によって変わるものですから、一人一人が、自分の第一志望は、~大学から学
部で、試験科目は、~であると言えるようになっていなければなりません。
毎日の学習の際に、どこを向いて歩くかを示すのが、志望校ですから、それをはっきり
と口に出せるようにして下さい。
H24年1学期終業式
平成24年7月20日
おはようございます。今日は金曜ですね。いわゆる、TGIFです。この言葉は知って
いますか?
Thank God It’s Friday! 「やった金曜日や」みたいな感じです。
それでいうと、明日からの夏休みを控えて、今日は
ビッグサンクスを、The guy up there
に、しといてください。
授業がなくなるわけですが、これからの一カ月だらけずに夏を過ごすことです。頭も、体
の筋肉と同じで、毎日つかわないとなまるし、いったんなまるとなかなか戻りません。講
習に出る人は、それをペースメーカーにして生活することです。
今日は、終業式にみんなに話すことについて、別のことを考えていたのですが、昨日あま
りにショックなことがあったので、ちょっと そのネタにします。
それは、スタサポによる学習時間の平均です。なんと、ある学年は、平日35分、休みで
も50数分です。しかも、英数国あわせて・・・。
3つの本を取り出すて、仕舞えばそれだけでその位になります。勿論、これは平均ですか
ら、実際は、2時間している人1名に対して、ゼロ時間が2人くらいでしょうか。
それなら、そのゼロ時間の人を、残念ながら留年していただくようにすれば、ゼロでは到
底ついていかないし、単位も認定されないようにしても文句は言えないでしょう。ゼロ時
間学習者ですから。でも、実際は、先生方が、なんとかして成績つけて進級させてくれて
いるから、その日頃の学習ゼロに等しい人たちはなんの不利益も被らず、2対1で多数派
になるから、そういう空気が蔓延するわけです。
しかし、神様はちゃんと見ています。「天網恢恢疎にして漏らさず」
この1/3が、勉強しているという統計は、
毎年国公立と関関同立に受かっている人の
割合に近いです。それが1/3ですから、統計数字は結構当たっていると思います。
ゼロでは受からん。あたりまえや。それを、歴代の先輩が、身をもって押してくれてい
るのだから、そろそろ気が付こう。
もちろん、それ以外が大学でないかという訳でもないけれど、一生の問題として、ここ
で頑張ることが、将来家2軒分ぐらいの差にはなります。生涯賃金3億円位が4年制大学
で男子の平均だそうです。その中でも、大企業もしくは有名大学卒業となると、4億円近
く、
中程度の規模企業もしくはその下のクラスの私立大学が平均位です、すると、そこ
で家2軒分の差です。
毎日2時間することが、それほど苦痛ではないし、それを達成したら、到達できる目標
が目に見えてあり、入学時成績はそこに手が届くレベルなのだから、それを目指しましょ
もうひとつは、挨拶することについてです。
みなさんは、
「誰の為にあいさつしているのか」考えた事ありますか?
相手に対して、親しみや敬意を表すためでしょうか?「相手の為にあいさつする」と考
えると、先輩・習っている先生・習ってない先生・知らない誰かさんという具合に序列が
ついて、序列の高い方からしっかりする・・とかになりかねません。また、一回会ったか
ら、次はいいやということになる。また、相手が返事してくれへんからどやこやとかいう
ことにもなる。
あいさつは自分の為にする。自分から相手に心を開くという意味です。相手がだれであ
ろうと、返事がどうであろうと、自分はするんだということです。相手に合わせると、自
分を degrade することになります。いつでも、誰に対しても、大きな声で自分から挨拶す
ることが自分を高めることになります。集団でいるときに、最初に発声する一人になって
ください。
話が切れないなら、会釈でもいい。軽く足をそろえて、会釈するのもおしゃれな立ち居
振る舞いです。サッカー部がしているように、止まってくれるのも、そこで数秒のロスが
あるんでしょうけど、返ってくるものは大きいです。
朝晩に比べて、特に、昼間の廊下での授業移動中など、結構ぞんざいです。また、職員
室など幾つかの部屋には、
「入室心得」がドアに貼ってありますが、「名乗って、用事言っ
て入れる」人は、尐数派です。
まだまだ、
「誰でもきっちりあいさつができる」学校には遠いような気がします。
夏休み以降中学生やその保護者の方の見学等の機会も増えます。そういう時にも、来年
の後輩になる可能性のある人達ですから、好感度 120%ゲットして下さい。
平成24年1学期始業式式辞
平成24年4月9日
新2,3年生のみなさん おはようございます。
校長の 桑原です。 昨年 1 年間は、教頭として BeCAmp についていったり、府大 U ホ
ールでの発表会、英語のコンテストなどいろいろ君たちのすばらしい力を感動して見せて
もらいました。どうもありがとう。今年は、それぞれが、進級したのだから、昨年以上の
成果が挙げられるように、先輩を超えて大きく成長できるようになってくれるのを楽しみ
にしています。
進級と言えば、今日の午後には、280 名の新入生を迎えます。彼らにとって、君たちは、ち
ょうど一年、2年前に君たちがそう感じたような、
「まぶしい」先輩になります。
いい先輩であってください。
後輩は、一番悪いところを見るものです。2・3年の他の全員が校則を守っていてとして、
一人が破っていれば、後輩は、その一人を見て、
「これでもいいや」と思うものです。80
0人余りの人間が、社会生活を支障なく行う取り決めであり、全員が守る最低ラインが学
校の決まりです。それらは守るのが当たり前であって、何も特別なことではないのです。
昨年・一昨年と新入学の時に、出来ていたことが、じかんがたって出来なくなると言うこ
とはないはずです。慣れでだらしなくなったり、だんだん自分に甘くなったりしてはいま
せんか?
大人も含めて、よく「近頃の若い者はとか、今年の1年は」とか言いがちですが、そうな
ったのであれば、それは自分たちのせいです。そうならないように。
君たちが生活する上では、やるべきものの順序というのをわきまえること。まず勉強で、
次にクラブや行事、バイトやら遊びやらは、3番目です。バイトするために高校生になっ
たのでもないし、クラブするためでもありません。勉強して、その余った時間に、他の活
動をするのです。生徒活指導部の大畑先生が再三言っておられる、
「生活指導はまず勉強や」
ということはまさにそのことです。授業に遅れてついていけないと困るから、休まず遅れ
ず学校に来る、こないわけにはいかない。予習復習もやっておかないと学校でとても困る
から、眠い目をこすりながら机に向かう。そうすると、バイトやら遊びやらに、使う時間
がない。クラブ活動に参加したら、それこそ全生活が学校を中心に回る。そうなれば、生
徒指導部は開店休業という意味でしょう。確かにその通りだと思います。生徒諸君が必死
にならないとついていけないような、授業に対する厳しさもこれから求めていきたいと思
いますが、現状でも、君たちの方でもやりきれていないことがたくさんあるのではないで
しょうか。
最後にひとつ
学校での勉強は、学校で行うことには、気の進まないこともあるでしょうし、一見興味の
わかないこともあるでしょう。そこで選り好みしないで、どれにも全力で取り込みなさい。
アップルのジョブズが、スタンフォード大学(日本で言えば、東大か慶応か)の卒業式で
言った有名な演説の中で、「点をつなげ」という言葉があります。この演説は、stay
hungry ,stay foolish で有名ですが、私は最初の「connect dotts」が好きです。要するに、
大学の必修科目で、その時には興味もなかったことが、10年後に初めて役に立つとわか
った。勉強というのは、点でしかないが、いつかはつながる。何であれ、一生けん命にや
っておけということです。
平成 24 年入学式
式辞
本日、大阪府立泉北高等学校第44回の入学式を挙行するにあたり、ご多用のところ、
ご来賓としてご臨席賜りました大阪府教育委員会ご代表をはじめ、平素よりご支援を賜っ
ております本校後援会、同窓会、PTA のご代表の皆様に、高いところからではありますが、
厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます。
長く厳しかった冬もようやく終わり、校庭の桜が今を盛りと咲き誇る今日の佳き日に、
平成24年度入学式を晴れやかに挙行できますこと、私ども教職員一同、大きな喜びであ
ります。
さて、ただいま入学を許可した国際文化科 160 名、総合科学科 120 名、計 280 名の皆さ
ん、入学本当におめでとう。また、この日を待ち望み、子どもさんの成長を支えてこられ
た保護者の皆様、おめでとうございます。心からお慶びを申し上げます
本校は、泉北ニュータウンの開発とともに昭和 44 年 4 月に開校し、40 年を超える歴史
を重ねて来ました。創設当時の普通科から平成 4 年には国際教養科を設置し、平成 17 年に
は、国際社会で活躍できる人材・天然資源に乏しい我が国の発展を担う科学技術に長けた
人材の育成をめざす総合科学科の 2 学科からなる国際・科学高校へ改編いたしました。
この間、平成 15 年には学力向上フロンティア・ハイスクール、平成 18 年にはスーパー
サイエンス・ハイスクール、そして昨年度よりイングリッシュフロンティア・ハイスクー
ルの指定を受け、常に時代に求められる教育を目指して取り組みを進めてきました。さら
に、今年度より 5 年間スーパーサイエンス・ハイスクールの再指定をいただきました。
これらの指定は、常に新たなる取り組みに挑戦を続け成果を上げてきたことが評価され
ていることの表れであると考えておりますが、今後さらに、これまでの高い水準の教科指
導を維持しつつ、研究指定校にふさわしい斬新で実り豊かな教育活動を展開し、実践して
まいります。
本校への入学を強く志願し、合格を一途に信じて勉学に励んできた生徒の皆さんのこれ
までの道のりは決して平坦なものではなかったと思います。しかし、それだけに、合格発
表の日に自分の番号を見つけた時の感激は、これまでの人生で最高のものではなかったで
しょうか。どうか、あの感激をいつまでも大切にするとともに、苦しく、厳しい受験を立
派に勝ち抜いたという自信と誇りをしっかりもって、これからの高校生活の第一歩を力強
く歩み出してください。
みなさんが高校へ入学したことは、確かに人生の一つの階段を上がったことになります。
しかしあくまでも、これは道の途中であり、決してゴールではありません。気を抜いてし
まわないようにして下さい。この高校入学というのは、これまで義務教育という苗床の中
で育てられていた将来の大樹が、天高く育つそれぞれの土地に植えられた瞬間であると言
う方がいいでしょう。これからの高校生活こそが、みなさんの長い人生の有り様を決める
重要な時間です。
時間は誰にとっても公平に訪れます、長さも変わりません。でも、内容的に見て 15 歳の
時の 1 日、1週間は、40 歳・50 歳のひと月、1 年にもあたります。
しなやかな感性とほとばしる知性の備わるこの時期には、短時間に多くのことが吸収で
きますし、集中してやり遂げることも、また、鋭いひらめきも浮かびます。ですから、こ
の時間を無駄にすることは、もったいないどころではありません。育てていただいた保護
者の期待を裏切り、将来の自分にとっても、日本の社会にも大きな損失を与える、それぐ
らいの重要さがあります。一秒も無駄にしないという気持ちで、力を惜しまず高校生活に
向き合って、目いっぱい勉強し、自分を甘やかさず何事も全力で取り組んでください。
とくに学習面については、勉強の内容も難易度も、そして、求められる学習量も中学校
に比べ一段と高度になります。また、本校の目指す文武両道の実現のためには、家庭での
時間の管理や授業での集中力が特に重要となってきます。これは決して容易なものではあ
りません。ともすると「尐しくらいは」とか、「今日だけは」とかいった都合のよい理由を
つけて、易きに流れようとしたり、
「勉強に専念できないのは○○のせい」と責任転嫁をし
ようとする気持ちが生じるかもしれません。しかし、人は「したくても、我慢しなければ
ならないこと」もあれば「したくなくても、しなければならないこと」もあるのです。ど
うか、自分を厳しく律する気持と、やるべきことに取り組む誠実な心をもって、大いに自
分を高めていって下さい。そういうみなさんを、我々教職員は、喜んで助けていきます。
そして、高校生活を送るときには、常に夢を高く持ってください。いま、目をつむれば
将来自分が社会の第一線で働いている姿が浮かびますか?大学で、外国で、それともどこ
かの研究所で、バリバリ働いてる姿をイメージして、それを目指してください。その場に
いるためには、どういう勉強をすればいいかを、進路はどこにすればいいかを見つけてく
ださい。目標は、高い方がいいでしょう。高い空の北極星を目指すからこそ道に迷わない
のです。妥協したり尻込みをして、手近な低い木や建物などを目標にすると、ちょっとし
た地面の高低や山陰にそれらが隠れて迷ってしまいます。高校に入ってからのいろいろな
体験を通じて、目標とする星は変わっていってもいいのです。でも、いつも目を閉じれば
まぶたの裏に、自分の将来の姿が描いてあることが大事です。いま、浮かばない人は、尐
しでも早くそれを作り上げるようにしていきましょう。
終わりにあたり、保護者の皆様、今後、学校との連携の中で、温かい愛情の中にも厳し
い躾をしていただくことが、必ず、学力や人間性の向上につながります。私ども教職員一
同、お預かりしました子どもさんの教育に、全力で、責任を持って当たってまいる所存で
すので、何卒、よろしくご協力をお願いします。
最後に、新入生の皆さんの高校生活が充実した、すばらしいものとなりますよう、心か
らお祈り申し上げ式辞といたします。
平成24年4月9日
大阪府立泉北高等学校長
桑原 志郎