基本が分かれば簡単・便利 Excel 関数 実用大全 Excelには、日付を“ 計算 ”するための関数が豊富に用意され ている。DATE、YEAR、MONTH、DAYといった「日付関数」 だ。それらの多くは、単独で使うよりも、組み合わせて使うこ とで、その真価を発揮する。今回は、日付関数をうまく活用し て、目的に応じた日付を自動で求める方法を解説しよう。 第 5 回 日付関数は組み合わせて威力を発揮 起算日から一定期間経過 した日付を求める 今回解説する関数の使 用例。機器のレンタル 今日の日付を自動表示し、期限までの残日数を求める サ ー ビスを想定した。 貸出日を基に、貸出期 間が経過した後の返却 予定日を求める。また、 今日の日付を自動表示 し、返却日までの残日 数も表示させる 土屋和人=ライター Excel は、セルに日付や時刻を入 力して、数式でそれらを計算できる。 日付や時刻のデータの実体は、 「シリ アル値」と呼ばれる数値だ。日付の シリアル値は、1900 年1月1日を「1」 として、1日に 1 ずつ増加する整数。 時 刻 の シ リ ア ル 値 は、24 分 の 1 (0.04166……)を1 時間とする小数に なっている。いずれも、表示形式の 設定によって、日付または時刻のデ ●起算日から「○カ月後」の日付を求める ータとしてセルに表示される。 DATE(デイト) 「標準」の表示形式が設定された = DATE(年,月,日) セルに日付と見なされるデータを入 年・月・日を数値で指定して、日付データ(シリアル値)を求める 力すると、自動的に日付の表示形式 YEAR(イヤー) に変更される。日付と見なされるデ = YEAR(シリアル値) ータには、例えば「2012 / 9 / 1」の シリアル値の日付データから、年を表す数値を求める ようにスラッシュで区切った数字や、 MONTH(マンス) 「2012 年 9 月1日」のように年・月・日 の文字を付けた数字などがある。 = MONTH(シリアル値) シリアル値の日付データから、月を表す数値を求める 「○カ月後」の日付を求める DAY(デイ) 「貸出日を入れると、3 カ月後の返 = DAY(シリアル値) シリアル値の日付データから、日を表す数値を求める 却予定日が表示される」というよう 図 1 日付は年・月・日を半角の 「/」で区切って入力するのが基 本。 ここでは F4 セルに貸出日 の日付を入力した。これを起算 日として、F5 セルで指定した 月数だけ経過した日付を返却 =DATE(YEAR(F4) ,MONTH(F4)+F5,DAY(F4) ) 予定日として F6 セルに求めて い る。DATE 関 数 に、YEAR、 MONTH、DAY の各関数を組 み合わせるのが定番の方法だ =DATE(YEAR(F4) ,MONTH(F4)+F5,DAY(F4) ) 年 起算日の年 月 起算日の月に「3」を足す(3 カ月後) 日 起算日の日 図 2 図 1 の数式の構造。起算日の年・月・日の数値をそれぞれ求めて、月の数値にだけ F5 セルの「3」 を加えることで、3 カ月後の日付を求めている に、特定の日付を基準として、その 「○カ月後」を求めたいケースがあ る。これを実現する定番の方法が、 起算日の年・月・日をそれぞれ数値 として取り出し、月の数値に「3カ月 後」なら「3」を加算して、再び日付 の形に戻すという方法だ。 このとき、年・月・日の数値を取り 出すのに使うのが、YEAR(イヤー) 、 MONTH(マンス) 、DAY(デイ)の 各関数。また、それぞれの数値から 日付データを作るのが、DATE(デ 日経パソコン 2012.9.10 89
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