ミルカー点検事例 NO,25 オリオンウエストファリアサージ 検査07年07月00日 システム名 OWS 型式 8W ヘリーボーンパーラー 設置年月 H14年00月 設置5年後の点検 事例24と同じ農家の5年後 静止時検査の結果概要 ①搾乳マッサージ比 NO,2の前側の比率が59:41となっており、後側と同じくらいになっています。一度す べてのパルセーターの分解掃除、部品の交換をして下さい。 まとめ 今回の検査は設置直後5年目の検査です。静止時検査では乳房炎発生に関与するような問題点 はありませんでした。しかし、パルセーターの比率が少し狂いだしてきているので、一度すべて のパルセーターの分解掃除をお勧めます。 緊急を要する提言 1 一度すべてのパルセーターの分解掃除、部品の交換をして下さい。 2 農場がすべきメンテナンス レギュレターのフィルター掃除 中の重水の掃除 ポンプのオイル補充 クリーンラインのフィルターの掃除 毎搾乳毎の真空圧の確認と稼働直後の真空圧計の針の動く速さの確認。 ライナーゴムの交換 3 自動離脱装置の引き上げタイミングを少し早くする。 4 将来はオムニを交換する。 動態検査の結果概要 ①クロー内圧 波形図①②では搾乳の最初から最後までのクロー内圧を連続して測定しています。波形図の1 目盛りが10秒です。縦1目盛りが6kpaを示しています。 波形図②1段目は射乳量(1分間の乳量)の多い牛の波形です。射乳最盛期でもクロー内圧は 36kpa以上を確保できており、搾乳性の低下、乳頭マッサージ圧の問題はないものと思われ ます。 波形図②3段目○印部分はライナースリップの波形です。この波形が頻繁にあると乳房炎の発 生率が高まります。この牛は後乳房の乳頭の位置が近く、常にライナースリップを起こしていた 牛です。この牛では波形の上限変動の幅は(最高最低真空圧の差)は大きく出ており、上下変動 が大きな事が判ります。 ②離脱のタイミング 波形図①で、搾乳後半にクロー内圧が上昇して(乳量が少なくなったから) 、設定圧に近い時間 が見られます。この時間が長いと過搾乳となります。クロー内を見ていても、離脱のタイミング が遅いようにも思えますので、もう1段早くしても良いかと思われます。 まとめ 動態検査の結果は、クロー内圧の上下変動の幅、平均値を見ても大きな問題点はありませんで した。しかし、離脱のタイミングが少し遅いように思われますので、調整が必要です。オムニは 年数を経ると故障が多くなりますので、どこかで離脱装置の更新が必要となります。離脱装置の 感度が鈍くなるようでしたら、検討が必要です。 搾乳に関しては乳頭壁の拭き方、乳頭口の拭き方がポイントです。タオルの拭く位置を変え乳 頭壁を拭き取ります。特に乳頭口は、乳頭を中指と人差し指で挟み、親指の腹で乳頭口を擦るよ うにして拭き取ります。これを全ての乳頭で行います。タオルはオールイン、オールアウト方式 で入れ換えて使用して下さい。タオルが汚染源とならないようにして下さい。 コメント 設置後5年を経て、パルセーターの部品の消耗により、少し比率が狂いだしてきている。分解 掃除と部品の交換が必要である。また、離脱装置のオムニの故障が多くなり、離脱のタイミング を調整しづらくなっています。離脱装置の更新が必要かも知れません。 搾乳者の手順は人が変わると、微妙に変わり、乳房炎の基になり得ます。統一した手順になる ように、従業員教育が大事です。
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