ミルカー点検事例 NO,42 ボーマチック パラレルパーラー 事例3の農家の改良後 検査03年07月00日 システム名 ボーマチック 型式 16W パラレルパーラー 責任者 榎谷 設置年月 H13年00月 1年目の定期点検 パルセーターライン改修後 静止時検査の結果概要 ①パルセーターの搾乳:マッサージ比 搾乳とマッサージの比率は前乳区50:50、後乳区60:40に設定されています。左3番 目では前後の配線が逆になっていました。 ②波形 Bフェイズ (ライナーゴムが拡がって牛乳を吸い出している時間) 問題ありませんが、波形に乱れ(波うち)が生じています。 パラレルパーラーではパルセーター同士の距離が短くなり、瞬間的な真空の供給が不足するこ とが起こり得ます。特に一斉に同じ動きをするタイプではこの様な心配が更に起こり得ます。こ の結果パルセーターラインの真空の変動が大きく出ています。 ③システムバキュームの測定 各部分の真空圧を測定する事により、配管の詰まりや相互の位置関係を見るテストです。 乳房炎に関する大きな問題はありません。左右のレシーバーの真空圧も同じになっています。 パルセーターラインの真空圧の変動幅は、前回の配管修理により小さくなっています。 ④ユニット落下テスト 1ユニットより空気を入れ続け、どれくらい真空圧が低下するかを見るテストで、真空圧の保 持力を見ます。ミルキングパーラーでは1ユニット落下しても真空圧が低下しないぐらいの能力 が求められます。1人で多くのユニットを扱うので、多少の空気の流入は機械がカバーできる必 要があります。 片側各1ユニット(合計2ユニット)でレシーバージャー圧は1.0KPA低下します。更に 片側各2ユニット(合計4ユニット)でレシーバージャー圧は3.0KPA低下します。 合計3ユニットまでは、真空圧を保持できていますが、前回よりも2ユニット落下時の真空圧が低 くなっています。 ⑤エフェクティブリザーブ (参考波形図⑮) 42.3KPA で 108.5CFM(3070L) 1 インチ=2.54CM 1CM=0.75KPA 10CFM=283L/MIN この検査は、システム内にどれくらいの空気が入ったらレシーバージャー圧が2KPA低下す るかを見るもので、システム全体の余裕量と考えます。この量が少ないとすぐにレシーバーの真 空圧が低下して、乳房炎の発生が多くなります。 前回検査時よりも大きく低下しています。(前回131.0CFM 今回108.5CFM) ⑥各部位のエアの消費量 パルセーター1台 真空消費量 今回20L 前回22L/1台 問題ありません。 ブリードホール 真空消費量 今回 9L 前回 7L/1台 問題ありません。 パーフェクションミルクメーター 真空消費量 全体で141Lのエア漏れがありました。 改善が必要です。 ⑦レギュレタークロージャーテスト 真空圧が低下したときには、レギュレターが感知して真空圧を低下させないようにします。そ れでも尚且つ真空圧を下げたときに、レギュレターがきちんと閉じて空気を入れていないかを見 ます。先のエフェクティブリザーブとマニュアルリザーブの比から算出します。 108.5/134.0*100=80.9% ーの分解掃除が必要です。 前回よりも大きく低下しており、レギュレタ まとめ 今回改良後の1年目の検査です。前回問題のパルセーターラインの真空圧の変動とパルセータ ー波形の異常は改善されています。しかし、レギュレターの不調からエフクティブリザーブ量は 減っており、大きな問題点が又見つかりました。2ヶ月に一度はレギュレターの分解掃除をして もらってください。(フィルターの掃除はもっとこまめにする。) また、フレッシュライン(パル セーターに空気を送るライン)のフィルターの掃除も行ってください。 今後は定期的なメンテナンスと共に、部品の交換を行うようにして下さい。 緊急を要する提言 1 フレッシュラインのフィルターの掃除を定期的にする。 2 レギュレターを分解掃除し、部品の交換をする。 3 パーフェクションミルクメーターのエア漏れを修理する。 部品の交換をする。 4 2連チューブの接続法を習得する。 5 洗浄ラインのバルブを交換する。 (洗浄と搾乳切り替えバルブ) コメント 設置直後の点検で、パルセーターラインの作りに問題があり、それを改修後の定期点検である。 ある程度までは改良できてはいるが、完全には改善できていない。設計の段階から検討しないと 解決できない問題点であった。また、定期的メンテナンスを如何にするかによって、問題点が生 ずるか否かが決まる。
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