今週の日米株式ストラテジー - 大和証券

2015.1.9
今週の日米株式ストラテジー
∼米国の雇用統計の改善や小売売上の増加で日米株高が進む可能性∼
図表① NYダウと米 10 年国債利回り
2015 年の取引初日となった先週月曜日(1/5)の ∼1/8 のNYダウは 323 ドル高と続伸し、米 10
日経平均は 42 円安と 3 日続落した。年末年始の米 年国債利回りは 2%台を回復した∼
1/6 の日経平均は 12/17 以来の 17000 円割れ
3.1
国株式相場が(ギリシャ政局の不透明感などを背景 18400
(ドル)
NYダウ(左軸)
米10年国債利回り(右軸) 1/8まで (%)
に)下げたことが嫌気された。さらに、月曜日の米
2.8
国市場でギリシャのユーロ離脱観測や原油安が嫌 17600
気され、NY ダウが 331 ドル安と大幅に反落すると、
翌火曜日(1/6)の日経平均は 525 円安と大幅に 4 16800
2.5
日続落し、12/17 以来の 17000 円割れとなった。そ
の後、火曜日の米国市場では原油安が続いたことや 16000
2.2
12 月の ISM 非製造業景況感指数が低下したことな
どが嫌気され、NY ダウが 130 ドル安と続落したが、
15200
1.9
翌水曜日(1/7)の東京市場では自律反発期待の買い
14/1/9 3/10
5/6
7/2
8/28 10/24 12/22
が入り、日経平均は 2 円高と小反発した。そして、 出所 ダウ・ジョーンズなど
水曜日の米国市場で原油安が一服したことなどが
好感され、NY ダウが 212 ドル高と 3 日ぶりに反発 図表② 日経平均と円/ドル
すると、翌木曜日(1/8)の日経平均は 281 円高と ∼1/6 の円/ドルは一時 118 円 05 銭を付けた∼
18600
124
大幅に続伸し、17000 円台を回復した。
1/8まで
米雇用統計や小売売上で株高が進む可能性
本稿執筆時点では 1/9 発表の米 12 月の雇用統計
の結果は明らかになっていない。失業率は 5.7%(11
月比 0.1 ポイント低下)、非農業部門雇用者数は前
月比 24 万人増と予想されている(11 月は 32.1 万人
増だった)。12/5 に発表された 11 月の雇用統計で
は非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回り、
同日の NY ダウは過去最高値を更新し、12/8 の東京
市場では日経平均が一時 18000 円台を回復した。一
方、12 月の雇用統計では、11 月末の OPEC 総会で
減産が見送られたことを受けて原油安が加速した
影響で、エネルギー関連業種で雇用が減少したので
はないかとの懸念がある。しかし、1/2 に発表され
た 12 月の ISM 製造業景況感指数の雇用指数は前月
比で市場予想以上に上昇した。また、先週 ADP が
発表した 12 月の全米雇用リポートでも(石油関連
企業による人員削減が懸念されたが)、非農業部門
雇用者数(政府部門を除く)が前月比で市場予想以
上に増加し、雇用増は幅広い業種に及んだ。12 月の
雇用統計でも堅調な雇用増が確認され、米国市場や
東京市場で株高が進むと見ている。
今週の米国市場では水曜日(1/14)に発表される
12 月の小売売上及び地区連銀経済報告(ベージュブ
ック)や木曜日(1/15)に発表される 1 月の NY 連
(円/ドル)
(円)
119
17600
16600
114
日経平均(右軸)→
15600
109
14600
104
←円/ドル(左軸)
99
14/1/9
出所
13600
3/10
5/9
7/4
9/1
10/30
12/30
日本経済新聞社など
図表③ 米国の非農業部門雇用者数と失業率
∼12 月の非農業部門雇用者数は前月比 24 万人増
と予想されている∼
11
75
(前月比:万人)
非農業部門雇用者数(左軸)
失業率(右軸)
(%)
50
10
25
9
8
0
▲25
↑
14/12
予想
↓
14/12の雇用統計は
1/9(金)発表
▲50
6
5
▲75
▲100
2005 06
出所
7
4
07
08
09
10
11
12
13
14
15
米労働省
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予
測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。
-1/3-
図表④
米国の小売売上と個人消費支出
銀製造業景気指数などが注目されよう。11 月末にス
∼12 月の小売売上は予想以上に増加する可能性も∼
タートした米年末商戦は出足こそ鈍かったものの、
465
12.4
米国の小売売上(左軸)
(兆$)
クリスマス直前の商戦後半にかけて盛り上がった (10億$)
名目ベースの個人消費支出(右軸)
445
12.0
と伝えられている。今週発表される 12 月の小売売
14/11まで
425
11.6
上は前月比 0.1%増と小幅な伸びにとどまると予想
14/12の小売売上は
1/14(水)発表
されているが、予想以上に増加し、米国市場や東京
405
11.2
市場で好感される可能性があると見ている。
385
10.8
今週の米国市場では企業の 10-12 月期決算発表も
365
10.4
始まる。1/2 時点の主要 500 社の増益率は前年同期
345
10.0
比 4.3%増と、7-9 月期の 10.3%から大幅に鈍化する
と予想されているが、最近は決算発表が進むに連れ
325
9.6
2008/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1
て上方修正されることが多く、最終的には 3∼5%ポ
イント程度高い増益率になると見ている。ただし、 出所 米商務省
個別にはエネルギー関連企業の業績悪化に注意が
図表⑤ 原油先物価格とロシアの国債保証料率
必要だろう。
ギリシャや原油安に対する過度な懸念は不要か
先週月曜日(1/5)の NY ダウが急落した背景は、
ドイツの有力誌シュピーゲル(電子版)が前週末
(1/3)に、政治的な混乱が続くギリシャについて、
必要な場合はユーロ圏からの離脱をドイツ政府が
容認する方針だと報じたことに加えて、原油先物市
場で WTI が一時1バレル 50 ドルを割り込む場面が
あったことである。原油安の背景としては、昨年末
にサウジのヌアイミ石油鉱物資源相が中東情報誌
に対して、原油価格が 20 ドルまで下げても「減産
は OPEC 加盟国の利益にならない」と指摘したこと
が改めて売り材料視された可能性もあろう。
ギリシャについては、1/25 の総選挙で緊縮路線に
反対する野党の急進左派連合が優勢と伝えられて
いることも市場の懸念材料だが、ギリシャを火元と
する 2009 年末以降の欧州債務危機の教訓として現
在は ESM(欧州安定メカニズム)などの安全網が
整備されていることもあり、過度な懸念は不要だろ
う。一方、原油先物価格(WTI)については、リー
マンショック後の安値(33 ドル台)に接近するとは
考え難く、50 ドル割れは長続きしないと見ている。
東京市場では、昨年 11 月末に 11 兆円を超え、過
去 2 番目の水準に積みあがった MRF の残高が 12
月末時点でもほとんど変わっていない。目先の日本
株は米国株の値動きに一喜一憂する展開と想定す
るが、個人投資家の待機資金は潤沢で、株安局面で
は押し目買いが入りやすいと見ている。
(野間口毅)
∼WTIがリーマンショック後の安値(33 ドル
台)に接近するとは考え難い∼
119
(ドル/バレル)
1/8まで
7.0
(%)
6.0
106
93
5.0
↑
(左軸)WTI期近物
4.0
80
ロシアの国債保証料率(5年物:右軸)
↓
67
3.0
54
2.0
41
14/1/9
出所
1.0
3/10
5/6
7/2
8/28
10/24
12/22
NYMEXなど
図表⑥ 日経平均とMRFの純資産総額
∼昨年 11 月に急増したMRFの残高は、12 月末時
点でもほとんど変わっていない∼
22000
日経平均(左軸)
(円)
12
MRFの純資産総額(右軸)
←14/12末
10
19500
8
17000
15/1/8
14500
6
12000
4
9500
2
7000
1998 2000
出所
0
02
04
06
08
10
12
14
(兆円)
日本経済新聞社、投資信託協会
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
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-2/3-
お取引にあたっての手数料等およびリスクについて
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「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で
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-3/3-