平成26(2014)年9月10日(水)発行 第 27 号 <「月」>JH1NVH 3度目の正直!でした。今年3回あったスーパームーンの 最後の撮影に成功しました。(スーパームーンについては, 8月11日発行第20号で紹介しました。) 午後8時頃我が家の2階ベランダから南東方向にのぼった 満月を激写しました。天体望遠鏡の接眼レンズに直接デジカ メを付けて撮影したのでうまくとれていませんし,他の建物 との比較がないので「スーパームーン??なの」と言われて も仕方ないのですが,取り敢えずきれいなお月様の表面を捉えるこ とができました。次回は平成27年の9月だそうです。 月の幻想的な美しさは,かぐや姫伝説やエリックカールの絵本「パ パ,お月様とって!」で描かれているように,身近な存在ではある けれどなかなか手に入らない,私たち人間のあこがれの天体なんで すね。 最近は,月旅行が現実味を帯びてきていますが,まだまだ高嶺の花(月)であることには 違いありません。 「パパ,お月様とって!」は,私も子どもたちに読んで聞かせたことがありますが,雄大 な話と仕掛け絵本としての壮大さ,娘思いの父親の一生懸命さにワクワクしている様子を見 るのが楽しみな絵本の一冊です。 また,中国の詩人,李白だったと思いますが,月のよい晩に舟遊びに出掛け,くっきりと 水の上に映っていた月をしばらくじっと見つめていたのですが,ふいに,「あのお月さまを つかまえるんだ」といって,水の中へ飛びこんでしまいました。それが,李白の最期だった という伝説があります。 さらに,小倉百人一首に「月月(々)に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」とい う句がありますが,何月を詠った句でしょうか?というクイズがありました。 答えは,8月です。(旧暦の8月15日) その心は「句中の月の数を数えると8つあるから」です。偶然かも知れませんが,この時 期の満月は実に風情があって良いものです。 松尾芭蕉も「名月や池をめぐりて夜もすがら」と詠んでいます。 「名月をとってくれよと泣く子かな」は小林一茶の句です。 百人一首には他にもたくさん「月」の句が詠まれています。(昨年度の日々雑感第9号で 紹介した百人一首の自作ソフトを使って幾首かを読み込んでみました。) 「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」(安倍仲麿) 「今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな」(素性法師) 「月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど」(大江千里) 「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪」(坂上是則) 「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづくに 月宿るらむ」(清原深養父) 「やすらはで 寝なましものを 小夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな」(赤染衛門) 「心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな」(三条院) 「ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる」(後徳大寺左大臣) 「嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな」(西行法師)
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