中 学 校 数 学 科 学 習 指 導 案

中 学 校 数 学 科
学 習 指 導 案
授業者:東京教師道場 算数・数学組
中学校班 助言者
国分寺市立第一中学校 岸 知聡
1.日
時
平成18年○月○日
2.場
所
国分寺市立第一中学校
3.対
象
国分寺市立第一中学校
4.単元名
2章
平方根
5校時
3年○組 40名
(
「中学校数学3」学校図書)
5.単元の指導目標
・数の平方根の必要性とその意味や表し方を理解する。
・平方根の大小関係を理解するとともに、数としての平方根の理解を深める。
・平方根の乗除や加減について理解し、平方根を目的に応じて変形することや、平方根
の四則計算を行うことができる。
・根号を含んだ式のいろいろな問題を解決することができる。
6.単元の評価規準
1
節
平
方
根
【ア 数学への関心・意欲・態度】
①平方根を用いて考えることのよさに関心をもち、平方根の表し方や性質を調べようと
する。
②平方根の大きさに関心をもち、およその値などを調べようとする。
評 【イ 数学的な見方や考え方】
①正方形の1辺の長さなど、具体的な場面と関連づけて平方根の意味を考察することが
できる。
価 ②平方根のおよその値を考察することができる。
③平方根の個数や根号の必要性などについて考察することができる。
④平方根の大小は、根号の中の数の大小によって判断できることを見いだすことができ
規
る。
【ウ 数学的な表現・処理】
準 ①正の数の平方根を、根号を使って表すことができる。
②平方根の大小を比べ、不等号を用いて表すことができる。
【エ 数量、図形などについての知識・理解】
①平方根の意味や必要性を理解する。
②根号を使った平方根の表し方を理解する。
③平方根の大小関係の判断の仕方を理解する。
-1-
7.単元の指導計画と評価計画(6時間扱い)
主
な
1
学
節
習
平
内
方
容
時間
根
評価規準との関連
ア
イ
ウ
エ
①
①・②
②
③
①・②
②・③
1 平方根の意味と表し方
2
①
①
2 平方根のおよその値
1
②
②
3 根号の必要性(本時)
1
①
③
4 平方根の大小
1
②
④
5 まとめ
1
8.本時の指導
①本時のねらい(本時の評価規準)
・平方根を用いて考えることのよさに関心を持ち、長方形の面積などの値を求めよう
とする。
【関心・意欲・態度①】
・根号の必要性について考察し、その記号のもつよさに気づく。
【見方や考え方②】
②本時のねらいについて
実生活の中には、正方形の対角線の長さのように有理数では表すことができない量が
存在している。中学校第3学年の学習では、二次方程式を解く場合や、三平方の定理を
利用して長さを求める場合などにおいて、数の範囲をこれまでの有理数から無理数にま
で拡張しなければならない。本単元では、数を平方することの逆演算を考える活動を通
して、有理数では表すことのできない数が存在することを知り、正の数の平方根の必要
性と意味を理解し、問題解決的な場面でそれを用いることができるようにすることを目
標としている。そして、正の数の平方根を表す記号として√ が導入される。
根号√ を用いて表現することは、円周率3.14… をπで表したのと同じように、数
を記号的に扱っていくことになる。生徒のなかには、定義を確認した後すぐに式の操作
の仕方に移行することで、平方根の必要性や記号のもつよさを十分理解しないまま、た
だ形式的に演算を行っているものもいるのではないだろうか。
根号√ を用いることのよさとして、これまでに十分に表し得なかった数を簡潔・明
瞭に表現すること、平方根を含む式の計算を能率的に行うことができることなどが挙げ
られる。また、数の平方根の近似値を求めることは、平方根を数として認識する上で重
要なことである。
前時の「平方根のおよその値」を考察する場面において、生徒は「2や3などの数の
平方根は分数では表すことができない数であること 」
「それらの数を近似値を用いずに
正確に表現するためには根号√が必要であること」を学習している。それらをふまえた
上で本時の授業では、長方形の面積について考察するという具体的な場面と関連づけて、
根号√の必要性や根号√のもつよさ、また、平方根をおよその値で表すことのよさに気
づき、数としての平方根の理解を深めることをねらいとした。
-2-
③指導方法・教材の工夫
ア
指導方法について
「根号を含む数で表すこと」と「近似値で表すこと」との比較
・・・生徒自らがそれぞれの表し方のもつよさに気づくよう、同じ問題を
2通りの方法で取り組ませ比較させる。
イ
教材について
ワークシートの利用
・・・長方形の面積を視覚的にとらえることができるよう、また実際に定
規を使って長さを測れるよう、原寸大の図形を載せたワークシート
を利用する。
ウ
評価について
「授業内容確認シート」「自己評価シート」の利用
・・・生徒が本時の学習内容を振り返るために「授業内容確認シート」を
利用する。また、学習への取り組みを自己評価できるよう「自己評
価シート」を利用する。
④授業観察の視点
ア
指導方法について
同じ問題を「根号を含む数で表すこと」と「近似値で表すこと」との2通りの方
法で取り組ませ比較させる指導を通して、「生徒自らがそれぞれの表し方のもつ
よさに気づく」という本時のねらいが達成できたか。
イ
教材について
使用した「ワークシート」は、本時のねらいを達成するために適切であったか。
ウ
評価について
使用した「授業内容確認シート」「自己評価シート」の項目は、生徒が本時の学
習内容を振り返り、学習への取り組みを自己評価するために適切であったか。
⑤学習活動
学
習
活
動
指導上の留意点◇・支援☆・評価◎
・前時の復習を行う。
導
∼ 平方根の表し方・およその値
入 ・本時の学習のねらいを伝える。
◇「平方根を表すときになぜ根号√を使う
「なぜ平方根は根号を用いて表すのか」
-3-
のか」という素朴な疑問を導入とする。
・ワークシートAの問に取り組む。
◇長方形の面積の求め方を複数見つけるよ
う指示する。方法によっては計算機を利
用させる。
☆長方形のたて,よこの長さに着目させる。
☆定規などを用いて長さを測ってもよいこ
とを助言する。
◎【関心・意欲・態度①】
・評価方法
ワークシートAの記入内容
・おおむね満足できると判断される状況
自ら考えた面積の求め方を1つ記述し
ている。
展
・指名された生徒は、求め方を説明する。 ◇自分とは別の方法については、赤ペンで
ワークシートに記入するよう指示する。
◇「方眼のマス目を利用する方法」「近似
値による計算」「根号を含む数による計
算」の3通りは確認させる。
・根号を含む数の乗法を理解する。
◇根号を含む数の乗法の仕方を理解させ
る。なぜそのような計算方法になるのか
については次説で詳しく説明するので、
ここでは深入りしないようにする。
・ワークシートAの練習問題に取り組む。 ☆根号を含む数の乗法の仕方について机間
開
指導する。
・指名された生徒は、答を発表する。
・3の正の平方根と12の正の平方根の積 ◇クラスを「近似値による計算」のチーム
を求める。
と「根号を含む数による計算」のチーム
の2通りに分けて取り組ませ、解答が分
かったものから手を挙げさせる。
・3の正の平方根と12の正の平方根の積
の答合わせを行い、ワークシートBに記
入する。
-4-
・根号を使って表すことのよさを考える。 ☆「近似値による計算」と「根号を含む数
「平方根を簡潔に表すことができる」
による計算」を比較しながら考えるよう
「平方根の計算を能率的に行うこと
助言する。
ができる」
◇根号を使って表すことのよさを理解させ
る。
・ワークシートBの問に取り組む。
◇根号を用いて考えるように指示する。
☆長方形のたて,よこの長さに着目させる。
展
◇答が整数ではなく根号を用いて表す数に
なることを確認する。
・根号を含む数√6のおよその値を考える。◇計算機を利用するよう指示する。
・根号を使って表すことのよさを考える。 ◇近似値を利用することのよさを理解させ
「数としての大きさをとらえやすい」
る。
・ワークシートBの「まとめ」を記入する。
・
「授業内容確認シート」を記入する。
開
◎【見方・考え方②】
・評価方法
授業内容確認シートの記入内容
・おおむね満足できると判断される状況
「根号を利用すると平方根を簡潔・明瞭
に表すことができる」というような内
容に触れている。
・ワークシートC,Dに取り組む。
◇終わらなかった問題は家庭学習とする。
・学習内容のまとめをおこなう。
◇「根号を用いることのよさ」「近似値を
ま
用いることのよさ」を確認する。
と ・自己評価シートを記入する。
◇自己評価シートの記入方法を説明する。
め
◇ワークシートA,B,自己評価シートを
回収する。
-5-
ワ ー ク シ ー ト A ( 2章・平方根 )
3年
◆問
組
番
氏名
下の図の斜線の長方形の面積を、いろいろな方法で求めてみましょう。
ただし、1マスを1㎝とします。
2á
8á
【方法1】
【方法2】
【方法3】
平方根の乗法
√a × √b =
◆練習
次の計算をしましょう。
①
√3 × √7
②
√
2×√
32
ワ ー ク シ ー ト B ( 2章・平方根 )
3年
組
番
氏名
◇ 『3の正の平方根』と『 12 の正の平方根』の積を求めよう。
① およその値で計算する
(3の正の平方根)×( 12 の正の平方根)
=
×
=
② 根号を使って計算する
(3の正の平方根)×( 12 の正の平方根)
=
×
=
=
1 . 7320508
=
√3
3á
á
◆問
12á
√
12 = 3 . 4641016
下の図の斜線の長方形の面積を求めましょう。
(答)
2á
3á
まとめ
平方根を表すときに
根号√を使って表すと …
およその値で表すと …
ワ ー ク シ ー ト C ( 2章・平方根 )
3年
◆問
組
番
氏名
下の図について次の問に答えましょう。ただし、1マスを1㎝とします。
(1)
(2)
斜線の長方形の縦,横のおよその長さを、定規で測り求めましょう。
また、求めたおよその値を使って面積も求めましょう。
縦の長さ
およそ
㎝
横の長さ
およそ
㎝
面
(縦)×(横) =
×
およそ
á
積
=
斜線の長方形の縦,横の長さを根号√を使って表しましょう。
また、根号√を使って表した値を使って面積も求めましょう。
縦の長さ
㎝
横の長さ
㎝
面
積
(縦)×(横) =
×
á
=
3年
組
番
氏名
学習内容確認シート (平方根について)
◆平方根を根号√ を使って表すことのよさは何ですか。
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
自己評価シート(平方根について)
◆次の質問に対してA∼Dの中からひとつ選んで答えましょう。
A:よくできた
B:できた
C:あまりできなかった
D:できなかった
1.今回の授業 (平方根を根号√ を使って表すことのよさを理解する学習) に
意欲的に取り組むことができましたか。
2.「 平方根を根号√ を使って表すことのよさ 」を理解できましたか。
3.「 平方根をおよその値で表すことのよさ 」を理解できましたか。
4.授業の感想