ムーディーズがフランス国債を「Aa1」に格下げ - 三井住友トラスト

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2012年11月21日
マーケットレポート
ムーディーズがフランス国債を「Aa1」に格下げ
2012年11月19日、大手格付機関ムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ社)は、フラ
ンス国債の自国通貨建長期債務格付、外貨建長期債務格付ともに最上位の「Aaa」から「Aa1」へ1段階引き
下げました。見通しは引き続き「ネガティブ(弱含み)」としました。なお、フランス国債の格付については既に
今年1月に大手格付機関スタンダード・アンド・プアーズ(以下、S&P社)が「AAA」から「AA+」に引き下げており、
今回のムーディーズ社による格下げの影響は限定的とみられます。
‹利下げの背景
ムーディーズ社は格下げ並びに見通しを「ネガティブ」に据え置いた理由として以下の3点を挙げています。
①競争力の低下、硬直した労働市場など複数の構造問題のために長期的な経済成長の見通しが弱いこと。
②経済見通しの悪化に伴い、財政収支の見通しが不透明なこと。
③貿易や金融システムを通じて周縁国の影響を受けやすく、ユーロ圏向けの支援が増えていることを考慮す
ると、今後新たにユーロ圏でなんらかのショックが生じた場合に耐久力が若干低下していること。
格下げ発表直後は若干ユーロが主要通貨に対して売られましたが、欧米市場ではむしろユーロが買い戻
され、対円では5月4日以来となる104.77円まで上昇する場面もありました。
‹今後の見通し
フランスの長期的な成長力が低下していることは既に周知の事実で、構造改革を実施するため今年5月に
オランド政権が樹立したともいえます。したがって、今回の格下げについては違和感はないものの、タイミング
については意外感をもって受け止められました。モスコビシ仏財務相は、「前政権の政策への制裁である」と
しつつも、「構造改革を推進するモチベーションになる」と述べました。フランス政府が引き続き構造改革を推
進していく限り、当面の間、更なる格下げの可能性は小さいといえます。
また、今回のムーディーズ社の格下げを受けた為替市場、債券市場への影響は限定的です。ユーロ圏に
とっては、スペインやギリシャをめぐる動向がより重要であり、スペインが正式に金融支援を要請すればさら
に底堅い展開となることも考えられます。
以上
フランスの長期債務格付(2012年11月19日現在)
自国通貨建て
外貨建て
見通し
格付変更日
ムーディーズ
Aa1
Aa1
ネガティブ(弱含み)
2012年11月19日
(参考)S&P
AA+
AA+
ネガティブ(弱含み)
2012年1月13日
<フランス10年国債利回りと為替(1ユーロ=円)の推移>
(2010年10月1日~2012年11月20日、日次) (円)
(%)
7.0
125 円安
フランス10年国債利回り(左軸)
ユーロ/円(右軸)
6.0
120
5.0
115
4.0
110
3.0
105
2.0
100
1.0
95
0.0
10/10 10/12 11/2
90
11/4
11/6
11/8 11/10 11/12 12/2
12/4
12/6
12/8 12/10
円高
(年/月)
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