03 版)2007 年 8 月 20 日 別紙2 富士通テン株式会社 調達本部・地球環境部 指定有害物質の非含有管理に関する指針 1. 本指針の目的 欧州 ELV 指令・RoHS 指令を始めとして、今後、製品に含有する環境負荷物質(以下、SOC という)に 対する法規制が強化されていくものと考えられます。 富士通テングループでは 2001 年 9 月に「グリーン調達ガイドライン」を発行し、管理の対象とする SOC を「使用禁止物質」「使用監視物質」に区分して、納入部材への含有禁止、製造工程での使用禁止 および、使用している場合の報告をお願いしております。 欧州 ELV 指令・RoHS 指令の遵守を確実なものとする為には、SOC の使用状況について、部材の 設計値による管理だけでなく、不純物を含め、素材ごとの実測値による厳密な管理・評価が必要となり ます。本指針は SOC の実測値による含有有無をどのように管理・評価すべきかをまとめたものです。 ※SOC:Substances Of Concern 2. 適用範囲 2.1 対象部材 富士通テングループの製品(仕入先の納入形態)及び製品を構成する部材(仕入先の納入形態: 部品、材料、副資材、包装材等)の全てに適用します。 2.2 対象物質 欧州 ELV 指令・RoHS 指令で原則使用禁止とされた次の環境負荷物質(以下、指定SOCという)に 適用します。 【指定SOC】:カドミウム、鉛、六価クロム、水銀、PBB、PBDE 3. 用語の定義 3.1 指定SOC非含有 素材における対象物質の含有率(濃度)が規制値(閾値)を超えないことをいう。 3.2 意図的含有 性能向上などの目的により指定SOCを素材に添加・混合すること、または部材の製造工程で目的 をもって使用された指定SOCが納入部材に付着・混入することをいう。 (指定SOCが、未反応生成物または、不純物として非意図的に納入品に含まれる場合は、意図的 含有とはならない。) 3.3 不純物 天然原料中に含有され、工業材料として製造される過程で除去しきれない物質。 3.4 素材 特定の使用目的をもって特定の位置に配置/形成されており、使用目的を達成する上でそれ以上 分割できない均一材料、または均一とみなせる複合材料。(付図 1,付図 2 参照) -1- 3.5 含有濃度 素材に含まれる指定SOCの質量を素材全体の質量で割ったもの。但し、金属化合物の場合は、 対象金属成分のみの質量を素材全体の質量で割ったものとする。 4. 指定 SOC 非含有管理の原則 指定 SOC については、グリーン調達ガイドラインの別紙1の付表 2 に定める制限規定のある場合を 除き、意図的な含有は原則として認められません。また、意図的・非意図的含有(不純物や未反応 生成物)にかかわらず同基準に定める閾値より高い濃度での含有は認められません。 指定SOC非含有管理の基本的な考え方は以下の通りです。 ①源流管理 : 素材段階において、指定SOCが含有することのないように管理する ②トレーサビリティー : 素性(指定SOCが含有していないこと)の判明している素材を使用する ③管理責任 : 部材を納入する者は、納入する部材の全構成素材について、含有化学物質の 情報が正しいか否か、適宜適切な手段によって検証する 5. 管理の単位 指定SOCの含有濃度は、製品を構成する部材それぞれの素材が管理単位となります。 従って、素材毎の含有濃度は閾値以下でなければなりません。 注)素材とは、それ以上分解できない単位のことをいい、以下に管理すべき例を示します。(付図 2 参照) 5.1 異なる素材として管理すべき例 ・構造材や板金の母材である「金属」と表面の「めっき皮膜」や「クロメート皮膜」、「塗装皮膜」 ・成形された「プラスチック」と表面に印刷した「インク」や「塗装皮膜」 ・プリント基板やLSIの配線に使用する「金属」と絶縁のために使用する「樹脂」や「ガラス」 5.2 同一素材として管理すべき例 ・2種以上の金属元素からなる合金 ・高分子に無機粒子や低分子化合物が混合されたプラスチック ・プリント基板のコア材に使用するガラス繊維強化エポキシ樹脂 ・金属粉末と高分子成分等の複合材である導電性接着剤 ・発色成分や遮蔽材、高分子ビヒクル等の複合材であるインクや塗料 6. 指定SOCの非含有管理 6.1 指定SOC不使用についての図面記載 仕入先への発行図面には、指定SOCの非含有について以下の注記を記載します。 ・汎用部品、仕入先設計部品 部品仕様書(図種20)に「FDC-002(部材の環境負荷物質管理基準)の禁止・制限規定を遵守する こと」を注記 ・カスタム部品 部品図(図種20)に「FDC-002(部材の環境負荷物質管理基準)の禁止・制限規定を遵守すること」 を注記 -2- 6.2 指定SOCの調査 (仕入先へのお願い事項) グリーン調達ガイドラインの別紙1に定める禁止・制限規定への適合確認のため、指定 SOC の検証 エビデンスの提出をお願いします。但し、欧州 RoHS 指令対象製品(ホーム用として設計された製品) の専用部材を除いては、PBB,PBDE の検証エビデンスの提出を省略してもかまいません。 【検証エビデンス】:、 ① SOC検証エビデンス一覧表(グリーン調達ガイドラインの様式-3) 当社ホームページよりダウンロードしてご使用ください。 http://www.fujitsu-ten.co.jp/ecology/guideline/guideline.htm ② 検証エビデンス(分析データ、成分表等) 6.3 検証エビデンスの条件 1) SOC検証エビデンス一覧表 SOC検証エビデンス一覧表は、欧州 RoHS 指令対象製品(ホーム用として設計された製品)の専用 部材を除き、欧州ELV指令4物質(カドミウム、鉛、六価クロム、水銀)の分析データが記載されて いること。 但し、グリーン調達ガイドラインの別紙1の付表2の№8(電子回路基板用およびその他の電気部品 用のはんだ)に該当する「鉛」の分析データは記載(実測)しなくても構いません。 ・SOC検証エビデンス一覧表の記入要領をご参照ください。 2) SOC検証エビデンス(分析データ、成分表) ・検証エビデンスは、その出所(分析機関)、測定部位名(材料名)、測定値(ppm)、分析方法(算出 方法)が記載されていること。 ・検証エビデンスの分析結果で検出なし(ND)の場合は、定量下限値の記載があること。 ・指定SOCが検出された場合は、意図的含有でないこと及びその理由が明記されていること。 ・検証エビデンスが蛍光 X 線分析法(ED-XRF)データの場合、3σ値(ppm)が記載されていること。 ・対象素材の構成成分が単一成分で 99.9%を超えるものは、分析データに代えて成分表を検証 エビデンスとして提出ください。 6.4 指定SOCの含有有無検証 ・全部材の素材全てを検証することは現時点で非現実的であることから、原則として同一原料および 同一製造工程によって加工された素材は同等とみなします。但し、原料仕入れ段階における指定 SOCの濃度管理(非含有保証)が困難と判断した場合は、十分な検出感度を有する分析手法を 用い、かつ、統計上十分な頻度にて納入部材への加工後に構成素材ごとの成分分析を行って頂く 場合があります。 ・新規採用部材に関する指定SOCの含有有無検証は、当該部材の受入検査部門が行います。 ・指定SOC含有有無の検証は、SOC検証エビデンス一覧表及び検証エビデンス(分析データ、成分 表)の記載データに基づき実施します。 6.5 指定SOCの分析方法および非含有の検証基準 分析方法および検証規準は、FDC-009(環境負荷物質の分析方法及び検証基準)を参照ください。 -3- 7. 検証結果に基づく処置 FDC-009(環境負荷物質の分析方法及び検証基準)に基づき「不合格(対策要) 」となった場合 は、代替部材の検討・評価を行い、所定の申請手続きにより部材の切替えをお願いします。 尚、部材の切替えが完了するまでの間はロット毎に測定を行い、合格したロットについて 受入れるもとします。 付図1 原料・素材・部材の考え方 ビニールテープ 例:アンテナコード A ビニールテープ 原 料 素 材 部 材 付図2 素材として管理すべき例 半導体チップ 絶縁層 モールド樹脂 シリコン 金ワイヤー 配線材 リードフレーム ダイボンド用接着剤 リードフレーム表面処理 表面処理材 例:塗料 :めっき(多層であれば各々のめっき層毎) 鋼板 導体 銅 絶縁体(外部絶縁体) めっき 絶縁体(内部絶縁体) -4-
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