都市計画マスタープランの策定にあたって - 潟上市

第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープランとは
第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープラン策定の目的、役割と位置づけ
2.目標年次
3.まちづくりの課題
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第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープランとは
第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープラン策定の目的、役割と位置づけ
「潟上市都市計画マスタープラン」は、都市計画法第 18 条の2に基づき、都市の将来ビジョンと
その実現に向けた具体的施策の基本方針を明確にすることを目的として策定するものです。
1. 計画の目的、役割
●具体的なまちづくりの将来ビジョンの明確化
市民アンケートや市民懇談会等での市民の意見を反映させながら、まちづくりの具体的な将来ビジ
ョンを明確化して、潟上市全体やそれぞれの地域毎の課題に対応した整備方針を示すとともに、都市
活動や経済活動を支える都市施設の計画等を定めます。
●各種まちづくりおよびまちづくり事業の相互調整
都市の将来像に基づき、土地利用、都市施設、市街地整備、都市環境等の各種のまちづくり事業に
ついて相互の調整を図ります。
●今後の潟上市の都市計画決定、変更の指針となる
都市計画マスタープランは、今後の各種都市計画の決定をする上での根拠となるものです。本計画
に示す将来像は、各種のまちづくり事業を計画する上で、都市計画の決定・変更を行う際の方向を示
す指針としての役割を持ちます。
●市民によるまちづくり活動の方向を示す
市民主体のまちづくりがますます重要となってきています。本マスタープランでは、市民のまちづ
くりへの主体的な取組参加を促し、まちづくりの方向性を示します。
■「潟上市都市計画マスタープラン」策定フロー
潟上市の現況
上位計画等の整理
社会情勢から見たまちづくりの課題
市民意識
潟上市におけるまちづくりの課題
全体構想
1.まちづくりの理念(基本方針)
分野別構想
2.将来都市構造
(1)土地利用方針
(2)都市施設等の整備方針
(3)住環境・市街地の整備方針
(4)都市環境保全の方針
(5)景観形成の方針
(6)産業振興の方針
地域別構想
(1)地域現況と課題
(2)地域づくりの基本方針
(3)地域の整備方針
潟 上 市 都 市 計 画 マ ス タ ー プ ラ ン 策 定
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第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープランとは
2. 計画の位置づけ
潟上市都市計画マスタープランは、潟上市総合発展計画(平成 18 年6月策定)等の上位計画に即
するとともに、関連する各種計画と整合を図りつつ策定します。
本都市計画マスタープランは、上位計画の改定や社会情勢の変化等により、必要に応じて見直しを
行うこととします。
潟上市国土利用計画(H21.6)
即する
潟上市決定の関連整備計画等
整合
潟上市総合発展計画
・前期計画(H18.6~H23.3)
潟上市都市計画
マスタープラン
即する
・後期計画(H23.4~H28.3)
秋田都市計画区域マスタープラン
(都市計画区域の整備、
開発及び保全の方針)
・全体構想
・地域別構想
・潟上市環境基本計画
・潟上市農業振興地域整備計画
その他福祉、商業等の関連計画
個別の都市計画
即する
即する
反映
・土地利用規制
・道路、公園、上下水道等
都市施設計画
3. 計画の策定体制
「潟上市都市計画マスタープラン」の策定にあたっては、市民アンケートや市民懇談会により市民
の意見を汲み上げて、事務局案を作成、庁内で事務局案を検討したうえで、学識経験者や市民代表者
などからなる策定委員会での検討・提案を受け計画づくりを行います。
潟上市総合土地利用計画策定体制フロー
(都市計画マスタープラン策定)
市
報告
長
議
説明
要請
H23.3現在
説明・報告
会
潟上市都市計画審議会
提案・意見
市民参加
潟上市総合土地利用計画
策定会議(庁内体制)
素案提示
提案
潟上市総合土地利用計画
幹事会(課長級)
秋田県
協議
秋田市
総合土地利用計画策定会議
策定部会(班長級)
総合土地利用計画策定会議
プロジェクトチーム
事務局(都市建設課)
説明
提案
潟上市都市計画マスタープラン策定委員会
●全体構想の検討
●地域別構想の検討
(地域の代表者、各種団体代表者等の市民)
市民懇談会
●都市計画に対する意見聴取
●地域別構想に対する意見等
市民アンケート
3,000人対象
公表
意見
パブリックコメント
市広報、ホームページ等への公表
●都市計画に対する意見聴取
2.目標年次
本計画は、平成 22 年を基準年次とし、20 年後の平成 42 年を目標年次と設定します。
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第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープランとは
3.まちづくりの課題
1. 広域的な位置づけ
1)県都秋田市の近郊住宅地
県都秋田市に隣接し、道路や鉄道環境、自然環境に恵まれている本市は、雇用の場の整備や居
住環境などの定住条件強化により、住宅の供給地として今後とも発展が期待できます。
2)豊かな自然環境を活用した都市近郊の憩い、レクリエーション空間
日本海と八郎湖の水、出羽丘陵のみどりに囲まれた多様な自然環境と、県都秋田市に隣接する
立地特性を活かして、都市住民の気軽な憩い、レクリエーションの場として交流機能を強化し、
地域の活性化につなげます。
3)秋田中央圏域観光の玄関口
秋田中央圏域観光の玄関口として、交流機能や情報提供機能を強化して、本市のPRによる来
訪者の回遊性向上、農産物の直売等により地域の活性化を図ります。
4)食料生産基地
農産物のブランド力強化、地産地消の推進、直売機能の強化等により、基幹産業としての農業
の競争力を高め、後継者の育成強化、農業経営の安定化を目指すとともに、農産物の供給基地と
して生産能力を向上させます。
三種町
大潟村
八郎潟町
五城目町
男鹿市
井川町
潟上市
秋田市
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第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープランとは
2. 社会情勢から見たまちづくりの課題
最近の都市を取り巻く環境は大きく、かつ、急速に変化しています。
本市の今後のまちづくりは、このような新たな社会の潮流を十分に認識し、長期的な視点に立って
推進していく必要があります。
① 人口減少、少子高齢化社会への対応
わが国の総人口は国立社会保障・人口問題研究所の推計によると平成 18 年をピークに減少に向
かい、世界に類を見ないスピードで高齢化が進展するものと見込まれています。
人口減少、少子高齢化というこれまで経験したことのない社会変化を迎える中で、改めて今後の
まちづくりの方向、自治体の都市経営施策が問われ、これまでの拡大型から成熟型への都市形成の
転換が求められています。
② 地球環境問題への対応
二酸化炭素などの温室効果ガスが引き起こす地球温暖化による海岸線の水没、豪雨、洪水、大型
台風の頻発等が懸念される中で、温室効果ガスを減らすことが全地球的な問題となっています。
さらに、ごみの減量化、省資源化の促進や環境負荷の少ないエネルギーへの転換など、持続可能
な循環型社会の形成が求められています。
また、公共交通機関は安全で利用しやすい「人に優しい交通」、省エネルギーや環境保全に優れ
た「地球に優しい交通」として見直されてきていることから、車社会からの転換を検討する必要が
あります。
③ コンパクトなまちづくりへの対応
無秩序な宅地開発は、市民一人が支える都市施設の量も多くなるほか、訪問介護等の福祉サービ
スやごみの収集、除排雪など、移動を要する行政サービスの効率性を低下させます。持続可能な都
市経営を推進するためには、既にある都市基盤施設や公共公益施設など施設の集積を有効に活用
し、これら既存施設への絞り込んだ行政投資が重要となってきています。
このため、無秩序な開発を抑制し、計画的な土地利用の誘導を図りながらコンパクトなまちづく
りを推進する必要があります。
④ 個性あるまちづくりへの対応
これから本格的な人口減少時代を迎える日本では、社会の成熟化とともに人々の価値観やライフ
スタイルも多様になり、住み方や働き方なども大きく変化しています。このような様々な人々のラ
イフスタイルを実現し、多様で高度な国民ニーズに応えるためには、コンパクトなまちづくりを念
頭に置きながら、都市構造のあり方を見直す必要があります。
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第1章
都市計画マスタープランの策定にあたって
1.都市計画マスタープランとは
3. 潟上市におけるまちづくりの課題
潟上市の現状、市民意向や時代潮流などから、本市の新たなまちづくりへの課題を次のようにまと
めました。
① 地域資源の保全・活用
潟上市は、水とみどりに囲まれた、恵まれた自然環境を有する都市です。これらの地域資源を今
後とも保全し、県都秋田市と隣接する立地特性を活かした快適な住環境づくりを推進していくと同
時に、景観への配慮や交流(観光)資源としての活用をはじめとする、多様な展開を視野に入れた
潟上らしさの創出が必要です。
② 適正な土地利用の規制と誘導
人口の減少、地域間競争の激化等で自立性の高い地域社会の形成が求められる中で、適正な土地
利用に対する取り組みが必要です。このため、農地や自然環境を維持・保全しつつも、潟上市の課
題や将来のあるべき姿を見据えつつ、住宅や各種産業の立地促進に配慮した適正な土地利用を規
制・誘導していく必要があります。
③ 都市機能の向上と適正な配置
公共公益施設の配置状況を見ると偏りがある地域も見られます。施設の統廃合も含めた各公共施
設の見直しが必要となっています。
今後は、効率的で均衡ある施設整備が求められており、さらにバリアフリーの対応など、すべて
の市民が快適な生活を送れるまちづくりを推進することが必要です。
④ 利便性の高いネットワーク形成と高齢化社会に対応した交通環境の充実
潟上市の広域交通網はほぼ完成しているといえますが、市内の各地域間を連絡する道路網は完全
とはいえず、検討する必要があります。また、追分地域・出戸地域では特に都市計画道路の整備が
遅れており、今後、都市計画道路の見直しも視野に入れた検討が必要となっています。
さらに、市域に鉄道6駅が設置されていることを活用した鉄道利用の推進など、高齢化や地球温
暖化等に対応した公共交通のありかたも検討する必要があります。
⑤ 全域が一体的で均衡ある発展を遂げるための検討
本市はV字型に形成された2本の国道(国道7号、国道 101 号)沿いに市街地や住宅地が形成さ
れています。これら2本の軸上で、追分、二田、大久保、下虻川は行政施設や商業・医療施設が立
地する地域の拠点といえ、天王、出戸、飯塚は主に住宅が中心の拠点として機能しています。
さらに鞍掛沼公園(天王グリーンランド)やブルーメッセあきたは本市の交流(観光)拠点とし
て機能しています。
本市はこれらの拠点に商業や工業、医療、文化、スポーツ等の特徴ある機能を有しており、拠点
同士が連携してひとつの都市(潟上市)として構成されています。
しかし、これらの拠点に比べ、市街化調整区域に指定されている野村、大清水をはじめとする地
区や豊川地域は人口の減少が著しく、地域コミュニティの維持という観点から、また、本市全体が
一体的で均衡ある発展を遂げるために、これら地域の土地利用や都市計画等のあり方等について抜
本的な見直し検討を行う必要があります。
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