DRヨ∀M? 凜音 タテ書き小説ネット Byヒナプロジェクト http://pdfnovels.net/ 注意事項 このPDFファイルは﹁小説家になろう﹂で掲載中の小説を﹁タ テ書き小説ネット﹂のシステムが自動的にPDF化させたものです。 この小説の著作権は小説の作者にあります。そのため、作者また は﹁小説家になろう﹂および﹁タテ書き小説ネット﹂を運営するヒ ナプロジェクトに無断でこのPDFファイル及び小説を、引用の範 囲を超える形で転載、改変、再配布、販売することを一切禁止致し ます。小説の紹介や個人用途での印刷および保存はご自由にどうぞ。 ︻小説タイトル︼ DRヨ∀M? ︻Nコード︼ N3121J ︻作者名︼ 凜音 ︻あらすじ︼ 現実と夢の狭間、揺れ動く私達には、真実など見えていないのか もしれません。 さぁ、今宵は誰が、虚構と虚構の狭間に迷い込むのでしょうか︱ 1 0 これは、夢? はたまた、現実? 時々、解らなくなる。 上も下も、右も左も解らない空間に居るかのように。 言い知れぬ不安が、心を満たす。 夢であったら、どんなに良いか。 偽りの幸せが、心に溢れる。 現であったら、どんなに良いか。 何色もの絵の具を混ぜたような、複雑な色を映しながら。 それでも、世界は続いて行く。 2 僕たちは、生きて行く。 あぁ、また始まる。 これは一体﹃どちら﹄だろう? 僕たちには、知ることなど出来はしないのに︱ 3 1 目の前に広がるのは、緑の草原。 少し離れた所に、駆け回っている大きな犬が見える。 確か、セントバーナードとか言ったかな。 見るからに利口そうで、僕とはまるで違うな、なんて思いながら。 風が気持ち良い。 爽やかなそよ風だ。 いつまでも、こうしてここで、風を感じていたい。 あぁ、だけど これは夢なんだ。 4 もうすぐ、目が覚める。 夜明けが、くる。 またあの、真っ赤な世界に帰るのだ。 争いが争いを呼び、血で血を洗う真っ赤な世界へと。 僕は、平和に暮らしたいだけなのに、夢の中でしか叶わない︱ あぁ、また、始まる。 5 2 目の前に広がるのは、真っ赤な血の海。 後ろの方で、一人の兵士が震えている。 確かこの前来た新人のガキだったか。 気弱そうなツラをして、俺とは全然違うな、なんて思いながら。 あぁ、気分が良い。 まだ喜びが沸き上がっている。 いつまでも、こうしてここで、勝利の余韻に浸っていたい。 あぁ、だけど これは夢なんだ。 6 もうすぐ、目が覚める。 夜明けが、くる。 またあの、安穏とした世界に帰るのだ。 馴れ合いだけで生き、平和ボケした安穏な世界へと。 俺は、この力を世界に知らしめたいのに、夢の中でしか叶わない︱ あぁ、また、始まる。 7 3 目の前に広がるのは紺碧の海。 平和で、人は優しくて、こんないい島は無いだろう。 景色はこれ程までにたくさんの顔を持つのか。 魚とは、これ程に美味いものだったのか。 海水はこんなにしょっぱいのか、そしてこんなに気持ちが良いのか。 いつまでも、こうしてここで、泳いでいたい。 あぁ、だけど これは夢なんだ。 もうすぐ、目が覚める。 8 夜明けが、くる。 またあの、緑の世界へ帰るのだ。 確かに平和だがつまらない、ただ草しかない、変化の乏しい世界へ。 私は豊かな自然を、そのうつろいをこの体で感じ、生きていたいの に、夢でしか叶わない︱ あぁ、また、始まる。 9 to0 さて、彼らの真実はどこにあるのでしょうか。 彼らは夢を見ていたのか、それとも、現実を見ていたのか。 その答えは、どこにもありません。 あるのはただ、彼らには2つの世界が見えたという事実。 どちらが虚構なのか、はたまたどちらも虚構なのか。 そんなことは、どうでもよいのです。 観客席の皆様には、意味の解らない、つまらない劇と思われるでし ょう。 そう、つまらないものなのです。 10 だからこそ、彼らの人生は輝こうとするのでしょう。 滑稽であり、健気であり。 それが我々の愉しみとなり得るのです。 おや、またどこかで世界が生まれるようです。 それでは皆様、次回の講演をお楽しみに。 そして、永遠にさようなら。 私でさえ、作り出されたひとつの世界なのですから︱ 11 to0︵後書き︶ はい、意味が解らないですね。 まぁ、私たちが見ている夢が本当に夢か確かめる術は無い訳で。 実は今、この瞬間の方こそが夢かもしれない訳で。 人の数だけ世界がある。 しかし、どの世界が真実なのか、誰にも解りはしない訳で。 そんなことを書きたかった⋮気がしないでもありません。 兎に角、ここまで読んで下さった皆様、心より感謝とお詫びを申し 上げます。 12 PDF小説ネット発足にあたって http://ncode.syosetu.com/n3121j/ DRヨ∀M? 2012年10月18日12時02分発行 ット発の縦書き小説を思う存分、堪能してください。 たんのう 公開できるようにしたのがこのPDF小説ネットです。インターネ うとしています。そんな中、誰もが簡単にPDF形式の小説を作成、 など一部を除きインターネット関連=横書きという考えが定着しよ 行し、最近では横書きの書籍も誕生しており、既存書籍の電子出版 小説家になろうの子サイトとして誕生しました。ケータイ小説が流 ビ対応の縦書き小説をインターネット上で配布するという目的の基、 PDF小説ネット︵現、タテ書き小説ネット︶は2007年、ル この小説の詳細については以下のURLをご覧ください。 13
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