ハチミツ中の残留抗菌性薬剤の HPLC 分析

Wakopak®
ハチミツ中の残留抗菌性薬剤の HPLC 分析
近年、食品中の残留薬剤、特に輸入食品への残存が社会的な問題となっており、ハチミ
ツ、ローヤルゼリー、プロポリス等も輸入時に残留薬剤の検査が実施されています。
今回は、テトラサイクリン系抗菌剤 (テトラサイクリン:TC、オキシテトラサイクリン:OTC、クロルテトラサイクリン:CTC)とクロラムフェ
ニコール:CPを同時に前処理し、HPLCにて測定する方法をご紹介します。
<TC,OTC,CTC 及び CP を含むハチミツの分析例>
ハチミツ試料 10g を使用、固相抽出カラムは、Presep-RPP(200mg)、SPE-COOH(500mg)、分析カラム
は Wakopak Navi C18-5、4.6×150mm を使用し、ハチミツ中濃度 0.05ppm の検出が可能となった。
Table.1 ハチミツへの標準添加回収率
mAU
2
<Std. 0.1μg/mL>
12
0
3
0
UV370nm
2
4 6 8 10 12
Time (min)
回収率(%)
平均回収率(n=4)
添加量
0.05μg/g
0.5μg/g
Oxytetracycline
85.6
90.1
Tetracycline
90.7
90.0
Chlortetracycline
94.7
96.4
添加量
0.25μg/g
0.5μg/g
Chloramphenicol
77.9
80.5
<ハチミツ
<ハチミツ>
mAU
2
Std.添加 0.05μg/g>
1
2
0
3
0
UV370nm
コードNo.
001-00030
290-36951
567-20162
2
UV370nm
品
名
Wakopak Navi C18-5
Presep-RPP
BAKERBOND spe(カルボン酸)
サイズ
4.6×150mm
200mg/6mL
500mg/3mL
4 6 8 10 12
Time (min)
容量
1本
10個×5
50個入
希望納入価格
45,000円
32,500円
29,900円
03Ⅴ02-017
<Std.
<HPLC conditions>
0.5μg/mL>
: Wakopak Navi C18-5, 4.6x150mm
Eluent
: CH3 CN/10mM Oxalic acid=20/80(v/v)
Flow rate : 1.0mL/min. at 35℃
1
2
mAU
10
Column
Detection : Tetracyclines
4
UV 370nm
Chloramphenicol
3
UV 280nm
0
Injection vol.:100uL
Sample :
10
Time (min)
1.Oxytetracycline
2.Tetracycline
3.Chlortetracycline
4.Chloramphenicol
<ハチミツ Std.添加
CP:0.098μg/g 相当
0.25μg/g>
4
0
0
4
13.866
<ハチミツ>
13.896
mAU
10
UV280nm
20
mAU
10
0
0
2
4
UV280nm
6 8 10 12 14 16 18
Time (min)
0
UV280nm
2
4
6 8 10 12 14 16 18
Time (min)
<固相抽出条件>
Presep-RPP は ODS と同様に逆
Presep-RPP(200mg)
相的な保持挙動を示す親水性
コンディショニング①CH3 OH 10mL ②H2O 5mL ③0.1M EDTA・2Na 10mL
ハチミツ検体:*1)
洗浄:①H2 O 20mL ②CH3COOC 2H5 0.4mL
乾燥:5 分間空気を吸引
溶出:CH3OH / CH 3COOC2 H5= 10/ 90(v/v) 8mL
ポリマーを充填したカラムで、
高極性不純物を選択的に分離
除去する効果が高く、シリカ系
ODS カラムと比べ少量の溶出液
SPE-COOH(500mg)
回収液(A)+(B)
カラム通過液→回収液(A)
洗浄:①CH 3OH/CH 3COOC2 H5=10/90(v/v)1mL
10mL にメスアップ
→回収液(B)→回収液(A)と合わせる
1mL 採取
洗浄:②CH 3OH 5mL
N2 気流下乾固
再溶解 CH3 CN/10mM シュウ酸
乾燥:5 分間空気を吸引
=10/90(v/v) 1mL
溶出:CH3CN/10mM シュウ酸=10/90(v/v) 5mL
HPLC 100μL:TC,OTC,CTC の分析
HPLC 100μL:CP の分析
*1)ハチミツ10g/20mL(0.2Mクエン酸、リン酸カリウム緩衝液 (pH4.0)、
0.1M EDTA・2Na添加に溶解)
量で TC 類および CP を溶出可能
であった。さらに SPE-COOH カ
ラム処理は、TC、OTC、CTC を保
持し、CP を素通りさせる効果が
あり、両者の分割と不純物の除
去に有効に作用していた。
参考文献:H.Oka, Y.Ikai, N. Kawamura, K.Uno, M.Yamada, J.Chromatography,400(1987)253 -261
03Ⅴ02-017