LC Technical Note 第十七改正日本薬局方 160 ポビドンの分析 GL Sciences Inc. 日米欧三薬局方で医薬品添加物ポビドン(ポリビニルピロリドン)が調和合意され、それに基づき第十七改正日本薬 局方(JP17)で試験項目などが改正となりました。純度試験(7)ギ酸と(8)2-ピロリドンでは高速液体クロマトグラフィー (HPLC)による分析が新規に追加され、純度試験(4)1-ビニル-2-ピロリドンではHPLC条件が変更となりました。 今回、GL7700シリーズを用いてJP17の条件に従い、K値の異なる3種類のポビドン(K15、K30、K90)を使用し、 純度試験(4)、(7)、(8)のHPLCによる分析が良好に行えましたのでご紹介致します。 (R. Hirano) 純度試験(4) 1-ビニル-2-ピロリドン Analyte: システムの性能 10 1-a 2 0 mAU 1. 1-Vinyl-2-pyrrolidone 2. Vinyl acetate 0 20 40 60 Time (min) 2 標準溶液 0 mAU 4 1-b 0 20 40 60 Time (min) 1.0 試料溶液(ポビドンK15) 0.0 mAU 1-c 0 20 40 60 Time (min) 1.0 mAU 試料溶液(ポビドンK30) 0.0 1-d 0 20 40 60 Time (min) 1.0 試料溶液(ポビドンK90) 0.0 mAU 1-e 0 20 40 60 Time (min) HPLC 条件 ・ システム GL7700 HPLC system ・ プレカラム InertSustain AQ-C18 (5 m, 10 x 4.0 mm I.D.) ・ 分離カラムInertSustain AQ-C18 (5 m, 150 x 4.6 mm I.D.) ・ 溶離液 水/アセトニトリル = 9/1 ,v/v ・ 温度 40 ℃ ・ 検出器 UV 235 nm ・ 注入量 20 μL ・ 流速 1.0 mL/min ・システムの性能 分離度 (1-a, 2) : 9.66 (≧ 2.0)* ・システムの再現性 ピーク面積(1-b)の相対標準偏差 (%)(n=6) : 0.65 (≦ 2.0)* *()内数値は薬局方規格値 試料溶液を試験すると試料の一部がカラムに残存する場合があります。 試料溶液を試験する度に、メタノール100%で30分程度洗浄することを推奨します。 分析終了後は、メタノール100%に置換してから栓を閉めて保管してください。 バックナンバーやアプリケーション検索はこちらから・・・ http://www.gls.co.jp/hplc.html GL Sciences LC Technical Note 純度試験(7) ギ酸 1. Formic acid Analyte: 8 8 標準溶液 0 2 4 mAU 4 1-a 1-a 2 mAU 6 6 拡大 10 Time (min) 20 0 0 0 20 40 60 80 Time (min) 100 120 140 160 180 試料溶液(ポビドンK15) 80 1-b 20 40 10 mAU mAU 60 拡大 20 0 1-b 0 20 40 60 0 Time (min) 0 20 40 60 80 Time (min) 100 120 140 160 180 1-c 8 80 試料溶液(ポビドンK30) 6 mAU 20 0 40 2 mAU 4 60 拡大 0 1-c 20 40 60 0 Time (min) 0 20 40 60 80 Time (min) 100 120 140 160 180 80 試料溶液(ポビドンK90) 4 2 1-d 20 0 40 mAU mAU 60 拡大 0 20 1-d 40 60 0 Time (min) 0 20 40 60 80 Time (min) HPLC 条件 ・ システム GL7700 HPLC system ・ 分離カラムHamilton HC-75(H+) (9 m, 300 x 7.8 mm I.D.) ・ 溶離液 0.1 %過塩素酸水溶液 (70% 過塩素酸1 mLに水を加えて全量700 mLとする) ・ 温度 35 ℃ ・ 検出器 UV 210 nm ・ 注入量 50 μL ・ 流速 1.0 mL/min 100 120 140 ・システムの性能 理論段数 (1-a) シンメトリー係数 (1-a) 160 180 : 12,880 (≧ 1,000)* : (0.5 ≦)* 1.13 (≦ 1.5)* ・システムの再現性 ピーク面積(1-a)の相対標準偏差 (%)(n=6) : 0.83 (≦ 2.0)* *()内数値は薬局方規格値 カラムを接続する前にシステム内を溶離液で充分に置換してください。 カラムに有機溶媒を入れないようにご注意ください。 試料溶液を試験すると試料の一部がカラムに残存する場合があります。 試料溶液(特にポビドンK90)を試験後に標準溶液を試験すると、 ギ酸の理論段数・シンメトリー係数が悪化する場合があります。 このような場合、溶離液でしばらく洗浄してから再度標準溶液を試験してください。 分析終了後は、溶離液のまま栓を閉めて保管してください。 バックナンバーやアプリケーション検索はこちらから・・・ http://www.gls.co.jp/hplc.html GL Sciences LC Technical Note 純度試験(8) 2-ピロリドン Analyte: 1. 2-Pyrrolidone 標準溶液 1-a 1-a 2 0 mAU 200 mAU 拡大 0 10 20 30 0 Time (min) 0 20 40 60 Time (min) 80 試料溶液(ポビドンK15) 60 mAU 0 20 40 mAU 拡大 1000 1-b 1-b 0 20 40 60 0 Time (min) 0 20 40 60 Time (min) 1-c 40 20 mAU 1000 mAU 拡大 試料溶液(ポビドンK30) 0 1-c 0 20 40 60 0 Time (min) 0 20 40 60 Time (min) 1-d 40 20 mAU 1000 mAU 拡大 試料溶液(ポビドンK90) 0 1-d 0 20 40 60 0 Time (min) 0 20 40 60 Time (min) HPLC 条件 ・ システム GL7700 HPLC system ・ プレカラム InertSustain AQ-C18 (5 m, 10 x 4.0 mm I.D.) ・ 分離カラムInertSustain AQ-C18 (5 m, 150 x 4.6 mm I.D.) ・ 溶離液 水/メタノール = 19/1 ,v/v ・ 温度 40 ℃ ・ 検出器 UV 205 nm ・ 注入量 50 μL ・ 流速 0.8 mL/min ・システムの性能 理論段数 (1-a) シンメトリー係数 (1-a) : 8,900 (≧ 5,000)* : 1.19 (≦ 1.5)* ・システムの再現性 ピーク面積(1-a)の相対標準偏差 (%)(n=6) : 0.05 (≦ 2.0)* *()内数値は薬局方規格値 試料溶液を試験すると試料の一部がカラムに残存する場合があります。 試料溶液を試験する度に、メタノール100%で30分程度洗浄することを推奨します。 分析終了後は、メタノール100%に置換してから栓を閉めて保管してください。 バックナンバーやアプリケーション検索はこちらから・・・ http://www.gls.co.jp/hplc.html GL Sciences LC Technical Note 参考情報(GC-FIDによる2-ピロリドンの分析) 前頁でご紹介致しました「純度試験(8)2-ピロリドン」試験に付随して、第十七改正日本薬局方 9.41 試薬・試液に GC-FIDによる2-ピロリドンの純度試験も新規収載されました。 今回、ジーエルサイエンス製ガスクロマトグラフ GC-4000 Plusを用いてJP17の条件に従い試験を行ったところ、良好 な分析結果が得られましたのでご紹介致します。 (K. Tamura) 9.41 試薬・試液 2-ピロリドン 純度試験 Analyte: 1. 2-Pyrrolidone (100 mg/mL in Methanol) 4.00E+06 0.00E+00 2.00E+06 uVolts 6.00E+06 8.00E+06 1 0 10 Time (min) 20 拡大 1 面積百分率法による2-ピロリドンの量(%) : 99.7 (≧ 98)* 10000 0 uVolts *()内数値は薬局方規格値 0 GC条件 ・ システム ・ 分離カラム ・ ・ ・ キャリヤーガス 流量 オーブン温度 10 Time (min) GC-4000 Plus GC system InertCap Pure-WAX 0.53 mm I.D. x 30 m df = 1.0 μm He 13.0 mL/min 一定 80 ℃(1 min) – 10 ℃/min – 190 ℃(20 min) バックナンバーやアプリケーション検索はこちらから・・・ 20 ・ ・ ・ ・ ・ 注入方法 注入口温度 検出器 検出器温度 注入量 Split 1:20 200 ℃ FID Auto Range 200 ℃ 1 μL http://www.gls.co.jp/hplc.html GL Sciences LC Technical Note 使用製品 ポビドン純度試験(4)、(8) カラム ポビドン純度試験(7) カラム カラム(JP17本文より抜粋): 内径4.0 mm, 長さ10 mm及び内径4.6 mm,長さ150 mmのそれ ぞれステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデ シルシリル化シリカゲルを充填し,それぞれプレカラム及び分 離カラムとする. カラム(JP17本文より抜粋): 内径7.8 mm, 長さ300 mmのステンレス管に9 μmの 液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂を充填する. ●プレカラム:InertSustain AQ-C18 5 μm, 10 x 4.0 mm I.D. Cat.No. 5020-89805 (ホルダー1個、カートリッジ2個) Cat.No. 5020-89804 (カートリッジ2個) カラムジョイント形式:1/16インチウォーターズオシネ型 (本製品はギ酸分析用として用意したカラムであり、 Cat.No. 7845-79544とは仕様が異なりますのでお間違いのないようご注意ください) ●分離カラム:Hamilton HC-75(H+) 9 μm, 300 x 7.8 mm I.D. 79642P Cat.No. 7845-76001 基材:ポリスチレンジビニルベンゼン 官能基:スルホン酸 カラムジョイント形式:パーカー型 (長さ300 mmカラムが収容可能なカラムオーブンをご使用ください) ●分離カラム:InertSustain AQ-C18 5 μm, 150 x 4.6 mm I.D. Cat.No. 5020-89730 カラムジョイント形式:1/16インチウォーターズオシネ型 ジーエルサイエンス株式会社はHAMILTON COMPANY社製 HPLC用ポリマーカラムの日本総代理店です。 ポビドン純度試験(7) 前処理用クロマトグラフィー管 ●プレカラムと分離カラムの接続 外径1/16インチ、内径0.25 mmのPEEKチューブを 長さ5 cmにカットし、ピークタフオシネを使用して接続しました。 ●PTFEバルブ付オープンクロマト管(フィルター付) 内径8 mm, 長さ200 mm Cat.No. 6010-23200 ●接続関連製品 ・外径1/16インチ、内径0.25 mmのPEEKチューブ 長さ:5 m Cat.No.6010-37305 ・ピークタフオシネ 5個入り Cat.No.6010-48600 試薬・試液 2-ピロリドン純度試験 カラム カラム(JP17本文より抜粋): 内径0.53 mm,長さ30 mのガラス製の中空毛管カラムの 内面にガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール20 Mを 厚さ1.0 μmで被覆する. ●分離カラム :InertCap Pure-WAX 0.53 mm I.D. x 30 m df = 1.0 μm Cat.No. 1010-68445 ポビドン純度試験(7) 前処理用充填剤 ●カラムクロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂(H型) MCI GEL CK08P 100 mL 粒子径:75~150 μm 対イオン:H+ Cat.No. 5055-79540 バックナンバーやアプリケーション検索はこちらから・・・ http://www.gls.co.jp/hplc.html GL Sciences LC Technical Note 使用装置 LC分析装置:GL7700 シリーズ ① 医薬品各条 ポビドン 純度試験(4)(7)(8) ① ② ③ ④ ⑤ 脱気装置 送液ポンプ オートサンプラー PDA検出器 カラムオーブン DG7760 PU7710 AS7720 PD7752 CO7730C ② ④ ③ ⑤ GC分析装置:GC-4000 Plus ② 試薬・試液 ピロリドン 純度試験 ③ ① ② ③ ガスクロマトグラフ オートインジェクター オートサンプラー GC-4000 Plus ASI 241i ASI 241s ① ジーエルサイエンスでは、分析ノウハウときめこまやかなフォローもお付けしたシステム提案を行っております。 お近くの営業所や カスタマーサポートセンター までお気軽にお問い合わせください。 ホームページはこちらから・・・ http://www.gls.co.jp/hplc.html 〒163-1130 東京都新宿区西新宿6丁目22番1号 新宿スクエアタワー30F TEL.03(5323)6611 FAX.03(5323)6622 TEL.03(5323)6611 TEL.06(6357)5060 TEL.045(985)7900 TEL.024(534)2191 TEL.029(858)3700 TEL.043(248)2441 TEL.048(667)1611 TEL.052(931)1761 TEL.082(233)1101 TEL.092(738)6633 FAX.03(5323)6622 FAX.06(6357)4580 FAX.045(985)7901 FAX.024(536)1518 FAX.029(858)3780 FAX.043(248)2485 FAX.048(667)1656 FAX.052(931)1814 FAX.082(233)1110 FAX.092(738)6636 カスタマーサポートセンター T E L . 0 4 ( 2 9 3 4 ) 1 1 0 0 FAX.04(2934)3361 東 大 横 東 筑 千 北 名 広 九 京 営 業 阪 支 浜 支 北 営 業 波 営 業 葉 営 業 関 東 営 業 古 屋 営 業 島 営 業 州 営 業 部 店 店 所 所 所 所 所 所 所 本テクニカルノートは、薬局方分析を検討するお客様のための参考資料です。 お客様装置におけるシステム適合性を保証するものではありません。 データに起因して生じたいかなる損害に対しても、当社は責任を負うものではありません。 また、記載事項を予告なしに改訂する場合があります。あらかじめご了承ください。 ジーエルサイエンス LC テクニカルノート
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